トラブルは我が人生

 今日は木曜日。新しいクリニックに移るまでは休診日だったので予約も少なく、ちょっとホリディ・モードで1日を終えるはずだった・・・ところがぎっちょん

 

 朝から脇見渋滞で(なんだよこれ)着くのが遅れる。まずはギリギリでデイサービスの朝礼をすましクリニックに戻ると腹痛で冷や汗をかいている患者さんがいますと。診察すると「うーむ、これは・・・」と思い心電図をとると案の定、急性心筋梗塞である。発症1時間のスーパーアキュートフェイズである。某病院に連絡し、紹介状を書き、救急車を呼んで搬送する。その間診察は止まる。

 

 待ってられる患者さんは事情をわかっておられるので心優しいが、かなりお待たせしているのであせる。心臓に悪い。こんなときにはややこしい患者さんがどういうわけか多く、集中し午前診が終わる。

 

 午後診までの1時間、ライフラインの午睡をとろうとするも、来るわ来るわ雑用の電話。悲しい気持ちで診察室に下りる。午前と違って落ち着いてしようと思っていたのも束の間、突如インフルエンザの予防注射の山となり、それ以外に採血、心電図、点滴で看護師さんは走り回り、何年かぶりに僕が採血、注射をする。

 

「エー、先生が採血やってくれんの?・・・大丈夫?(心配そう)」

「あんねー、僕ものすごくうまいねんで(これはほんとう)。あんまりうまいから出し惜しみしてんねん」

「ほんまかいな。あっ、確かに全然痛くない。」

「みてみー、今度から指名してね」

「そうする」

などと言っているが、終わったらすぐさま診察室に戻り次の患者さんをあせって呼ぶ。

 

 患者さんがたまってきて椅子に座れなくなる。診察室にあった補助椅子まで動員する。目の前にどんどん予防注射が置かれる。外来マネージャーのO嬢は、患者さんに見えないところでは本当に走っている。

 

 夕方から某製薬メーカーの社内研修で「抗加齢医学」について話す予定だったのだが、遅刻確定となり電話。「了解しました」と言葉は優しいも口調は困惑気味。

 

 30分遅れでタクシーに飛び乗るも、運転手のおじいさんは場所がわからず、方々に電話しよたよた走る。今日は余裕の無い日だったのだ、と観念し話す内容を反芻する。

 

 で、今これを書いているわけだが、まあ結構楽しかったな。予想外の出来事は常に起こるがそれを乗り切るためにはそれを楽しむことである。トラブル イズ マイ ビジネス。トラブル イズ マイ ライフ。ウエルカム、トラブルス。明日も、おっともう今日か、こいつでいこう。

 

 

 

P.S.某国某総理が「医者は社会的常識が欠落している人が多い」と公の場で述べていました。君だけには言われたくない(朝日新聞の素粒子も同じ台詞を書いています)という感じですが、尊敬する内田樹先生がこの件について卓見を述べておられます。必読「いいまつがい」。http://blog.tatsuru.com/

 

 

 

 

 

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