診察をしていると、「もう年やから」とか「年はとりたくないなぁ」という台詞を頻繁に聞きます。「まあそんな事言わないで」と僕はかるく流していますが、さもあらんか、と思ったりもします。
生物学的に保証されているのは男女とも生殖能力のある時期くらいまで。つまりは50歳くらいまでね。桶狭間出陣の朝に信長が「人間五十年、下天の内をくらぶれば、夢幻のごとくなり」と敦盛を舞いましたが、生物学的な限界のひとつの基準かと思います。
後は社会的に生存の価値を証明していく時期。社会的な存在感が生命力を保障するのですが、定年や子供の独立など、拠り所がなくなると生命力が落ちてくる気がします。ここは自分でキープしていかなくてはなりません。
そのために非常に大事なのが丈夫な身体なのです。
「身体は買い換えることが出来ません」。
身体は精神を乗せて突っ走るビークル、乗り物ですが、お金がなんぼあろうと自動車のように買い替えることは出来ないのです。ただ1台の車を、僕達は丁寧に乗っていかなくてはならない。50年乗ったらもう下取りに出しても値段がつかないようなもんです。しかしそれからまだ50年乗ろうと思ったら、どれだけ気をつけてやっていかなければいけないか、簡単に想像がつきますよね。
しかし(僕も含め)どれだけ乱暴に扱ってるか!
定期的なチェック、毎日のメインテナンス、ガソリン以外のよけいなものを入れない、毎日少しでも走らせる、置きっぱなしはダメだが、ハードに使った後は休ませるとか、今までのメチャクチャな乗り方を反省して丁寧に細心の注意を持って手入れをしていきましょう。
そうすれば必ず答えてくれます。ひいては充実した後半の50年を過ごすことができる。故障もすると思います。そいつも出来るだけ早く修理して、うまく付き合いながら乗っていきましょう。
あなたの大事なたった1台の車なんですから。メインテナス・フリーなわけないんです。50超えたら丁寧に、細心の注意を持って。
勿論それ以前からやっていたほうが持ちがいいのは決まってますよ!
ひょっとしてあなたのボディはこんな感じ?