昨日、第7回となる「今更聞けないこんなことミーティング」を開催しました。今まで参加している先生回り持ちで、各々専門とする分野に関していろいろご質問をお受けしてフランクに話し合おうという趣旨だったのですが、ここ3回はゲストをお呼びして講義をしていただいています。
「循環器疾患とうつ病との関連」について鈴鹿中央総合病院循環器科部長の北村哲也先生にはるばるお越し頂いて大変面白いお話をしていただきました。先生はこの分野では有名な人で循環器心身医学会の評議員もされ、新聞などでもよく取材されておられます。
うつ病は自殺だけでなく他の疾患にも罹患しやすく死亡率も高い。生活習慣病、メタボ症候群の3割程度がうつの兆候があるという報告がある、うつがあるとそれだけで動脈硬化の促進因子となる。最近うつ病の治療によく用いられるSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)を用いることにより重症高血圧や冠動脈疾患のイベントを防ぐことが可能で心筋梗塞再発や死亡率を半分に抑えることが出来る・・・などなど非常に興味深く面白いお話でした。
僕はちょうど最近冠動脈硬化で受診された患者さんが、うつからいろいろな症状が出ているのではと考えていたところだったので、お話の中からそうか、と納得する部分も多々あり本当に聞いてよかったな。
以前も「肉体は魂の乗り物であり、精神が肉体をドライブするのだ」とこのブログでも書いたのですが、診療している患者さんをみても、絶対気持ちの問題だよなーと思うことがよくあります。そのような方にSSRIを処方するか?この踏み切るラインが問題と北村先生もおっしゃっていましたが、難しいところであります。またうつの診断はなかなか簡単でなく、最近は非定型型うつ病というのもあり、病気かそうでないか、見極めが益々複雑になっています。
まっ、勉強の必要な領域はどんどん拡大するということである。嬉しいことであります。とほほ。
北村先生。実物はもっとお茶目です。