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抗体人間

 インフルエンザが爆発しています。10人来たらそのうち7人はインフルエンザで、4人はB型です。だいたい花粉症の爆発とインフルエンザが同期するなんてシンジラレナーイ!(ふるっ)。しかも例年の、高熱でしんどくてヒイヒイ言ってますという典型的な症状でなくて、なんか微熱が続いていたり、生後6ヶ月のA型インフルエンザの子なんかニコニコ機嫌がよくて、あやうく突発疹でしょうと言いそうになったぜ。あぶねぇあぶねぇ。しかしこんなにunusualなやつがでるなんて、このぶんでは例の鳥ももうすぐ・・・

 僕の友人の医者でノロウイルスやインフルエンザが流行っている時は、眼鏡、手袋、マスクの完全防備で診察しているやつがいます。確かに自分を守ることが皆さんを守ることにつながるので理屈はわかるのですがどうだかなぁ。僕はそんな格好の医者に診てもらったらきっと複雑な気持ちがすると思うので、自分は全く丸腰で診察をしています。しかし咳やくしゃみや、あれだけ浴びていたら全身ウイルスだらけだなぁと少し思う。近づきたくないなぁ、こんな人には。

 それでも風邪はめったに引きません。花粉症も、実は2,3年前に花粉症かなと思った時があって抗体価を調べたことがあるのですか、なんと!オールシーズンの花粉の抗体がかなりの高値でズラズラ並んでいました。こんな結果をもし患者さんに言わなくてはならないとしたら、思わずお気の毒です・・・と涙ぐむような結果です。でも、症状は出ないのだ!今年もくしゃみすら出ません。抗体価と症状は比例するものではありませんがそれでもなー。かなり鈍感力高し。

 風邪のウイルスの抗体もメッチャ多くの種類が僕の血液中にはあるに違いない。抗体だらけ!

 無いのは心の傷の抗体だけです・・・

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こいつが血の中に充満…

 

 

ストレス・バスター イズ バック!!

 ふえー、やっと終わったぃ。セミナーが終了しましたが2日目は食事を挟んで午後10時過ぎまで、翌日も午前9時からびっちりと、かなりダイハードな日程でした。でも得たものは大きかったな。休診して行った甲斐があるというものです。内容についてはまたPearlsに書くことにして、抗加齢医学に携わっている多くの先生方とお近づきになれたのが大きい収穫でした。学会の重鎮であるT教授やそのお友達のW教授(僕より2つ年上ですが滅茶苦茶かっこいい)、実際に抗加齢クリニックを運営されているA先生、T先生など、施設見学のお約束をして別れましたが皆さん個性的で刺激的な人たちでした。

 で大阪に帰ってくると、めちゃ暖かいぜ!なんだこれは!17℃もあるではないか、これってオープンに出来るのとちゃう、というわけで、今年初のオープン。パチパチ。甘い花の香りの漂う夕刻を走るのは最高です。最高のストレス解消が戻ってきた。Strongest Stress Buster is BacK!!というわけで、明日から仕事です。束になってかかってきなさい。

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誰ですか?

言うは易く…

 抗加齢医学のセミナーに来ています。30人程度のクローズドなセミナーで、大学の教授が3人参加していることやらほとんどが専門医、指導士なのでファミリアな雰囲気ですが内容は相当ハイレベル。恐ろしいくらい勉強されてるなという感じを受けました、いつものことですが。

 抗加齢医学会は主メンバーが東京のせいもあって、雰囲気が完全に関東やなーと思います。幹事の食事会の雰囲気もやたらにぎやか、明るい、人生は楽しくやらなきゃというムードが溢れています。こういうのは関西ではあまり経験しない。もちろん裏は皆さん楽しいことばかりであるわけがなく、競争も激しく、ドロドロしたことも多いだろうと思います。しかし少なくとも表面上はそういうのを出すのは礼儀に反するし、場を盛り上げるのは社会人として当然であるという意識がきちんと出来ているという感じを受けました。大人なんでしょうか。

 初日の話題としては「カロリー制限が寿命を延ばす」というのがメインです。これは最近動物実験で哺乳類でも証明されて、いろいろな形で応用が期待されています。かといって絶食していればいいというものではなく、必要な栄養素はきちんととってその上でのカロリー制限で、サプリメントとかが補助として必要になってきます。今のところ軽度な運動と並んで一番確かな長寿を得る方法で、この2つをきちんと実行できれば大こけはしないかなというのが個人的な印象ですが、でもこれってかなり実行は難しい!?

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やったわ!

