昨日「特定保健指導推進専門医ネットワーク」の会に外来チーフのO嬢と行って来ました。
「特定保健指導推進専門医ネットワーク」とは何か?
今特定保健指導の検診が始まっていますが、それでメタボリック症候群要注意とされた方には食事指導や運動療法などを医療機関が指導することになっています。しかしその規定が健康保険から費用が出る手前、非常に煩雑なことになっていて、とても一般の開業医ができるレベルではありません。管理栄養士とか普通雇ってないでしょ。請求の仕方も複雑です。何か国のなさることは相変わらずですねー。
検診が始まっているのに指導の要請が来ないので僕はどうなっているのかなと思っていたのですが、結果のまとめをする段階でトラブル続出で、やっと全国的に指導が始まりそうなのがこの5月からというのも初めて知りました。
このネットワークは総合内科専門医、糖尿病専門医、循環器専門医、健康スポーツ医などが集まってノウハウを共有し有効かつ効率的に指導をやっていこうというもので、関西医大健康科学センター監修の指導プログラムなどをネットで使えることになっていて(指導もメールで行っていいことになっています)、実際始まってみないとなんとも言えませんが個々にするよりは遥かに有効なメソッドがありそうではあります。理事長は大阪府内科医会会長の福田先生、顧問にメタボリック症候群の名付け親である松澤先生が入っておられます。
とりあえずもうすぐ指導が始まる・・・と。しかしこの特定健診ですがうまくいくのでしょうか?始まる前から医者の間では絶対に失敗するという意見が大多数です。投薬が必要な方でさえ、自分で受診している方でさえ食事、運動指導を続けられる方は非常に少ない。それを強制的に受診させて1回、かなり要注意でも6回程度のフォローで生活が改まると本当に信じているのかな?
豚インフルエンザでも、空港での検疫は有効でないとWHOは指摘しています。世界でやってるのは日本と中国の一部だけ。そして本当に必要な発熱外来とか医療機関の整備は厚生労働省でなく市町村の責任ということになっています。検疫だけは厚生労働省の管轄ね。とにかく自分の範囲はやりました、うまくいかなくてもそれは知らん、責任追及されてもその頃わしらはおれへんもんねーという、ご存知社会保険庁と同じ体質が匂います。
巨額の費用がかかっても税金だしわしらの金やないもんねー、予算があったら使わんと仕事サボってんのばれるもんねー、結果が悪いのは医者の指導のせいよ、という声が聞こえるような気がするのは幻聴か?(現場の公務員方が頑張っておられるのはよく知っています。問題はかなり上の方ね。トップダウンがまずい?)
皆さん、自分の身は自分で守りましょう。