2型糖尿病がなかなか改善しない方がいる。頭の回転の速い、仕事のできる中年女性であるが、忙しくて運動も出来ず、疲労からつい甘いものに手が出るという生活から脱却出来ない。糖質制限の話は何度もしていたが実行につながらなかった。
ところがある日のデータは大きく改善、体重も少し減って印象が違う。
「やったね!かなり努力したの?」「しました、糖質制限。」「おおー」
というわけであるがそれには訳があった。「先生に言われていた糖質制限、この本を読んで俄然やる気になったのです」
それはラップ療法で有名な夏井睦先生の「炭水化物が人類を滅ぼす」であった。僕も読んだが単なるハウツーものでなく、いかに人類にとって糖質が不必要なものであるか、歴史的な観点から多くの例証を挙げて迫る説得力満点の本である。
納得した。僕の力が及ばなかったのは大いに反省すべき点であるが、人間は納得すると簡単に行動変容が起こるのだな。あれほどできなかったことでも簡単に。
禁煙が読むだけで出来る本、というのもあって、これも読むだけで成功した人を知っている。タバコがいかに健康に害を及ぼすか、喫煙がいかに愚かな行為であるかということを説得力をもって書かれてあると、人間は納得し行動に移すのである。
で、僕も一つあったのだ。
僕は長距離を歩くと足が痛くなるので鎮痛剤(NSAIDs)を事前に内服することが半分習慣になっていた。最近著しく足の状態は改善しているので飲まないでおこうと思うのだがどうも恐怖心があるのだな。胃痛や腎障害の可能性もあるし、とか思っても止められなかったのだが、ある時NSAIDsの細胞障害のメカニズムを読んだ。
「NSAIDsは継続すると細胞内に蓄積し、ミトコンドリアの酸化的リン酸化を阻害しATPを減少させて細胞障害を起こす」・・・・・ミトコンドリアまで来るのか、と思ったとたんにNSAIDsの呪縛はスルリと解けたのである。もう予防的に飲めなくなった。するとそれはそれでどうってこと無くなったのです。
他の人には知らん、しかし僕にはミトコンドリアが効いた。
とすると、いかに自分を納得させるか、キーワードを見つければ自分の行動パターンを変えることが可能なのだ。どうも出来ない、と何も考えずに放置する前に、自分を納得させる理屈を考えればいい。言葉を探せばいいのだ。
ということで、僕にはいくつかターゲットがあるのだが、これは秘密だな。
認知行動療法というやつですね!
先生の力が及ばないなんて、とんでもない。
先生の一言があったからこそ、そういった本を読もうという気になったのでは?
営業マンとして、これを使おう!と思ってもらえるキーワード、僕も常に探しております…。
先生教えて…。
プロ、コメント有難う。
君の望む「開けゴマ!」のようなキーワードはなかなか難しいであろう。
相手によって違うと思うのだが、たとえば
じっと目を見つめて
「僕は嘘は言いません、ましてや先生には絶対・・・」とかすれ声で言うのはどうだ。
あっ、これは女医さん向けだった。