福島第1原発の所長、吉田昌郎君は高校の同級生である。
しばらく前までほとんど誰もそのことを知らなかった。同窓会を開くために作られたメーリングリストに東京在住の同級生が「そうじゃなかったかな?」と書いたことで事実がわかった。
テレビに出てくるのはスポークスマンばっかりで現場を直接仕切っている彼は姿を現さない。どうしてるのだろうと気になっていたのだが、チラチラと漏れ来る情報で、奮闘する彼の姿がうっすらと見え隠れしていた。
すると同級生の芦屋の悪社長が教えてくれたのだが、週刊文春4月21日号、巻頭の記事にそのリアルな姿があった。タイトルは「東京電力:福島第1原発の反乱」。うーん。タイトルはともかく、少し記事を抜き書きしてみる。
「責任者は福島第1原発の吉田昌郎所長だ。本社からの無理難題の指示にも耐え忍び、あるいは毅然として対応するなど、評価は高い」
「これまで1か月近く高いレベルの放射線と闘いながら吉田所長以下数百名の技術者たちは高い職業意識で過酷な現場へ突入し続けた。そこにあったものは東電本社の<評論家>たちが口を挟むことを良しとしない、技術者としての強烈なプライドだったはずだ」
「東電本部の技術者たちが専門用語だけを繰り返し、答えを出さないことに吉田所長が苛立ったことは1度や2度ではない。」
海江田大臣、細野補佐官同席のテレビ会議で、本社の現状無視の要求に対して彼はついに爆発する。
「東電本社の技術者たちは専門用語を怒涛のように繰り出し吉田所長の説得を始めた・・・「本社はいつも、がんばれ、がんばれと言うだけだ!」そう吐き捨てた吉田所長は、いきなりマイクを机の上に叩き付け、こう怒鳴り上げた。「もうやってられねぇ!」所長は腕組みをしたまま憮然とした表情で椅子にふんぞり返った。会議室は沈黙した」
こういった状況で今も原発の危機回避の作業が続いている。記事が事実を伝えているのか、それは分からない。しかしこういった側面は間違いなくあるはずだ。
メーリングリストのタイトルは「がんばれ!吉田」である。原発トラブル初期に彼に「死ぬなよ!」とメールを送った同級生がいて、返事は「これぐらいで誰が死ぬかい!」だった。以後返事はない。
世界で一番運の悪い男は「ダイ・ハード」のブルース・ウィルスだが、吉田君は世界で今一番大変な目にあっている男だ。しかしダイ・ハードのように絶対乗り越えると信じている。
死ぬなよ、吉田!
吉田さん最近の状況を知りたくて、検索していてここにたどり着きました。高校生の時は確か坊主頭にしておられた1期先輩である吉田さんですが、そう言えば手元にある同窓会名簿には、住所も勤務先も何年かにわたって記入されていないことが気になっていました。発電所のスタッフとともに、世界と歴史をしょって困難に立ち向かっているらしい、ということは、何となく希望につながっているような気がします。がんばれ吉田さん。
小立野仙人さま
コメント有り難うございます。
50を越してから今までそれほど盛んでなかった高校の同窓会が活発になってきました。その時思うのは、その人間を知りたい時は出身大学より高校の方が参考になるという人事の鉄則です。
同じ場所で青春時代を過ごした人間の共通のカラーがある。
吉田君の頑張りは本当に自分のことのように気になります。
元気でいてほしい。
今頃ここに書いても伝わるかな?
今日(5月30日)昼間のワイドショーで、吉田さんについて、馬場さんがインタビューに答える映像が出ていました。ご覧になりました?(無理かな。)新聞で気がついて、録画を仕掛けて出かけました。
ご連絡ありがとうございます。
数人の方からテレビを見たというお話を聞きました。
また最近も2つほど週刊誌から話を聞きたいと連絡がありました。
僕は彼について語れるほど親密なわけじゃなかったのでお断りしましたが、本当に時の人ですね。
孤軍奮闘の感が出ていて心強く思うとともに心配になります。
本当に元気で、自体が改善していくことを祈っています。