触れ合うことが一番!

医事新報を読む。この歴史ある医学雑誌で人気のあるのが「質疑応答」のページで、主として開業医が日常診療で持つ疑問点を投稿すると、専門医がそれに回答するという趣向である。誰に答えて欲しいか、リクエストすることもできる。

 

 疑問点というのは大体誰でも同じようなことに関して持つもので、読んでいると役に立つことが多い。今日気になったのは「アルツハイマー病を家庭だけでケアするのと、デイサービスに週2から3回通うのでは病気の進行に差が出るのか」という質問であった。これに東京浴風会病院精神科診療部長の須貝先生が答えておられる。

 

 結論から言うと、デイサービスの効果について科学的な方法で検証した論文は皆無である。もともと非薬物療法の効果判定は非常に困難であり、しかもアルツハイマー病の場合、スタッフと患者さんとの相互作用、関わりやコミュニケーションが「療法」といわれる介入プログラム以上に重要な役割を果たすからである。デイサービスでも脳トレーニングがよく行われているが、アメリカとイギリスの研究では、その有効性を裏付けるデータはほとんどないとのこと。

 

 ではデイサービスは無駄なのか?そうではない。数千人、56年と追跡調査した各国の疫学データは、なによりも人とのコミュニケーションをとり続けることが認知症の予防に有効であると結論している。ひとりで家にこもって計算練習をしていても認知症はすすむが、デイサービスで多くの人と触れ合っていればすすまないかもしれないのである。

 

 うーむ、これは大変勇気付けられる結論ではないかな。うちのデイサービスのやり方にも、より良くなるヒントが有ると思う。よく考えてみることにします。

 

こういうやつです。

 

 

 

 

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