昔から健康に関して言われていることはたくさんあるが、これが結構正しい。
寝る子は育つ・・・寝ると成長ホルモンの分泌が盛んになるからだ。腹八分目・・・これぞ生活習慣病の極意。早起きは3文の得・・・午前中の方が創造的な能力が発揮されやすいというのは脳科学的に証明されている。そのほかいっぱいあるぞ。来年の抗加齢医学会も「故きを温ねて新しきを知る」というか、健康に関する諺の科学的な検証をする企画が設けられている。
これというのも、昔の人は賢いというか、観察する時間がいっぱいあったからだろうなぁ。エビデンスをひたすらに観察することで得ていた。治療法も少ないし真剣だったんだと思う。
で今年の欧州糖尿病学会でまた同様の発表があった。よく噛んで食事をすることで、あまり噛まないで飲み込む“早食い”に比べ、食後の血中グルカゴン様ペプチド(GLP-1)値とペプチドYY(PYY)値が上昇することが確認された。奥羽大学薬学部の斉藤美恵子氏らが行った試験で明らかになったもの。
GLP-1は今話題の小腸から出るインクレチンという、インスリンの分泌を刺激するホルモンの一つ。PYYは視床下部に働きかけて、食欲を抑制することが知られている。この2つが働くことは糖尿病の発症抑制、また治療にきわめて有用と考えられる。
よく噛むというのは30回、早食いは5回という定義をしていて、GLP-1とPYYの分泌量は大幅に変化した。座長から「おばあさんによく噛めと言われたものだが、どれくらい噛んでいいのかわからなかった。いいヒントを有難う」とコメントをいただいたそうである。
やっぱりよく噛まなくてはならない。僕は恐るべき早食いで2,3回しか噛んで無いような気がするが、大いに反省する。この前、高槻赤十字病院内科部長の金子至寿佳先生の講演で、インクレチンは野菜を食べるとよく出る、肉類は少ない、という話を聞いた。食事の最初に野菜を食べるようにと。
そこで秘訣を教えよう。ダイエットを成功させようと思ったら、食事の前に野菜を30回以上噛んで食べることだ。そして満腹が近いと思ったら、その時にやめること。空腹を感じた時にのみ食べること。習慣で食べるのはよくない。ゆっくり食べると少食でもあまり空腹を感じなくなる。
間違いない。ダイエットは簡単だよ(本当にやる気があればね)。