年末に嘔吐下痢症にかかった。多分ロタウイルス。生涯3回目の点滴をしたが、1リットルいれてもおしっこに行きたい気がしなかったから相当脱水だな。2日ほど全く何も食べず水分のみ。仕事はやってました。感染源となるのはまずいので、外来ではトイレも行かず(おう吐物や便にウイルスは排出される)真剣に手洗いをする。医者になって32年だけど病欠は1日もない。ガールフレンドがらみのズル休みは数日ある。そこが僕の詰めの甘いところだ。
でそれ以来、これはカロリーリストリクション(CR)のいいチャンスだ!と考え食べる量をかなり減らした。CRは抗加齢医学に関心のある人なら聞いたことがあるかもしれない、ホットトピックと言うよりは今や常識か。
哺乳類を含めあらゆる生物で寿命を延ばす唯一の確かな方法は摂取カロリーを減らすことである。25%減らすと約1.5倍健康的に寿命が延長する。下の写真のお猿さんは同じ年齢だが顔つきも身体つきも右のお猿さんがずっと若く見えるし実際能力も高い。飼育方法の唯一の違いは左は好きなように食べ右はカロリー制限をしたのである。、
ちょっとハードな条件に置かれると生物は生き延びようとして老化が止まるようだ。厳しすぎるのはだめだけど。原因はもう特定されていて長寿遺伝子であるサーチュインの活性化が起こるため。サーチュインは赤ワインなどにも含まれるレスベラトロールの摂取でも活性化する。去年NHKでこの話(お猿さんも登場した)が特番であって、それ以来レスベラトロールのサプリはネットでごまんと出ている。効果のほどは実証できていない。それより食べる量を減らし、ちょいきつめの運動を定期的にする方が間違いなく確実。
食べることというのは元来ストレスであるらしい。消化管は内臓とはいえ口から肛門までの管で、その粘膜面は外界と接しているわけで、実は身体の外といえる。何が含まれているかわ判らない食物が通るので防御のため免疫グロブリンはかなりの部分が腸管で作られる。
CRは今食べている量の25%を目指すのだが、大体「いつもお腹がすいている感じ」を当初の目安とする。これが慣れるとなかなか快適である。大体食べ過ぎると気分悪くなるでしょ?
で、今のところまあまあ続いていて、体重も1.5Kg減というところである。めちゃめちゃストイックにやると性格上続かないのが分かっているのでまあルーズに続けていこう。前回書いた「禁!アルコール、スイーツ、テレビ」もルーズに続いています。