ピンクのレストラン

 先週の木曜日、大学病院時代の僕のボスに依頼されて高齢者医療の現況を話しにS会-N津病院に行ってきました。彼はそこの副院長をしています。「普段遭遇している老人診療のリアル・ワールドを研修医、専修医に教えたって。彼らは専門化しつつあってほとんど高齢者医療に接する機会がないから」ということです。彼らはべつにバーチャルな世界に生きているわけではありませんが、大病院の外来に歩いて来る高齢の患者さんと、在宅やデイに送迎でないと来られない方とはかなり違うことが予想されます。高齢者医療の特徴がここに一つ出てきます。「高齢者は個体差が大きい」。

 いろいろ考えたのですが「後期高齢者(75歳以上ね)に共通する問題は低栄養であり、それの改善は転倒骨折、嚥下性肺炎、認知症などの予後を大きく改善する」「若いうちは身体の状況が精神を変えていくが、高齢になると精神が肉体を引っ張っていく」といったようなことを喋りました。幸いにも好評だったようです。講義の最中にも携帯のコールがほとんどどのドクターにもかかって来ていて、病院勤務時代を思い出しました。頑張りたまえ、諸君。未来は君たちのものだ、少しは俺のものだけどね。

 講義の後、ボスと一緒に飯を食いに行きました。「お前やったらこんなんが好きかなと思って」と連れて行かれたのはおしゃれな、というかー、ほとんどがピンクのインテリアの、おっさん二人で飯を食うにはファンシーすぎるやろ!というフレンチでした。しかしフランス人らしきビジネスマンが2人で食事をしてたりして、まあええかと注文をする。日頃アルコールとは絶縁状態だったのですが、久しぶりにワイン1本以上飲んでしまいました。気持ち悪いです・・・

 大病院の魑魅魍魎が跋扈する人事の話とか、恐ろしげな話題も多かったのですが、僕の経験では男二人でちょっと高めのレストランに行くとあまり下らん話はしないですね。管理者の心得とか非常に示唆に富む話も聞けてよかった。勤務医時代、男同士で行くのは大概居酒屋で、上司の批判とかどうもあまり健全でない話題が多かったような気がします。まあ、それもありですが。ある年齢になってグッドレストランでうまい食事をしながら話すのに、下らん話題では飯にも自分にも悪い。話す内容もおかずの一つであります。

 東京はかなり立派なレストランで男同士とか、男一人(これはできん!)できちんと食事をされているのに出会うことがありますが、大阪は圧倒的に少ないです。同じようにやたら若いお姉ちゃんを連れているチョイ悪おやじの数も東京は圧倒的に多い。どうも東京のほうが楽しむことに長けているようです。地盤沈下は経済だけにしときたいよな、大阪。ほんとに。

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食いすぎた二人

戦闘モード

 今日は朝から勉強だー!認知症の方の増加に伴い「かかりつけ医認知症対応力向上研修」(すげえタイトル)が大阪府医師会で主催されて9時から5時まで行ってきました。250名程度参加され、理事の先生方が中心なので仕方ないといえば仕方ないですがご年配の方が多く、こういった研修会に行けばよく感じるのですがなんとなくダルイ。間の抜けた質問、独りよがりの意見(周りから耳に入る)、格好もダサい。

 開業するとき一番恐れていたのは、なんとなく第一線から退いて落ち着いてしまったような覇気の無い開業医になることでした。メジャーリーグから退いてシニアリーグでやってるよ、君たち若いねぇ、そういう時もあるよ。今は今で無理しないようにしなきゃな。

 これはいかん。僕がひそかに尊敬している他区で開業されている年上のK先生も来られていたのですが、いつもやる気のある先生だけあって椅子に座っていても毅然とした感じが漂っていました。内容は外に出る。ファイティング・スピリットは絶対に無くしてはいかーん、人生というリングにいる以上。

 僕はNoと言わない開業医を目指しています。「無理です」と努力もしないでいう奴が老いも若きも増えていますがプライドは無いのか、と言いたい。無理をやってこそ男の子じゃい!

 といって諸方面に御迷惑をかけているのも知っていますが、しばし待て。僕の好きな言葉「男子3日会わざるば括目して待つべし」を君にあげよう。男は3日会わなかったらどれだけ成長してるか判らないから油断すんなよ!ということです。ともかく、落ち着くな、出来上がるな、謙虚であれ、そして常に戦闘モードでいろ!
(なんか疲れたから寝ようと思っていたんだけど寝にくくなっちゃたな)

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自爆!(ありがち)

楽しくないけど知っといたほうがいい事実

 最近の浴室本は「世界を見る目が変わる50の事実」である。ジェシカ・ウィリアムズというイギリス公共放送BBCの女性ジャーナリストが著者。普段余り目にすることの無い興味深い事実を挙げて解説を加えている。

