月別アーカイブ: 2008年5月

ビューティフル・ハンド

 ある時、ふと自分の手が眼に入る。手背にしみが出ている。うーん、ふけた手だなぁー。

 年は手にでる。そんなことは女性ならとっくにご存知だ。女性が気になる男性の身体パーツというアンケートで結構上位に来るのが「手」である。髪とか胸板とか、単純なパーツには結構手をかける男も手は案外気にしてなかったりする。

 そんなことで思い出すのは、某生命保険会社で売り上げナンバーワンの男である。保険審査の際に医者の診察が必要だが、僕はその保険会社の嘱託医をしている関係で何度か会った。ある時偶然に彼が非常に優秀で(対応を見ていて十分できると思っていたが)、会社からの報償として年に一度は必ず外国へ長期のバカンスに行っていたり(今でもそんなことやってるのだろうか)なかなか優雅な暮らしをしているのを知った。

 ある時彼の手がとても美しいのに気がついた。

 ほっそりとして爪の形がよく、色艶よく優雅ですべすべしていた。

 「君ってきれいな手してるねー」
 「えっ、・・・・気がつきました?僕ね、エステ行ってるんです。実はうちの家内がアメリカ人で、人に会う仕事してるんだったらきれいじゃなきゃだめだと言われて行くようになったんです」

 10年近く前の話だ。男がエステに行くなんてほとんど概念さえなかった。

 彼は皮膚の色艶をきれいにすること、特に手は大事なんです、と言った。
 「案外目に付くんですよ」

 そうだったか。今書いていて思い出した。手が大事ってその時から実は知っていたんだな。何で実行しなかったのか。

 彼は決してハンサムな男ではなかったが、非常に清潔感があった。そして大変よく気が回った。手にまで気を使う男が鈍感なわけが無い。

 手は脳の一部であり、脳をボケさせないためには手を使えというのは常識だ。その手を美しく保つことは、つまり脳、精神を美しく保つことなんじゃないかな。

今日から実行。やり方は女性が詳しいから訊いてください。

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結構セクシー

パワー・オブ・ボイス

 最近は声明です。夜も更け一人机に向かっていたりすると、手元だけ明るくして声明のCDをかける。

 昔三千院に行ったときに買ったライブ録音ですが「御懺法講」がタイトル。雰囲気はNHKの「行く年来る年」のオープニングですが、じっと聴いていると暗く静かな時間にだんだん内省的になっていきます。

 村上龍氏の「料理小説集」(これはすごく好きです)に、人間の声の卓越さにうたれ、オーケストラで音楽を作ることから自然音すべてに対してまで恐怖を感じるようになり、いつもイヤーホンを手放さないクラシックの作曲家が出てきます。音楽以外は拒否しているわけです。

 彼がある時ついにイヤーホンを放すのですが、それはコート・ダ・ジュールの素晴らしいレストランで、この世で最高の味を楽しみながら静かに満ち足りて話す英語とフランス語とドイツ語が合わさって泡のように聞こえてきた時です。

 「素晴らしい。こんな人間の声は聞いたことが無い」と彼は言います。

 なんとなく想像できますね。満ち足りた温かい人間のささやき声。
それを録音したCDがあれば是非聴きたい。でも勉強には不向きですね、寝る前が最高か。

 いずれにしても人間の声は最高です。すごい力がある。自分の声はどうだろう?ちょっと考えました。

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残すところ・・・

 わぉ!連休も明日1日となってしまった!

