Driver's talk

 今日は休みだったけど夕方から某所に1時間ばかり講義に行く。

 最近は糖尿病関係で呼ばれることが多い。循環器と糖尿病は切っても切れない仲だけどね。タクシーを奮発していただいたので1時間弱運転手さんとお話しする。

 行きのドライバーは阪神大震災の話。

 もともとは建築業の方だった。朝4時に起きて図面を引いていると外がやけに明るい。1月なのにおかしいなぁと思ってみるとどこからかわからないが朝焼けのようなオレンジ色の光で空が明るくなっている。そして放電のように白く線を引いた光が何本もオレンジ色の空を飛び交っているのだ。驚いて趣味のカメラで撮影した。10分もしてそれにも飽きて図面に戻ったら急に何10台ものトラックが一斉に走り出すようなびっくりするような轟音が聞こえた。今から考えたら地鳴りなんでしょうね。その後すぐしてからガッガッガッときたんですわ。

 運転手さんの家は全壊で、ご家族みなさん2階にいたのだが1階は全部崩れてそのまま下に落ちて皆さん無事だったとのこと。六甲にお住まいだったのだが山から見える下の景色は戦争のように方々から火の手が上がり(プロパンでしょうか、ホンマに火柱が何本もあがるのです)、ビデオカメラで思わず記録した。知り合いにM放送の人がいてビデオの話をすると一度見せてくれと言われ、その後電話で版権を譲ってくれと言われた。150万で買ってくれたんです、ということでした。

 大地震の前に空がオレンジ色だった話や閃光の話は何回か聞いたことがある。ほんとだったんだ。

 帰りの運転手さんはなんと40年以上剣術をしているという方だった。剣道じゃなく真剣を使う剣術。

 「必死なっているときは切られても人間痛くないです。だから切るんだったら足をやるんです。立てなくなったらしまい。それか頸動脈かなぁ」(ひぇー!)

 「こいつは俺より強いとわかったら逃げます。それだけ。同じくらいかなと思ったら気合ですね。絶対俺が勝つという気力。腕と眼を見ていれば刀は避けられます。半身で避ける。目が泳いでるやつはダメです。菅さん、眼泳いでるでしょう。どっちか言うと小沢さんやね、僕は」(激しく同意!)

 「じっとしているときは呼吸です。口を開けたらだめ。鼻から少し吸い、口からゆっくりと長く吐く。そして最後の力を出すときはフッと強く吐く!」

 勉強になりました!

これは何でしょう?製薬会社の方、わかるかな?

Driver's talk」への4件のフィードバック

  1. Alfista

    先生、面白かったです~。
    往路のドライバーの方は自分の家が壊れて落っこちたのによくビデオカメラをまわしましたよね。ま、それが幸いして150万円になったのだからね!普通のカメラでなくて大地震の前の空や閃光もビデオに撮っていたら更に倍額、だったりして。
    復路のドライバーは少しおっかないですね。「走る凶器」ならぬ「走る侠気」だったりして・・失礼しました。この剣術家の運転はどんなだったのでしょうか、と気になります。「前のクルマは半身でよける」だったりして。

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  2. 着ぐるみ院長

    Alfista君

    コメントサンキュー。

    「走る侠気」さんの運転はびっくりするくらい平凡で安全運転でした。しかし「ドライバーになってから事故したことがない」と少し得意げに言ってたから、やはり剣術の極意で運転してるのでしょう。達人は平凡に見える。案外タクシーの事故は多いのかもね。

    返信
  3. 着ぐるみ院長

    谷口プロ

    コメント、サンキュー。

    バンティング? 誕生日?
    浅学菲才な私に解説を!

    返信

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