 例えば「世界の死刑執行の81%はわずか3カ国に集中している。中国、イラン、米国である」とか「日本女性の平均寿命は84歳だがボツナワ人の平均寿命は39歳」・・・発展途上国、多くはアフリカだが、平均寿命が短い原因として新生児死亡率が高いこと以外にエイズの影響力が非常に大きいことがわかった。「地雷によって世界で毎時間1人は死傷している」・・・あんな時代遅れの兵器が今でも使用されている一つの理由が安価であること。1つ400円!対人地雷禁止条約が発効し世界で139カ国が締結している。しかし47カ国が締結しておらず米国、中国、ロシアはやっていない!米国は地雷を作っている企業との関係である。

 グローバリゼーション-貿易、通信、投資を通じて世界がより深く結ばれること-もいい事ばかりでなく、富裕国が途上国をいろいろな意味で搾取の手段にし、犠牲を強いていることもよくわかる。まあこれは搾取ではないが、タイ人の血が混じるタイガー・ウッズの1日の収入は、ウッズの帽子を作るナイキのタイ工場労働者の38年分の年収である、というのもあるぞ。タイガーがタイに来たとき労働者はそうプラカードに書いてデモをしたそうだがタイガーは彼らとの面会を拒否したそうだ。僕はタイガーのファンだから複雑だな。

 発展途上国に教育施設を作るため募金を!というのを見るとまず日本のことに金を使ったほうがいいのではという意見が出る。僕もそう思うときがある。しかし世界は1つのクラスなのである。学級委員みたいなのもいるしグレているのもいる。みんな自分のことだけでなくクラスのことも考え、助け合わなくてはいけないのだ。自分の国、自分の事情だけに完結していてはいけない。そのために世界のことを知る必要がある。表面的なことでなく真実を知る必要があるのだ。案外真実は伝わらない。貴重な本だ。是非お勧めしたい。

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表紙はかわいいけど・・・

圧勝!

 ゴルフに行ってきた。メンバーは僕と同年輩で戦友とも言える「女性はみんな火星人、判ろうとするのは無駄なのよ友の会」会長のK先生と、ドライバーの飛距離はほとんどプロのT君(もとラグビー部)、セミプロのM君(もとバスケットボール部)という掟破りの若者2人である。

 無謀にも対抗戦をする。この4人はゴルフ歴もスコアも(100を切ったり切れなかったり)似たり寄ったりであるが、我々純情無垢な中年少年2人組とヤング野蛮人2人組のスコアを各々のホールで合計して少ないほうが勝ち。前半9ホール中勝ったホール数が多いほうが昼飯をおごってもらう、後半は入浴後の飲み物を奢ってもらうという、罪のないルールである。

 野蛮人達は当然勝ちを確信し、やろうやろうと大乗り気であった。我々は控えめに微笑むだけである。

 結果は・・・楽勝であった。前半こそ5対4の接戦であったが、後半は最初の4ホール連続で勝利し、終わってみれば7対2である。口数も少なくうつむく野蛮人たち。やーい、ざまーみろ。

 勝因は完全にメンタルである。年齢は20歳以上違う、身長も10cmは違う、50m走すると間違いなく25mは離されるであろう体力差だが我々は欲がないのである。勝とうなんて思ってねーもんね(これは嘘)。というかいつものペースで身体が動き、彼らは力んで固くなったという違いだけであろう。こういうのがゴルフの面白いところだ。技術、体力以外の何かが左右する。

 圧倒的に差があるように見えてもどこかに突破口が必ずある。我々辛酸を舐めた中年男はぼかすか打たれながらも相手のガードが空くのをクールに待っている狡さがあるのである。若人よ、いつでもいいからかかってきなさい、でもちょっと手加減してな。

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OBがなけりゃな・・・

荒療治

 いや、あっという間に日がたってしまった。月並みな感想だが特にブログを書かない日というのはすばやいなー。ここしばらくデスクワーク多すぎ!と、実はちょっと風邪を引いたのである。風邪の時は今日が締め切りの書類が山とあっても、ブログを書かなくても平気で風呂に入ってすぐ寝てしまうのが鉄則である。

 働き出して28年、ずる休みはあっても病欠は無い。2年前にアキレス腱を切った時も、休みの日に手術してもらって翌朝7時に退院しそのまま外来をした。ギプスを巻いて半ズボンで。バカなやつ!という気がしてきたが、そんなことを言いたいのではない。今回は風邪の対処法についてである。

 20代までは風邪を引いたかなと思うとジョギングをしていた。その後ぐっすり寝れば翌日には軽快していたのだが、30をこえてそれをすると悪化するようになった。悲しい。それでいろいろ対応を考えるのだが・・・

