月別アーカイブ: 2008年1月

スピ−ド!

 金城一紀を読んでいる。「SPEED」。彼には珍しく女子高校生が主人公である。おもしろいでー。だいぶ前に買ったのだがなんとなく出だしが気に入らなくて読んでなかった。恒例の入浴本を探している時ふと気になって読み始めたのだが面白いのなんの。

 考えてみると僕は金城一紀がかなり好きだ。彼の著書一覧を見るとなんと全部読んでいたのだった。最初に読んだのは直木賞を取った「GO」だ。これは本当に面白かった。痛快。金城一紀はコリアン・ジャパニーズだが、主人公も同様。本当にカッコよろしい。

 「フライ・ダディ・フライ」は昨年映画にもなったが、これに出てくるメンバーが「SPEED」にも登場する。彼の作品は登場人物が重なることが多く、ちょっと毛色の違う短編集にも、あれっ、どこかで見たやつが、というのがよく登場する。みんなとてもイカシた高校生達である。

 だいたい僕は学園物というか、学生が主人公の本が好きだ。一時そんなのばかり読み漁っていた時がある。なんでだ?行動の規範が欲でないからだな、多分。これが僕をリフレッシュするのだ。べつにそんな欲ばかりの人と普段付き合っているわけじゃないけどね。

 彼の作品の高校生達はソウルフルである。これだよ。いま自分でなぜ僕が金城一紀が好きかわかった。これが僕の求めているものなのだ。

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いいです!

 

タバコで痩せる?

 禁煙外来をしているが、タバコは本当に止めにくい人にとっては止められないものなのだなぁと感慨を抱く。今タバコのいい話は皆無と言ってよく、それでも吸う人は本当に勇気あるチャレンジャーじゃん!と思うのですが。

 僕の禁煙外来においては特に女性の成績が悪く、男性がほとんど成功するのに比べ女性は半分くらいである。最初の印象から気迫が違います。で、女性の一つの言い訳に「タバコ止めると肥えるでしょう?」というのがある。これは事実ではあるのだが、それについて興味ある報告がニューウエールズ大学とメルボルン大学から発表された。

 タバコは筋肉の再生を損ない筋肉量を減少させる(アメリカ生理学会誌2003年)という報告はあったのだが、新しく2つの大学からのレポートでは、痩せるのは筋肉量が落ちるためで脂肪量、特に内臓脂肪量は変わらずむしろ増大させるとの事。喫煙はメタボリック症候群に有意に多いという報告もあったな、確か。

 タバコで痩せたというのは脂肪が減ったのではなく筋肉量が落ちていたのである。喫煙で骨量も減少する。心肺機能も落ちる。なんと不健康な痩せ方であろうか!

 太るからタバコを止めるのはいやなのよ・・・と言っていたそこのおねえちゃん、かなり・やばいよ。不健康な痩せ方は見ていても決して美しくない。ちゃんと食べ、運動をして痩せようではないか。アスリートのようにちゃんと筋肉のついたスリムな身体が一番美しい。ノーペイン・ノーゲインなのである。

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その気があれば必ずできる!

医者の不養生

 新年明けて外来開始3日目。まだバリバリやる気にあふれている・・・というか肩の辺りに早くも疲労の影あり。
昼休み、ぼーとして新しく来た「日経メディカル」をパラパラすると<医者は不養生>とのタイトルが目に飛び込む。副題は<過労、ストレス、健康軽視が心身むしばむ>である。

 おお、俺の記事が・・・

 841人の医者へのアンケート結果。「あなたは不養生ですか?」77.8%がイエス。その7割が運動不足で、精神的に不健康だと思うのはなんと55%。
 「自分はひょっとしたらうつ病ではないかといつも思いながら生活している」(50代、内科、診療所開業医)・・・俺か?いやいやいや(松ちゃん風に)、しかし身につまされる。

 「医者なので仕事を休めないと思いますか?」66%が強くそう思う。28%がそう思う。
 そうだよなー、アキレス腱切って手術した時も休んだのは手術当日だけで(しかも定休日)翌日から外来したもんな。今でも痛いのはあれが悪かったんじゃ・・・と頭を掠める。

