僕の穏やかでもなくラジカルでもない日常

忙しいのに結構本を読んでいる。ということは当然何かが犠牲になっているはずで、どうもそれはつまるところ僕がしなくてはならない大嫌いな書類関係のルーティンワークである。僕が嫌いでもそれを必要としている人はいるはずで、そのような方々にご迷惑をかけていると思うと恐縮するあまり狭心症が起こりそうになるのだが、それでも平然と手をつけないのは二重人格かもしれない。

こらまた地味な本を読んでしまったなぁ。
「クン氏のおだやかでラジカルな日常」松本東洋氏著。河出文庫。1997年初版。買ったのは何年位前かなぁ。10年は経っている気がするから、出版されてから結構すぐに買ったのだろう。その頃はネットよりもちゃんと本屋さんに行って、パラパラと内容を見て買っていたから、それなりに外れの本は少ない。でも全部読まなかった。気になるんだけど進むだけの魅力が感じられず、他の本がもっと面白かったのだろう。

最近、昔買って読んでいなかった本は実はアタリのことが多いというのがわかり(理屈を考えれば当たり前だ、気になって買ったんだから。読まなかったのは色々な事情によるだろう)本棚からアト・ランダムに抜き出して読んでいる。

この本は今でもよく出版されている、ちょっと哲学かかった、フツーの人にやさしく人生を考え直すきっかけを与えるという感じの本であります。クン氏(ひょっとしたら君子なのか?)というフリーターみたいなおっちゃんがいて、そこを訪ねる様々な悩み多き人とのちょっとした会話が収録されているのですが、今読んでみるとなかなか鋭いことを言っとると感心しました。

ものすごく単純に言うと、自分は自分、人は人。比較が諸悪の根源であり、そもそも「自分」と「世界」は実は一緒のものなのだよ、ということです。色即是空 空即是色だったのです。

けっこうすっきりするものがありました。僕が感じたり考えたりしていることの流れが綺麗になったと思います。よかった。

だから本を読むのは止められない。しかしそろそろやらんとなぁー。追い込まれないとルーチンに手がつけられない(わざとそこへ持っていっているところもある)この性格は何を読めば治るのでしょうか?

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しかし冴えんな

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