僕のブレイクファウストはここ何年か野菜ジュース2杯とフルーツの盛り合わせでござる。で、フルーツなんだが機械的に食べていて、特にうまい!と思って食べているわけではない。ある時苺をおいしいからと送ってくださった方がいて、その大きな、面構えもいい苺を食べたとき、そのうまさに驚愕することになる。
「なんやこれ!」それは上品な甘さに生き生きとした命が詰まっている和菓子のような味であった。えれー違い。やはり上等ものは違うね。
しかし、思うに苺の本来の味とはこういうものではなかったか。僕が子供の時、トマトはフルーツのような味だった。うまかった。トマトだけに齧り付いておやつというのがあったと思う。人参もパセリも濃厚だったよな。僕はパセリだけをボウルに3杯食べたことがある(それもバカだねー)。
野菜の栄養素の含有量は、20年前と比べ半分以下に落ちている。抗加齢ドックで抗酸化物質としてのビタミン血中濃度を調べると意外に低くて驚かれる方がいる。「果物も野菜もよくとっているのに・・・」そのとおり。でも含有量自体が落ちているのだよ。便利さを追求して土地を痩せさせ、結果として質の低いプロダクトしか生み出さない情けない我々が悪いのだよ。
最近の子供が野菜や果物を食べないのはまずいからだと思う。正直僕もうまいとは思わない。子供の舌は変な能書きに惑わされない分だけ大人より確かかもね。
そして思うのは、食べ物で何が嫌い、これが嫌いというのは、本来のものを食べてないからじゃないだろうか。「俺、きゅうりが嫌い、生臭くって」「刺身が食べられない」君、実はそれは、本来のものじゃなくて水っぽい、洗練のないにせものを食べてるからじゃないかな。料理にしても君の食べているスパゲッティは、本物のスパゲッティかどうか怪しいものである。
何でもかんでも嫌いと言い切るには慎重さが必要だ。それが本来のものなのかどうか判らないからだ。そしてそれは勿論人間にも当てはまる原則なのである。
ほんまに全然違う!