 「仕事にストレスを感じますか」80%以上がイエス。一般的アンケートでは60%位らしい。感じない奴はいないだろ、と思う。

 アメリカ、カナダ、イギリスでは医師会が医者の健康相談の電話センターを設置していると記事にあった。アンケートでは仕事を休めないでいける医者専用の病院を作って欲しいなんてのもあったぞ。なんかこういう記事を読んでいるとますます疲れてきた。

 まず自分が健康であることが基本だろ。
 その最低ラインを守るために優先順位を考える。今は結構滅茶苦茶だがその整理から始めることにする。と言ってもねー・・・

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ひぇー

 

仕事始め

 新年初仕事が始まりました。例年最初の日は患者さんの出足もスローなのですが今年は思っていたより多くの方が来院され、風邪がはやっているせいか初診の患者さんも多く結構忙しい感じがしました。まだ4日なのに律儀に来院される慢性疾患の患者さんを拝見していると、本当に真摯に対応しなければいけないと襟を正したくなるような気持ちになります。

 まだまだ未熟ですが今年一年頑張って勉強し、皆様のご期待に少しでも応えるよう頑張りたいと思います。よろしくご指導、ご鞭撻のほど、お願い申し上げます。

海辺のカフカ

 年末、新年と、時間があるようでもあり忙しいようでもあるような特殊な日々で「海辺のカフカ」を読みました。最もノーベル賞に近い日本作家である村上春樹氏の、おぉ!今確かめるともう3年も前に発刊されている!本です。彼は僕のモスト・フェバリットな作家の一人であったのですが、ここ4.5年はなんとなく遠ざかっていました。しかし短編集「東京奇譚」でやっぱりすごくいいじゃないのと思い、エッセイである「走ることについて語るときに僕の語ること」で完全に再びLOVEとなりました。

 で文庫本にもなってるしボリュームもあるしという訳で、まとまった休みのこのときに読むのは最適と前から気になっていたカフカなのですが、実はさっき読み終わったばかりで感想がでてこない。・・・でもね、すごくいいです。彼のモチーフとして世の中に理不尽に現れる邪悪なものに対して傷つきやすい人間が戦いを挑むというのがありますが今回もそれで、相当傷つきながらもラストに希望を感じるのが彼の長編の好きなところです。

 文庫本で1000ページ以上もありますが、途中から読むのを中断するのが苦痛となり、残っているページがまだあるのが嬉しいという久々の感覚(覚えている最近は村上龍氏の「半島を出でよ」か)を覚えました。いったいどうなるんだろうというこのワクワク感!謎に満ちた話です。いろいろ考えさせられることも満載で、思い出は生きていく糧となるとか、教養は人間を変えるとか、そして最終的に、タフに生き続けろ!というメッセージが今残っているのですが、きっと読みかえすとまたまったく違ったところが強く印象に残るだろうという予感、というか確信があります。

 新年に読み終わったことだし、もう一度多くの謎、メッセージを考えながら読み返し、今年の自分の判断の一つの糧にしたいなと思います。まあそれだけ惚れ込んでいるってことだな。こんな本に出会うと、本が好きでよかったなと思います。きっとネットでもいろいろ書いている人が多いだろうから(ネット上に寄せられた感想や意見をまとめた「少年カフカ」だったっけ、という本も在ったはずです)少し調べてみようと思います。

 P.S.この本を中心に語ったサイトがあり、そこに村上春樹氏が寄せた言葉がありました。「本は自分の内部の凍った海を打ち砕く斧でなければいけない」

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外国にもファン多し

明けましておめでとう!

 皆様、明けましておめでとう御座います。

 昨年末からブログも書かず、完全に仕事から離れた生活をしていました。やはりこういうのは大事です。日頃あまり考えないことを考えるようになる。また4日から仕事が始まりますが、バック・ツー・ビジネス、再び仕事に戻るというのではなく、自分の仕事に対して今までとは違った意識を持って取り組みたいと思います。仕事に対して自分が持っている感覚、イメージを全く変えて臨みたい。そうすることで仕事の内容も変わると考えます。これが今年の抱負でしょうか。

 仕事だけでなく自分自身も、いつもと同じ僕ではなく大幅モデルチェンジ!勿論内容の話です。外観も少し変われば面白いですが。固まってしまうのではなくまだまだ変貌していきたいと思います。

 まずは新年のご挨拶まで。今年1年が皆様にとって最良の年であることを心より祈っております。

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定番。一、富士。