スペンサー

  此の頃よく人が亡くなるなぁと思う。

 出だしから縁起悪くてすいません。でも小林繁氏、ミッキー・安川氏、浅川マキさんとかなんか毎日知ってた人が亡くなるなぁと思っていたら、全然話題になってないけどロバート・B・パーカー氏も亡くなったのでびっくりした。

 ロバート・B・パーカー氏(米作家)19日のAP通信などによると、米マサチューセッツ州ケンブリッジの自宅で18日死去、77歳。死因は不明。32年同州生まれ。ノースイースタン大などで教えるかたわら、73年に私立探偵「スペンサー」を主人公とする「ゴッドウルフの行方」でデビュー。76年発表の「約束の地」で米国推理作家クラブ最優秀長編賞を受賞した。テレビドラマ化もされた「スペンサー」シリーズが人気を博し、ハードボイルド作家としての地位を確立した。(共同)

 ああ、スペンサー。一時最も好きなシリーズだった。ハードボイルドなんだけどその枠にはまらないかっこよく生きるとはどういうことかを教えてくれるシリーズ(少なくとも知ってる限り2000年までは)。独身の中年探偵スペンサーと恋人のスーザン、友人の黒人の殺し屋ホークの3人は各々が完全に自立していて完璧な大人。全然ガキっぽくない人間関係は気持ちが爽やかになる。みんなすごくタフだし。でも現実離れしてなくてとてもリアル。こんな人たちがきっとボストンに現実にいるんだろうと思わせた。

 前読んだんだけどちょっとページに目を落とすとそのまま止められなくて最後までいってしまう小説というのが僕には結構あるのですが、このシリーズの「初秋」(多分日本で一番人気がある)「レイチェル・ウォレスを捜せ」はその範疇でした。最近のやつは読んでなかった。スペンサーも老けた感じがしてさ。なにか前の溌溂さがなくなって暗くなった感じがして読むのを止めた。これからも多分読まない気がする。スペンサーはカッコいい、タフな頃のままで。合掌。

 

パーカー氏。スペンサーも同じイメージです。

 

 

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