高校の同級生とゴルフに行く。2組集まったのだが、そこでびっくりする話を聞かされる。
ほんの数日前に同級生が亡くなったのだ。彼は優秀な精神科医で、ある事件に巻き込まれていて(新聞にも載るような)、そのことで僕もメールをしたのだが少なくとも返事の文面上は元気そうであった。だけど突然ちょっと複雑な亡くなりかたをした。
数年前の同窓会で本当に30年ぶりくらいに会って、その時中学1年の時の臨海学校で僕がよく足がつった話(その時よく一緒にいたのだった)を楽しそうにしてくれて、僕も嬉しかったのだ。その後も何回か会ったのだが、とても頭がよくてパワフルで、エキセントリックなところも少々あったのだが、心の優しい、その分少し生きづらそうな感じを受けた。
全員絶句した後、
「死ぬ気やったら何でもできるやろー。何してんねん」
「ほんまや。おまえなんか何やっても絶対死ねへんな」
「そうや。俺ぜったい人のせいにするもん。すべて他人のせい。ゴルフやったらクラブの
せい」
などと言っていても元気はない。
その瞬間に何を考えていたのだろう。
夕方、風に吹かれて月を見る。「君が死んでも世界は変わらない。でも君が生き続けていると世界は変わるかもしれない」という言葉を思い出した。優秀な彼にふさわしい。でもこんなこと何の慰めにもならないなぁ。心の中は他人には判らない。
本当に残念。いろいろな意味で。