抗加齢=抗介護

抗加齢医学、アンチエイジングって言葉はどうもなー、と思っている。

年を取ることは誰にでもおこることで悪いことじゃない。アンチの姿勢をとらなくてもいいじゃないの、別に。

と感じている人が結構多いせいか、昨今 Well Aging とか Healthy Aging (アンドリュー・ワイル大先生の著作も、当院もこれを使っている)とか、いい感じに健康的に年を取るという本来の意味の言葉をつかう場合が多くなってきた。

が、認知度はまだまだです。


「アンチ・アンチエイジング」というか、抗加齢という言葉には偏見を持つ人もいて、「見かけだけ良くしてどうするの」とか「不自然!」とか、病的な老化を避け(普通に老化すると120歳くらいまで生きられる)健康で楽しく寿命を全うするという理念が誤解されている訳だ。

その結果として長寿で若くと見えるとしたらそれはそれで結構じゃないの、と僕は思っているのだが、こういった偏見をスパッと説明出来るフレーズがないかなーと考えていた。


あった。


「抗加齢は抗介護」  どうでしょう?


出来たらみんな介護は受けたくないと思っておられるのではと思う。自分のことが自分で出来なくなり他人に助けていただかなくては生活出来ない状態。不幸にしてそうならざるを得なくなった方々には本当にお気の毒だと思う。

でも幸運にもそうなっていない我々は、介護をする立場にはなっても受けるようには絶対ならないでいようではないか。強い意志を持って。国の予算の節約にもなるし、とかそういうことじゃなく、自分自身のために。

そのために抗加齢医学は Very,very useful  な医学なのである。一歩進化した予防医学。すべての人が興味を持つべきだと思う。

実際テレビなんかの健康知識は学会なんかでとうの昔に議論が終わって自明なものなんかが「びっくり!」という感じで取り上げられていることが多い。昨年のNHK スペッシャル「寿命は延ばせる」なんてカロリーリストリクションとレスベラトロールの古い話題だし、糖質制限なんかもかなり前に取り上げられていた。メラトニンは当初からスタンダードだったが、実際の医薬品として近いものが保険適応となったり。


すべてはいつか自分が消えてしまう日まで、自立して、楽しく、笑いながら生活を送るための知識なのです。抗加齢は抗介護。どう? わかってもらえる?


うわっ、アメリカっぽい。こういうイメージでも内容の根本は「抗介護」ね。


 

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