知の逆転

今年になってから運動系とは全くオサラバし、ひたすら勉学に励む毎日です。大丈夫かい、オッチャン?

キンドルを買ったこともあり、医学系にとどまらずものすごく読書量が増えた。前年比2.5倍くらいかいな。なんでも大量にやっているとどんどん弾みがついてくる。本当に本を読むのは楽しいなーと思っているのだが、最近の出色はこいつ、「知の逆転」です。サイエンスライターの吉成真由美氏著、NHK出版新書。

インタビュー集だが、このメンバーを見よ!

ダイヤモンド:生物学、生理学、地理学その他、多才!UCLA教授だが「銃・病原菌・鉄」の著者で有名だな。でも読んでない。

チョムスキー:MIT言語学教授、かつ哲学者、社会運動家。NY Timesによれば現存する中でおそらくもっとも重要な知識人。アメリカに対する批判的言動は僕も知っていたけど。

サックス:僕にとっては最も馴染みがある。コロンビア大学神経精神医学教授。著書の「妻を帽子と間違えた男」はよく知られている。でも読んだことない。

ミンスキー:人工知能の専門家。MIT教授。名前のみ聞いたことある。

レイトン:MIT応用数学科教授。初めて聞いた。学内起業で最も成功している人。年商10億ドル。インターネットの超専門家。

ワトソン:おお、DNA二重らせん構造の発見者でノーベル賞受賞者である!著作は読んだことない。

というような、知っている人においては超有名な方々のインタビューなのだが(僕は上記のようにほとんど存じ上げてなかった)、吉成氏ははっきり自分の訊きたいことに的を絞って話を構成しているので散漫でなく大変読みごたえあり。話の目的は「これから我々はどのように生きていけばいいのか?」ということだと思う。人は、社会は、国は、世界は?

 

彼らは全員無宗教、もしくは関係ない生き方をしている。そしてとーぜん悟ったような悲観的な言動はなく、今、これからをワクワクして生きているような感じ。痺れるような言葉満載です。

出だしがこれ。「思い煩うことはない。人生は無意味なのだ」-サマセット・モーム   うーん、やるなぁ。

 

「人生というのは星や岩や炭素原子と同じように、ただそこに存在するというだけのことであって意味など持ち合わせていない。」-ダイヤモンド

「侵略者はいつだって気高い志に燃えている」「インターネットはカルトを生む土壌になる」-チョムスキー

「ダーウィンは原始の男が女を惹きつけるための手段として様々な音を発するようになり、女が良い音を選択したため声や歌が生まれ、言語はその後に発達したと考えている」-サックス

「現在のロボットはチェスには勝てても枕をカバーにいれる程度のことも出来ない。それが福島にロボットを送れなかった理由で30年前と変わっていない」-ミンスキー

「サイバー領域では裾野の方にたくさん競争相手がひしめいているが、頂上の方では敵なしだ。我々は数学をしていてその分野の内容を提供できるところはどこにもない。」-レイトン

「脳と老化とメタボリズムが将来の研究分野。」-ワトソン

ワトソンがDNA構造発見の共同研究者クリックを評した言葉「フランシス・クリックが謙虚な気分でいるところを見たことがない」!!   いかすなぁ。

 

 とても書ききれない。パラッとしただけで、気になった言葉がこれ。帯に「10冊分の情報が詰まっている」とあるが、本当に知らないこと、知った方がいいことがいっぱい書いてある。

でもタイトルの「逆転」はどういう意味だろうねぇ。吉成氏の予想と違ったということだろうか…

 

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です