 乏しい家計でやりくりしてきましたが遂に力尽きそうです…という感じ?蓄えがきれそうな、心細い感じです。でも小人閑居して不善をなすとの諺どおり、休みにやらなくてはいけないと考えていたことはあっと驚く達成率の低さで、何のかんの言っていても仕事モードの時は結構能率が上がってるよなというのがよく分かりますた・・・

 まぁ、これが休みでござるよ。

 仕事は仕事の日に、休みの日は何にもしないとメリハリをつけたほうがいい、というのも今回感じました。

 後残りの1日はとりあえず緑の中で棒を振り回すことにして、連休明けからフルスロットルでござる!まぁこれはこれで楽しみね。仕事も遊びも僕の中では等価です。種類が違うだけね。

犬と青空
犬と青空。なんとなく今年の連休を象徴する写真。

サウスバウンド

 連休も後半だそうである。こうはーん!?どこが前半だよ!?と毒づきたくもなる、暦どおりの生活ですが、それでも今日から4日休みだと思うと、なにか急に予期せぬ臨時収入が入ったような、突然予期せぬ人から好きだといわれたような(学園もんか!)心温まる日々でございます。

 さーてと、と言いながら実は宿題山積みで、このままホンワカしていると前日に大慌てになるんだなぁー、これが、と大人の分別はあるのですが全然実行できない。普段読もうと思っていた本を片っ端から読もう、とりあえず今日は。

 で、さっき読み終わったのが奥田英朗氏の「サウスバウンド」です。評判大変良く森田芳光監督で映画化もされるようで(豊川悦治君主演ですが期待できそうな気がします)、いや予想より遥かに素晴らしい本でした。ストーリも何も、とにかく読むべし、と思います。この本は僕の本棚の「相当お気に入り」の段にランク入りが決定しました。

 この前ひろさちや氏(仏教学者です)の「狂いのススメ」という本を読み、これもまたランク入りしたのですが、何か共通点がある。

 ひとことで言うと既成概念にしがみついていることの馬鹿らしさ、でしょうか。よく考えると気がつくことなのですが、日常生活に流されていると、ほとんど何も考えない。そのまま引き返すことがかなり難しい地点まで来てしまう。

 他人の、世間の考えで生きてないかな?本当に自分のしたいことかな?属している集団が基準じゃなくて、自分自身が唯一の基準だぞ・・・

 自分を知るのが一番難しいという説もありますが、いやなに、シンプルに素直になればいいのよ。余計なこと考えないで。

 実行できるでしょうか?

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パイパティローマ!(読んでね)

サマー・ハズ・カム

 いやー、来たねー。何がー?何がって、お前、夏じゃん、夏にきまってるよ。

 どうも夏が来たらしい。季節の変化を人は何で知るか?多分各々いろいろあるのでしょうが、僕の場合は匂い、香りであります。

 つい2日前、僕にとっての夏の香り、プールの塩素の微妙なスメルがそよ風に含まれているのを、鋭敏な私の感覚はキャッチ・アップしたのである。あれー、もう夏か。

 昔知り合いの女子が夏が好きで、車のハンドルが熱くなって握れなくなっているのが大好きだと言ってました・・・バカじゃないの、と笑いましたが、まあ僕も似たようなもんです。

 片岡義男の名言に「夏は単なる季節ではない。それは心の状態なのだ」というのがあります。彼の「僕のオートバイ、彼女の島」という小説は、ちらっと一度手に取ると、必ず最後まで読んでしまうという困ったものでしたが(漫画だとスラムダンクだな)、それで僕がバイクの免許を取ったように、何か少し不謹慎で楽しいことをやってみたい夏です。

 僕1年中あまり着用している衣服の枚数が変動しないのですが(ミニマムはパンツ、シャツ、ズボンの3枚、冬はプラス・セーター、時にジャケットくらい)いまはとーぜんミニマムで、しかも半袖、半ズボンです。パンツもビキニ(ウソ)。

 まあなんというか、長い間アウェイでやってきて、やっとホームに帰ってきたよわたんのサッカー選手の気持ちです。ゴルフも半パンでやって久しぶりに90台前半だったし(おお、長い冬の時代よ、さらばじゃ!)、他のこともいい感じでゴーーーール!!!したいものじゃわい。

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公園にあったいい感じの下水道の蓋。手をつなぐ人々。