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淋しいニッポン

中川財務・金融相が辞意を表明した。

 

まあ議論する気も起きないような出来事ではあります。風邪薬である抗ヒスタミン剤は人によりかなり眠くなり、僕もPLという医者が使う風邪薬を飲むと朦朧となることがある。彼が本当に風邪薬を内服したなら少し同情の余地もあるが、だけど多分そんなことは今まで生きてきたのならわかってるよね。アルコールと一緒に飲むと間違いなく眠気は増すのもわかってることだし(大体医者も随行してんじゃないんだろうか?)、G7に参加しているという意識は極めて希薄であったという感じはいなめない。

 

しかし!思うんだけど、何故周りの人たちは止めなかったのだろうか?

 

あの会見の前に2人ほど他の国の閣僚と会っていたそうだが(びっくり!どんな印象を与えたのだろう?)、あのままテレビに映るとどうなるか、どのような反応が起こるか、日本という国がどのように評価されるか、絶対に予想できていたはずである。

 

止めたけど聞かなかった、とか、今まで同じようなことが何度もあったのであきらめていた、とか、いろいろあるでしょう。彼は農林族なので関係が希薄であったとかいう話も・・・でもな。周りの人、官僚の中に彼のことを本当に考えてあげた人、そして日本のことを考えていた人が全然いなかったのは淋しい・・・。自業自得だけとはいえないような問題が・・・。

 

前歴が多いもんなぁ.

わが名はムッシュ

最近気に入っているCDについて。

「わが名はムッシュ」、これに尽きます。

 

少し前に書いたレディメイドのはせべ社長が自信作と言っていたのでアマゾンの中古で購入。7年前のCDかぁ。ムッシュかまやつ氏の自己ベストというか、セルフカバー集。小西康陽氏がプロデュースしているのでただのベストであるわけがない。

 

ムッシュかまやつ氏が好きだったわけではない。むしろイメージとしては、「なんか訳のわかんないおっさん」。一部でもてはやされてるけど歌全然下手だしー、ハンサムでもないしー、ナヨナヨしてるしー、単に遊び人というだけじゃないの、でした。

 

でも少し調べるとスパイダースの中のいい曲は全部彼が書いてるのね。「あの時君は若かった」「バン・バン・バン」「いつまでもどこまでも」「ノー・ノー・ボーイ」「フリフリ」とか(おぉ、このタイトルでわかる人がどれだけいるのだろう!?僕も小学生だったっけ。でもいいや)、すべて今聴いても色あせない名曲ばかり。

 

このCDでは歌の合間にご自身の、またマチャアキとか友人のインタビューがドキュメンタリー番組のようにはさまれている。そこに浮かび上がってくるのは60年代の本当に時代を作った遊び人の横顔である(「飯倉片町に張り付いてました、キャンテイに行くとズズ、加賀まり子さん、コシノジュンコさんがいつも3人でいて・・・」)。みんな決して誉めているわけばかりじゃない、結構実際に困ったこともかなり多い人であろうと想像される。しかし何が許したのか、ともかく好きなことだけをやっていて(好きなことだけをできる強さがあり、常識にとらわれない何かが欠落していて)今に至っておられるようです。幸運。しかし作った歌の中に垣間見える閃光のようにきらめくセンスはなんだ!

 

彼のオリジナルを僕はそんなに知ってる訳じゃないのですが、ここに収められている歌は小西康陽氏のアレンジにより(彼の弦の使い方が僕はすごく好みなのです)、原曲より深みのある、凄みのあるものに仕上がっていると感じます。特にムッシュの代名詞ともいえる「ゴロワーズを吸ったことがあるかい」。これにはまいるよ。一瞬にして周りの世界がブルーグレーの曇り空の古いフランス映画に変質・・・・。

 

是非御一聴。後悔しません。

 

 

若い頃はかっこいいよね。

We are not alone.