 ともかく基本は「風邪を引いたら数時間が勝負!」これです。あっ、風邪かな?と思う瞬間があるでしょう。その時処置を講じれば何とか戻るのです。

 その時点で僕の診療所に来ていただければかなりの確率で翌日には軽快していただく自信がある。でもなー、皆さん来られるのはかなり経ってからなのである。罹患時間が長いほど回復には時間がかかる。どんな病気でもそうである(言い訳っぽいですけど)。すばやい対応はあらゆる面で基本です。

 風邪の場合(というか健康のためには)、身体を冷やさないというのも基本の一つだが、身体の末端まで温めるのに一番いい方法は熱いお風呂につかるのと冷水シャワーの組み合わせである。サウナですね。それを交互に数回繰り返す。もちろん真冬でも。効きます、これは。風邪の時にもやってしまう。今のところ僕には非常に有効ですがすべての人には勧められない・・・ような気もする。
 
 いずれジョギングの時のようにやれば悪化するときが来るかもしれないがその時はその時だー、今日もやるぞー(勝手にやれって)。

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ウィルスさんです

 

 

セーフ!

・・・どうやらやったらしい・・。何がって?オービスですよ、オービス、奥さん。3ヶ月ほど前、通勤途中の阪神高速でオービスが光ったって話を書いた。どう見ても絶対俺を狙ったに違いないという確信犯的正確さで光ったので(といっても滅茶苦茶飛ばしていたわけではないよ、ほんのちょっとだけ)、その瞬間、免停にまつわるモロモロのうっとおしい事柄が光速の速さで僕の頭を駆け巡り、グッドな気分は一瞬にしてアイスバーンを時速120Kmで滑り落ちるがごとくバッドモードへと転換したのであった。

 「あのさ、まだオービスのやつ来ないんだけど、どれくらいで来るもんかね?」交通違反にお詳しい方数人(ということはよくパクられているということで、車に乗ると人格が豹変するスポーツカー乗りとか、マッドオートバイライダーとかの善良な市民の方々)に訊いたところ、とりあえず3ヶ月来なかったら大丈夫じゃないっすか、ということであった。「空撮りみたいのも結構あるみたいだし、ちゃんと同定できるくらい顔が写ってないと来ないということです」「ふーん」「なんか女性が隣に乗っているといろいろ問題があるので来ないという話も聞いたことがあります」「そりゃないだろ、もしそうだとしても今回は関係ないしなー」「ふーん」

 とか言ってるうちに3ヶ月が過ぎた。これの成否に俺は今年の運勢を賭けていたのだ。・・・やったね。とりあえず運命の女神は俺に頬ずりをしたということだ、おみくじは小吉だったけど。

 でもなんで来なかったのかな?ちょっと訊いてみたい。まっ、寝た子を起こすようなことはしませんが。

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!!!

 

マジック・ブランケット

 眠い・・・大概1年中眠い。というと、医者なら睡眠時無呼吸症候群を鑑別診断に上げるが僕はそうではない。単に睡眠時間が足りていないだけだ。

 僕の平均睡眠時間は6時間弱か。これは決して少ないほうではないかもしれないが僕にとっては腹6分目の感じ。何とかしたいのだが気がつくと真夜中を過ぎていて(これでも家に帰って飯を食って風呂に入っただけである)、しまったと思いながら眠りにつく。

 対策はただ一つ。シェスタ、昼寝、午睡である。これほど甘美なものは無い。日曜日に陽だまりの中で、やることも無くウトウト寝てしまうというのも至福だが、僕の場合は午前診が終わって昼食をとり、午後診まで1時間ちょっとあるというときのソファでの30分が、お手軽な天国なのだ。これを阻害する午後の予定が入ったときは非常に気分が悪い(しかも結構ある)。前日から憂鬱なくらいだからみんな気をつけるように。

 しかし夜寝るときは、眠いなぁーと思いながらも寝床に入ると変に覚醒したりすることもあるのだがお昼の天国はそれがまるで無い。ワイヤーの切れたエレベーターの如く、垂直降下で闇の中に入り、充足した感じで潜水艦が非常事態で浮かび上がるように目が覚める。実はこれにはちょっとしたコツがあって、院長室にある煤けた水色のブランケットがいいのですね。これを頭まで被る。それでOK。マジシャンが布をかぶせると空の花瓶に花が咲くように、たるんだ脳みそがサラッピンに近く修復されるのである(と言っても元が元だからねー、しれてます)。

 夜の睡眠もこのマジック・ブランケットが無いものかと思って捜していたんですよねー。ところが最近、ついに見つけました。強力なやつ。何って?聞きたい?実はねー、医学雑誌。これは効きます!読み出すとブランケットを頭から被った如く黒い闇が確実に数分以内に・・・。

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こういうのもいいな