生還

 ジェームス・テイラーへのトリビュートコンサートDVDを見ました。非常にいい感じのコンサートなのですが、スティングが登場してきます。なにかJTとはあわない感じですが(ブルース・スプリングスティーンも登場し、こっちはもっとあわねえ!感じですね、でもJTを大好きみたいです)、ギターを2つくっつけたような不思議な楽器を操って、マイナーな歌を一人でとても美しく演奏し歌いました。

 カッコええなー、スティング。格好のいいおじさんミュージシャンといえばクラプトンと並んで必ずランキングされますが、もう60歳くらいですよね。体脂肪もどう見ても1桁という感じですが(ヨガが趣味らしい)、あの面構えがいいでしょう。はげてても色気のある見本です。

 僕の患者さんで、年齢も面構えもスティングにそっくりな人がいます。彼はある政治結社のえらいさんで、ちょっと怖いのですが、年に1度、必ず検診に来られます。

 ある年、胃カメラを○生会○江病院にお願いしたのですが、「100%胃がん、すぐ入院してください」と連絡が来ました。細胞診ではクラス4で確定ではないですが灰色で、検査したドクターは確信していました。

 「ちょっと悪いものの可能性が強いので手術しましょう。まだ間に合う可能性があります」とお話しました。「・・・わかりました」と彼は言って数日後入院していきました。

 しかし入院後の検査で胃がんは全く認められず、外来で検査したものが人違いでないか何度も調べられたのですが間違いなく、写真で見た凶悪な面構えの胃壁は全くきれいになっていました。まれではあるが急性の胃粘膜病変が治癒したということで退院され、報告に来られた彼に「よかったですねー!」と言っていたら・・・

 「実はうちの家内は霊感が強くて、ちょっとそんな仕事もやっとるんです。胃がんや、というたら1週間、物も食わんとずーと祈っとんですわ。やはりそれですかな・・・」と話されました。まさかね、と思いながら、その時はちょっとあるかもしれないという気になったことは否定できないな。それほど劇的な変化でした。僕は消化器の専門家ではないので結構あることかもしれませんが、あれほど僕の目にも、また専門医も間違いないと自信を持っていた所見が激変したのは初めてで、それ以後もありません。 

 スティングを見ると彼を思い出します。すごい生命力が強そうで、そういう感じがする人でないとあんな出来事は起こらないな。

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Mさん、いやスティング

  

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