昔僕の友人が、「この地球上の空気には今まで亡くなった人の分子がすべて含まれている」と言った。火葬された人の分子は風に混じって循環し、いま吸っているこの空気の中にも含まれている、君のお父さんの身体の一部も、と言った。僕はそれを聞いてちょっと感激したのである。実際どの程度かわかんないよ、でも、本当にごく僅かでも含まれている可能性はあると考える方が科学的じゃないか。

 

で、実際に計算した人がいたのである。

 

国立循環器病センター研究所名誉所長の菅弘之先生である。先生は循環器の領域で数式を駆使して循環生理学において素晴らしい業績をあげられた方である。

 

ひとりの遺体が火葬されると500g前後の遺骨や遺灰を除いてすべての物質が燃焼し大気中に広がる。人体構成物質は分子で見ると65%が水、16%が蛋白、13%が脂肪、5%がミネラル、1%が糖質。それらは酸化分解され水蒸気、炭酸ガスなどになって大気に混ざる。遺体の体重が60kgだとそれらの元素の原子数は一番多い水素が3.5X1027乗、全部合わせると5.7X1027乗になる。地球上の大気の総量は5.3X1021Kg、原子数でいうと合わせて2.2X1045乗。この大気全体の原子数の中に遺体の原子数が均等に混ざると、大気1リットル中に14万個が故人に由来する原子数となる。1回の呼吸で0.5リットルの空気を吸い込むので7万個も含まれていることになる。

 

海水1リットル中に20mlの大気が溶けているが、先ほどの計算をすると200リットル位の浴槽分の海水に故人に由来する原子数は50万個くらい存在し、海水浴をすると遥かに多くの原子が身体をすり抜けていくことになる。

 

人が生きていく上で排泄したり排尿したりして原子は循環し、また取り込まれたりして、いうなれば輪廻転生を繰り返している。僕たちが生きているこの地球上には、今まで人間だけでなく、過去も現在も存在するすべての生物の原子が漂っており、それらみんなと共に僕たちは生きているのである。あぁ、眩暈がする。

 

勇気が出るではないか。We are not aloneなのでござる。

ここからですね。

日曜日にやったこと

 

今日は朝も早よから起きて愛犬を散歩させ、お仕事する。どうした?たまにはね。

 

最近読書欲が高まっており、その後副島隆彦氏の「日本の真実」(びっくりするようなことばかり書いてあるなぁ、でも最近のニュースの見方が変わりました。今までとは少し違う動きがある感じがします)、春日武彦先生の「はじめての精神科」(この先生の意見はいつも非常にまともで安心します)、佐久間馨氏の「ゴルフは突然うまくなる」(トホホなタイトルですが技術論は全然なく、NLP:神経言語プログラミング にのっとったメンタルな解説書。結構有益だった。ゴルフに関係のないところで使えます)を平行して読む。真実とゴルフは途中からだったせいもあり読了。精神科は今必要なところを読む。

 

その後、気が狂ったように部屋を片付ける。といっても積み上げてあった本を別のスペース(これを作るのが大変だったのだ)に移しただけだが。その後CDも整理。捜していたドノバンのベストアルバムTroubadourや、ジミヘンのエレクトリック・レディランド、ピチカートファイブのボサノバ2001、デビッド・サンボーンのUpfrontを見つけ嬉しくなる。極めつけはJohn Trudelljohnny damas and meである。サングラスの詩人がロックバンドをバックに朗読する。カッコよろしい。こういうおっさんになりたい。

 

やり残していた今度のパワーリハ学術大会の抄録を2つチェック。ポジティブライフ君が頑張っている。メールでやりとりする。心臓リハは間に合わず。

 

で、予定していたことの半分くらいしか出来なかったが、こうして日曜日は過ぎる。昔は休みだと外出しないともったいない気がしたが変わったもんだよ。また変わるかもしれない。

 

From the top of mountain in the morning

When I'm 64.

