待望の残暑が続いているが皆さんお元気かな?夏はまだ終わってほしくない、できれば3か月くらい続いて12月になったら「ハイ、これから冬!」の掛け声とともにバンッ!と寒くなってほしい。メリハリがあってほしい、と自称小学5年生の僕は思う。中途半端はいいです。
日曜日に時間があったのでDVD、「800-Two lap runners」を見る。聞いたことないでしょ?「800」は川嶋誠氏の素晴らしい、もう一回言おう、素晴らしい小説です。文庫本の解説で江國香織氏が大絶賛していたが、波長の合う人にはどうしようもない傑作。優等生広瀬君と野生児中沢君の二人の高校生800m走のランナーを中心に気が付けば実は複雑なラブストーリーが展開する。つまんないスポ根ものじゃないよ。それが1994年に映画化されて結構いろんな賞を取っている。DVDに記載されているのでは文化庁優秀映画作品賞(全く似合ってない)だとか日本映画批評家賞監督賞だとか。監督の廣木隆一氏はもともとピンク映画の出身で、安西水丸氏がとても自分の口に合う監督だと雑誌に書いていた。しかし好きな本ほど映画化されても失望することが多いので見なかったのだが、魔が差したわけだ。
が、結論を言うと見てよかった。わざとやってんのか!と思うほど型通りの演出があり(ピンク映画っぽい)、ここで挫折する人もいるかもしれないが、これが逆に青春映画っぽい。そして「プリンセス・トヨトミ」もそうだったのだが、原作より作者の意図せんとすることがはっきり表現されている。高校生がこんなことしていいのか!という変化球のラブストーリーも、「治ったの」という言葉でなるほどと思えてきます。
女の子達が主演2人のナイスガイぶりに較べて全然見かけ可愛くなくてちょっとがっかりですが、まぁ高校1年生かそれ以下という設定だもんね。むしろリアルか。そして映画一杯に「夏」が溢れている。これはかなりのものです。ステレオタイプでなくリアリティのある日本の夏。君も僕も感じているありきたりの日本の夏の盛りがギューと詰まって入っている。気持ちよかった。
ほんとに走りたくなってきた。影響力大でした。つまんないこと言ってないで身体を動かせ!そういうことね。