金城一紀を読んでいる。「SPEED」。彼には珍しく女子高校生が主人公である。おもしろいでー。だいぶ前に買ったのだがなんとなく出だしが気に入らなくて読んでなかった。恒例の入浴本を探している時ふと気になって読み始めたのだが面白いのなんの。
考えてみると僕は金城一紀がかなり好きだ。彼の著書一覧を見るとなんと全部読んでいたのだった。最初に読んだのは直木賞を取った「GO」だ。これは本当に面白かった。痛快。金城一紀はコリアン・ジャパニーズだが、主人公も同様。本当にカッコよろしい。
「フライ・ダディ・フライ」は昨年映画にもなったが、これに出てくるメンバーが「SPEED」にも登場する。彼の作品は登場人物が重なることが多く、ちょっと毛色の違う短編集にも、あれっ、どこかで見たやつが、というのがよく登場する。みんなとてもイカシた高校生達である。
だいたい僕は学園物というか、学生が主人公の本が好きだ。一時そんなのばかり読み漁っていた時がある。なんでだ?行動の規範が欲でないからだな、多分。これが僕をリフレッシュするのだ。べつにそんな欲ばかりの人と普段付き合っているわけじゃないけどね。
彼の作品の高校生達はソウルフルである。これだよ。いま自分でなぜ僕が金城一紀が好きかわかった。これが僕の求めているものなのだ。