 日経メディカルをパラパラとめくる。結構面白い記事が多いので好きなのだが、先月号は読んだっけ?情けねーと反省し、まずは今月号から。

 

 と思うと気になる広告が。おぉ!パワースーツじゃないか!「ロボットスーツHAL」と書いてある。遂にでたか・・・

 

    HAL(Hybrid Assistive Limb)とは、体に装着することによって、身体機能を拡張した

    り、増幅したりすることができる世界初のサイボーグ型ロボットです。

         人が筋肉を動かそうとしたとき、脳から運動ニューロンを介して筋肉に神経信号が伝わり、筋骨格系が動作しますが、その際に、微弱な生体電位信号が皮膚表面に漏れ出してきます。HALは、装着者の皮膚表面に貼り付けられたセンサでこの信号を読み取り、その信号を基にパワーユニットを制御して、装着者の筋肉の動きと一体的に関節を動かすのです。これによって動作支援が可能になります。

  HALの応用分野は幅広く、福祉・介護分野における身体機能に障害がある方への自立動作支援、介護支援をはじめ、工場などでの重作業支援、災害現場でのレスキュー活動支援、エンタテイメントなど、幅広い分野での適用が期待されています。

 

だそうである。リースできるようだ。でもエンタテイメント?なんに使うの?対戦ゲーム?

 

面白い世界になってきたなーと思う。現実はSFを追う。あと10年経つと世界は今と大きく変化している、多分。進み方に加速がかかっている。僕が64歳になる頃は、ビートルズのように「頭が薄くなっても僕を好きでいてくれるかい?」とはまるで違う歌詞になる。「身体の3分の1が機械でも僕を好きでいてくれるかい?」・・・うーむ。ロマンチックの概念も進化しないといけないな。

 

下手な写真ですまぬ。

レディメイド

 長谷部千彩さんの本を2冊立て続けに読む。「有閑マドモワゼル」「レディメイド*はせべ社長のひみつダイアリー」。2冊とも中古で購入し、大半をバスルームで読破。

 

 誰ですか、それ?という人も多かろう。小西康陽氏(ピチカートファイブだよ)のマネージャーであり現夫人(多分まだ)で、レディメイドエンタテイメント代表取締役。ものすごーく美人そう(顔は知らない)、ものすごくおしゃれだが、日記を読む限りチャンバラ映画を愛し、人付き合いがめんどくさそうなオヤジっぽい女性。PCを自分で組み立ててしまうメカマニアというのもすごい。ミスマッチ。

 

 2冊ともすごく面白かった。僕が個人的には今一番文章がうまいと思っている小西康陽氏と共通するのだが、構えてない。小西氏なんて「僕はこれらの文章を金のために書いた」とか「容貌へのコンプレックスが僕を音楽に向かわせた」なんて平気で書く。でも自然体でセンスがいいのだ。この二人のセンスのよさは間違いなく他人に見せるためではなく(他人なんて意識してない、はなから。わかると思うけど)、自分のしたいことだけにフォーカスをきっちり合わせていることから出てくるように思う。医学論文で実にエレガントな実験で魅力的な結論を導き出しているような、すっと鼻筋の通った感じ。参りましたと僕のような過剰な不純物が多い人間は思う。

 

自分の嗜好をつなぎ合わせていくとこのようになった。なぜかなんてそんな説明は出来ない。こうだからこう。潔い。僕は理屈、理論の世界に生きているので(「ああだから、こうなります。だからそうしましょう」)気持ちがいい。

 

僕はもとよりピチカートマニアだが、彼女の作ったレディメイド・エンターテイメントのCDを聴きたくなった。夏木マリさんとかムッシュかまやつ氏とかあり。だいたいレディメイドって既製服ってことですが、この命名からしてやると思わない?

 

.. 彼女が社員を叱る台詞。「30過ぎたらもうおばちゃんでしょ、評価されることは仕事が出来るかどうかだけでしょ、ちょっとぐらい可愛くたって若い娘にはかなわないんだからさ、もうそういう次元のことはあきらめて本気でやってね」

・・・こういうことは言えません。だいたいうちの職場は30代の女子部がエンジンで動いとります。今日も外来が終わってから遅くまで若い身空で数人が頑張っていました。偉い、有難う・・・

 

うーむ。

大阪人

 この前医師会の会合があったとき、城東区の区長が来られていて「大阪人」の宣伝をされた。情報誌なのだが2月号は城東区の特集ゆえ。雑誌名はなんとなく聞いたことあるといった程度の認識だったのだが、近くの先生に聞くと「あっ、うち取ってるで」とか「よく本屋で立ち読みする」とか、おお、全然違うぞ。居住地の違いか?皆さんどうでしょうか?

