バカはなおせる、って。

 面白い本を読んだ。久保田競先生の「バカはなおせる」だ。キャチィーなコピーだなー。担当の編集者が提案したのだろうが、売れ行きを上げるタイトルだと思う。実は秋にある医師会主催の区民講演会で演者になっていただくため、僕は最近著者の久保田先生とお会いしたのだ。温厚実直そうな先生で、直接は言われなかったがこのタイトルは御本意ではなさそうであった。

 先生は任天堂の「脳を鍛える大人のDSトレーニング」で有名な川島隆太教授の師匠で、学術的な発表も非常に多い脳研究の第一人者である。語りおこしで読みやすいこの本は、脳の本を結構読んでいる僕にとっても興味深い記述の多い、有益なものであった。

 一つ紹介すると、「見ること」についての加齢の影響。観察の重要性。単純に言うと、若い頃は観察力が優れて細かいところまで自然に見ているが、年をとるとぼんやりとしか見ていない。意識して注視してみるとその分野の脳細胞が若返るということが証明されているという話。メカニズムはもっと複雑であるが、大事なことは訓練により機能は十分回復すること。

 人間は見たいものしか見ていない。年をとると新鮮なものは少なくなり、注視する機会は少なくなる。僕が個人的に共感したのは、意識して注意深く観察していると、そのものに対する考えが自然にいろいろ浮かんでくるという経験を自分で意識しているからだ。観察は大事だ、まず注意深く見ることだと感じていたのだが、それの裏付けをいただいたような気がする。

 全体を通して、ボーとしているのはだめだ、わずかな時間でも観察し、考え、身体を動かせ(特にjoggingの有用性は力説!)、楽しめ!と主張されている。そのとおり!明日といわず今から走り出したくなるよ。

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バカはなおせる、って。」への2件のフィードバック

  1. あるく

    DSトレーニング、先日友人が試みたのですが、出た結果が89歳、、、さすがに笑う顔が引きつっておりました。ドラえもん、、、ねずみ一匹に取り乱し、爆弾を使うドラえもん、、、ステキです☆

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  2. decency

     むっむー、いつもご指摘が鋭いですねー。感心します。
     DSトレーニングは一時僕もよくやっていたのですが(60歳から30歳くらいまでには進化した)最近やってません。ぜったい90歳と出ると思うので怖いからです。

    返信

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