昨日は休みだった。本を読んだ。実は僕は活字中毒である、相当。基本的にトイレも風呂も本を持って入る。最近さすがにこの暑さで長風呂をする気はなくなったが、冬から春にかけて浴槽で結構読破した。
理事長になってから、こうすれば成功するとかいった類のビジネス書や、人生の幸せは、とかいった生ぬるい哲学書みたいなやつをたくさん読んだ。なにか求めていたのだ。しかし何も残っていない(2,3冊いいやつがあったけど)。小説を読むと心に残る影の濃さがぜんぜん違う。「人生はかぼちゃ!!」とハウツー物に書いてあっても「ふむ」と思うだけ。しかし小説に引き込まれて「人生はかぼちゃなのか…」と感じたらずーと残っている。
で、最近は医学関係のもの以外は小説しか読まない。どんなジャンルの小説でも、結局は人間の生き方を描いている。できるだけ面白いものを読もう。
昨日は気になっていた伊坂幸太郎の短編集「死神の精度」を読む。予感にたがわず面白かった。本好きな人は判ると思うけど、新聞の広告を見ただけでビビッとくる本があって、大概外れない。伊坂幸太郎は好きなタイプではないけど、こいつは面白そうだ。死神が主人公だけど、仕事は上から指定された人間が死ぬのに値するか1週間で評価すること。「可」もしくは「見送り」と評定。介護保険の調査員のようだ。
音楽が何よりも好きで、ジャンルは問わない。人間の世界に仕事で来ると、暇を見つけてCDショップで試聴する。そこでよく同僚と会う。主人公が仕事をするときは常に雨…などなどディーテルが面白い。神は細部に宿りたもう。
短編集はCDと同じで、話のならびが曲の順番と同じく重要。CDはキャッチーな曲が最初で、力の入った曲が最後か、最後から2番目というのが多いけど、短編集も似たようなもんだ。「死神の精度」も最後の話がものすごーく良いです。この話があるからかなり平均点が上がったと思う。採点は☆☆☆☆にしよう。