睡眠はかなり大事だ。外来をしているといかに多くの人が眠れなくて困っているか驚く。
欝の大きな症状は睡眠障害で、寝つきが悪い、夜すぐ眼が覚めるなどがほとんどの場合おこってくる。で欝っぽい人でも、ぐっすり寝ちゃうとそれだけでスッキリと元気になったりする。6,7時間の充実した睡眠は定期的な運動と同じように健康に必須の重要なパートなのである。でもみんなそれほどいい睡眠を取ろうとは気にしてないな。
最近気にしているのが「うつ伏せ寝」である。
以前から認知症で寝たきりの方は1日わずかの時間でもうつ伏せにすることで認知機能が回復してくるといわれており(身体の前面の方に感覚器のレセプターが多くその刺激が大事という説明であった)、一時ブームになったこともある。誤嚥がおこりにくい、血中酸素濃度が仰向けよりも高くなる(睡眠時無呼吸の治療にもなる)、腰痛にもいいなどいいことずくめで、ほんまかいなと眉に唾をつけたくなるが、推奨者のお一人である聖路加病院の日野原先生によると元々人間はうつ伏せが自然で、仰向けでないと寝難いのは単なる習慣だそうである。先生もうつ伏せにしてから体調すこぶる善しとのこと。先生考案のうつ伏せ寝用寝枕セットも販売されており(結構高額である)、とりあえずトライしてみる価値はあるように思われる。
聞いてみると結構うつ伏せの人は多く、特に若い可愛い女の子に多いようであるが、これは極めて偏ったサンプル採集の影響かもしれぬ。
僕は本来仰向け大の字型の人間であり、うつ伏せは極めて苦痛であった。しかし理論的に納得すると結構抵抗がなくなり、今ではうつ伏せトライ後90度横向きで就寝というところに落ち着いている。180度うつ伏せ姿勢完成も近い気がする。今年中に出来ないかな。
なにかうつ伏せ寝になると大きく人生が転換し、生まれ変わって前向きな人生を送れるかのような気分になるが勿論そう簡単ではない。でも1日の3分の1近くを占める時間を違った姿勢で過ごす事になるのは結構大きいことだと思わない? うう、ワクワクしてきた。不自然に仰向けで寝ているあなた、くるっとひっくり返ってリセットですよ!
参考文献