ちょっと同時通訳

メールは生活において当たり前のアイテムだが、僕の年代では必ずしも一般的と断言できず、せっかくメールしても「あっ、俺メール開けるの週1度だから」なんて奴が平気でいる。しかし新しいアイテムというのは一般化しているものほど有用であるというのは自明の理で、できるだけ使い慣れておくべきだろう。

 

今日僕の外来に、日本語が片言しか喋れないインド人男性と、ほとんど全く喋れないと言っていい中国人の男の人が連れ立ってやってきた。インド君は2年前に一度会社の人に連れられて来たことがあり、それで来たと思われるが、あまり日本語上達してないぞ、2年もいるのに。今回の患者さんである中国君の通訳役のようであるがまるで埒があかない。

 

「うーむ、漢字を書いたら通じるかな」と僕が思っていると、中国君は「ちょ、まて。友達日本語喋れる」と思いのほか正確なイントネーションで言って携帯電話を取り出した。ぴっぴっぴっ・・・「?????」「??????」「?????」と喋って僕に差し出す。

 

「あー、せんせい。私喋れる。」とちょっとびっくるする大きな声で女性の声が聞こえた。音量が上げてあって電話から離れて話しても聞こえるようになっている。

「今日はどこが調子が悪いんですか?」と僕が言う。

「???????」と電話が中国君に言う。「???????」と中国君。

「せんせ、咳が出て、痰が止まりません」と電話から聞こえる。

 

このようにして会話が成立し、レントゲンまで取って診察は終了した。

携帯電話の非常に有効な使用例である。

考えてみると、この方法は世界中どこに行っても、その時間その国の言葉を喋れる友人を確保していれば使える方法なのである。

 

新しいツールは世界を広げる。

何でも好奇心旺盛じゃなくっちゃいけません。

 

 

何でも喋れた方がいいな

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