読書の初夏

 今日のお昼は夏の風が吹いていた。「仕事なんかしてる場合ちゃうで!」とちゃらけたことをぬかしながら往診に行ったのが嘘のように今は雨が降っている。

 

 連休は本をよく読んだ。その中の1冊、村上龍氏「心はあなたのもとに」。新聞の広告で「村上龍、12年ぶりの(だっけ?)ラブロマンス!」なんて書いてあって、村上龍、気でも狂ったか!なんて思いながらも(しかしラブロマンスなんてあっただろうか?)興味があって買ってしまったのであった。まぁファンだからたいてい読む。

 大作です。554ページ、ぎっちり。ラブロマンスなんぞといいながらも、投資組合を経営する「わたし」と風俗嬢サクラとのお話ということで、あーあ・・・という気もしたのですが、なかなか印象的ないい話でした。どっちかというとストーリーよりディーテルが。でもこれ完全に私小説ちゃうの?

 サクラさんが1型糖尿病だったり、投資話の中心となるのが医療畑だったりと、最近の村上龍氏の興味がうかがえます。よくある男女のぐちゃぐちゃが中心で、氏の奇想天外なストーリー展開はない。

 しかしなんか年取ったなぁ。好きだった無茶な威勢良さはない。ロジカル。と言いながらも退屈せずに一気に読んじゃったのはリアリティのせいか。なんか肌合いが合うんだろうなぁ。何年かしてもう一度読むと印象が違う気がするので本棚には置いとこうと決める。

 

 もう1冊。「アフォリズム」ロバート・ハリス氏。この人は何をしているかよく判らない日本生まれのイギリス人クゥオーター。しかしインテリ・ボヘミアン、ハンサム・アンド・ワイルドというのが僕の印象で、ちょっとこういう人になりたいな、という感じの人です。

 彼は昔からアフォリズム(格言とか警句とかいったもの)が好きで、今まで収集したそれをまとめたもの。さすがにひねりが効いている。気に入ったのを少し…

 「男は男のフリをしている少年であり、女は少女のフリをしている女である」(作者不詳)

 「勝者と敗者の唯一の違いは風格である」(ニック・ザ・グリーク・ダンダロス)

 {すべてを過剰に!人生の風味を味わうには大きく齧らなければだめだ。節度など坊主のためのものだ」(ロバート・ハインライン)

 なかなかイカした言葉が満載です。こいつも本棚に残しとこ。

 

 仕事上読まなくてはならない本もいっぱいです。考えてみれば幸せなことだ。晴耕雨読。こう生きたい。

  龍              ロバート

 

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