ボケとツッコミ

漫才

コミュニケーション能力が大事である、とよく言われる。  当たり前ですやん。

職業柄、話す能力、聴き取る能力が低いと、病気を見逃したり治療法を間違ったりする可能性が出てくるので、いかに話すかというのは医療従事者にとって真剣な問題であります。でもそのことにフォーカスしている人は案外少ない。僕は元来無口なのであるが働くようになってからよく喋るようになった。でももっとお喋りの能力を磨きたいもんだぜ、と思っている。

で、うちのクリニックで出している、患者さんに見ていただく月刊新聞の冒頭に以下のような文章を書いた。再録します。

仕事柄ほとんどビル内に引きこもり状態ですが、たまに屋外に出ると秋の爽やかさに目が覚める気がします。皆様、お元気でお過ごしですか?少し早いですが忘年会の話題。

静岡にある知り合いの先生のところでは、忘年会にゲストも含め100人以上集まって大演芸大会が繰り広げられます。2年前からうちのクリニックもお誘いがあって参戦するようになり、昨年は吉本新喜劇をやったのですが、最高の出来!にもかかわらず一等賞はもらえなかった…。原因は静岡では新喜劇が放映されていないせいもあるのですが、いわゆる大阪の「ボケとツッコミ」がおとなしめの静岡の方に畏怖の気持ちを引き起こしたのではないかと思っております。しかし今年もやるぞ。

大阪の伝統芸である「ボケとツッコミ」は実は素晴らしい文化で、コミュニケーションとしてはかなり高等技術だと思います。そしてボケの方が難しい。ツッコミは最近若い人の思いやりの無いツッコミが目立ちますが、面白い反応を呼ぶような、「お・も・て・な・し」(滝川クリステルですね)の心を持ったツッコミをしなくてはいけません。そしてボケ。これが真骨頂です。高齢の患者さんはぼけたくない、ぼけるのが怖いとよくおっしゃいますが、今から思わず笑ってしまうようなボケをサラッと言えるような練習を心掛けておくと絶対ぼけません。ぼけないためにボケの練習を。攻撃は最強の防御なり、です。

他の地方の方が聞くと大阪の人は普通の喋りがボケとツッコミになっているそうですが、そんなわけない。偏見です。でもそういう感じでコミュニケーションが自然にできると鬱にもならないよね。ポイントは他人を攻撃しないで自分を笑う、というとこだと思います。うーーん、ハイレベル。頑張りましょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です