ワイルド・ソウル

 エー、またやらなあかん事務仕事をナップザックの肩紐がちぎれんばかり詰め込んで帰ってきたのですが、ついこの間仕入れた垣根涼介著「ワイルド・ソウル」を僕の主たる読書室である風呂場で読み出したら(主たるリスニングルームは車ね)もう止まらん。ケアマネの皆さん、意志の弱い私をお許しください。意見書は明日全部書きます・・・多分。

 気に入る本は何かしらフェロモンがある。クンクン。この本は前から気になっていたのだが、アマゾンのusedで安かったからつい上下巻とも買ってしまった。簡単に言えば復讐譚である。いいなぁ、復讐。こういうのがすきなのは欲望を置き換えてやってもらっているからかしらね。

 1960年代といえばすでに僕は生まれているが、そんな頃でも日本政府はブラジルのアマゾン地域にひどい条件で(それを知らせずに)移民を募っていた。ほとんど詐欺である。ほんとにひどい。日本政府はいざとなると助けてくれると思っている皆さん、そんなことは絶対にない。彼らは原則、自己保身だけである。忘れないように。

 主人公はこの世の果てのような移植地で家族も亡くし、そのまま総てを捨ててもいいような状況で見知らぬレバノン人に助けられる。

 「15年前、この国にやってきた。飢えていた時期がある。」「その時ある男が俺を救ってくれた。その借りを返したい。」
 その言葉に江藤は首を捻った。「だが、その相手は俺じゃない。」
 「それでいいんだ」平然とハサンは返した。「俺はその相手から受けた恩をお前に返す。お前もこの俺から受けた借りをいつかは誰かに返す。そういうふうにして世界はつながってゆく」

 こういう考え方はあんまり一般的じゃないかもしれぬ。しかしシビレませんか。自分と世界はつながっているいう感じ方。こうありたい。

 舞台が現在に移ったところで本を閉じた。今から何に復讐するのだろう。ワクワク。しかしこんなことをやってると利用者さんから俺が復讐されるな。今から書こっと。

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風呂で読むからヘナヘナ

 

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