メタボと男性ホルモンの深い関係

あー、前回の続きを書こうとしていたのですがあまりにもあいだ空き過ぎ!

少し気分を変えてメタボリック症候群のことを少し書きます。抗加齢医学のことに関連して。

抗加齢医学なのですが、最近はアンチ・エイジングではなく、ヘルシー・エイジングとか、プロ・エイジング(プロは賛同するとかの意味の接頭語です、多分。プロフェッショナルの意と解説しているブログがありましたがまさかね)と言い換えることが多くなってきました。年をとることは誰にも止められない、だとしたら「抗する」というよりもいい感じで年齢を重ねようという肯定的な言葉のほうがいいというのが理由でしょうね。聖路加の日野原先生が日本での提唱者のようですが、しかしまだあまり一般的ではないな。

で、最近のちょっと話題はメタボリック症候群と男性ホルモンとの関係です。

男性更年期という言葉も一部ではポピュラーになってきていますが、女性の更年期同様、ほてったり、いらいらしたり、欝っぽいというのが男性にもみられます。これは多くは初老期の鬱と片付けられてきたのですが、実は男性ホルモン、テストステロンの欠乏症状であることがあります。そしてこういった方の90%はED(わかるね?)といわれています。

血中テストステロン値は個人差が非常に多いのですが、50歳代の12%、60歳以上の28%が平均以下との報告があります。興味深いのはテストステロン値の減少は内臓脂肪量と逆相関するのです。つまりメタボリック症候群ですね。昨年のアメリカ内分泌学会年次総会でテストステロンの低い男性(平均73.6歳)はメタボリック症候群のリスクが3倍高いと報告されています。臨床的にテストステロンを補充すると、筋肉量は増加し、体脂肪量は減少する。

メタボリック症候群はつまりは血管の病気です。動脈硬化が進行する。Nitric Oxide(NOと略し一酸化窒素です。体内で重要な働きをする)減少病とも言うこともできます。NOは血管、筋肉を弛緩させますが、その不足の最初の兆候としてEDが現れるとされています。EDは将来の心筋梗塞、脳卒中の危険信号であり、アメリカでのED患者27万人の統計では、高血圧、高脂血症の合併がともに42%、糖尿病20%、うつ病が11%と報告されています。

つまりEDの多くに合併するテストステロン減少は、男性の将来の健康状態を暗示するといえるのですね。メタボリック症候群の診断をするとき、EDの有無は結構大きなファクターと思いますが日本では全く無視されています。なんか話題にしにくいのですね。僕のところの外来にED治療薬を求めてくる男性は結構高齢の方が多く(看護婦さんがいても平気!)、もっと若い人は恥ずかしいためにネットとかでいい加減な薬を求める傾向があるという報告があります。みんな気にしないで来てね!

ここまで読むと、テストステロンを増やしたい!悩み多きあなたならそう思うはず。

実は特効薬があります。それは「定期的な運動」。なーんだと言うなかれ。日本の厚生労働省の調査では高齢男性に軽度の規則的な運動を行った場合、テストステロン値が1.5倍に上昇しています。日本でもやってるんだ。目下のところ有酸素運動に少しの筋肉トレーニングを加えたあまり激しくない運動というのは、プロ・エイジングにとって最強のツールのようです。

テストステロン補充という手もあり、筋肉注射が一般的ですが、最近抗加齢医学会で、手に塗る簡単なゲルの製造法が公開されました。実は僕のところでも製造に半分着手しており、また成果をお見せすることが出来ると思います。使いたい方は予約を!おっと、その前に血中テストステロン値を測りましょう。

こういったことに着目したメンズ・ヘルス・クリニックは少しずつですが増えつつあり、僕の診療所でも開設準備をしています。お問い合わせはメールでどうぞ。ちょっと宣伝でした。

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