 

 特集号のタイトルは「城東区の上等」である・・・オヤジギャグ?・・・。出版は大阪都市工学情報センターというところであった。やっぱりね。ここは100%大阪市が出資している。HPによると「都市工学や地域情報など多様な情報の発信、蓄積された情報を活用した調査・研究、産学公民ネットワーク形成と情報の交流」が業務のようで、いわゆる街づくりのソフトに関連しているところみたいだな。

 

 あまりファミリアではないが、こういう公のところは豊富な資金(多分民間よりは)を使い、結構内容のある情報を持っている。センスはないが。有効な利用の仕方を考えるべきだと思った。

 

 でも「大阪人」城東区特集はなかなか面白い。おお、なかなかおしゃれな店ではないか、といったレストランの紹介や知らない歴史など、情報誌ではあるのだが全般に軽薄度が薄く、若い女性向き商業誌とは違って好みである。俺もオヤジか?

 

 バックナンバーを見ると他に興味あるやつもある。少しチェック。城東区特集号はクリニックの待合に置いてある。興味のある人は受診するように。

 

 

ヴィヴィカムで撮りました。失敗です。

2月の始まり

 うーむ、なんか痛いなと思っていたら右足の甲が腫れている。発赤もしている。炎症だー。アキレス腱が最近調子いいので結構歩いたらこうなったのである。腱鞘炎だろう。右足だけ赤ん坊の足のようにぷっくりしている。抗炎症剤を飲まなやってられへんで、というわけで内服。

 

 此の頃マルチビタミンと銀杏のエキスとEPAと時々怒りを抑えるためβブロッカーなんかを飲んでいたのにまた増えた・・・

 

 読書をする。副島隆彦氏や佐藤優氏の本を最近3冊ほど続けて読んだ。医療崩壊に対し運動している僕の後輩が勧めてくれたのだ。「池岡先生、こんなん読んだらもう、なんか、やる気なくなりますよ」。巨悪が存在し無力感のみとなるとのこと。

 

 同感。日本を始め世界中の政界、財界の人たち、もういい加減かねかねかねけんりょくけんりょくけんりょくで生きていくのはもう・・・。世の中の情報はウソではないが大事なことは隠されている。ニュース見てもよく分からないことあるでしょ?あれはこちらの頭が悪いのではなく因果関係が伏せられているからなのだ。

 

 これからどうやって生きていくか、ちょっと考える2月。

 

 月を見て酒を飲む

スパイ ハズ カム! 

なんたる陽気だ。ウソだろー。今朝は14℃。思わずオープンにしたくなるがまだ早い。朝の生暖かい風とともに小さな虫が車の中に入ってきた。春みたいね・・・なんぞと思っているとこんなニュースが。

 

アメリカ国防省の委託によりいくつかのアメリカの大学が生きた昆虫の遠隔操作の実験をしており、カリフォルニア大学バークレー校はカブトムシの遠隔操作に成功した。カブトムシは3gの重さに耐えられる(チップとかを積むのだ)、カッコいい、というのが選択の理由。ミシガン大学はカナブンや蛾に成功しており、このような電子機器を用いて昆虫を操るのは、スパイとしての使用が念頭に置かれている。HI-MEMS (Hybrid Insect Micro-Electro-Mechanical Systems) と総称する。鼠や鳩のサイボーグ化も進んでいるとのことhttp://wiredvision.jp/news/200901/2009012922.html)。

 

びっくり。完全にSF映画である。戦争は科学を進歩させる、でもなー。牧歌的な世界はどんどん遠ざかる。そんなに監視してどうする。面白いけどiPS細胞のニュースみたいに明るくなれないぞ。

 

もう稼動してたりして。春になって昆虫が目の前を飛び回ったらよーく見てみよう。アンテナが立ってるかもしれないぞ。made in Japanだったりするんだなぁ、これが。

 

 

諸行無常の響きあり

ちょっと気分が落ち着いた。今度抗加齢医学会雑誌にクリニックが紹介されることになり、その文章がやっと出来上がったのである。「アンチエイジングクリニック訪問」という連載物であるが、学会誌に数ページにわたり掲載されるので真剣に書いた(普段はそうでないのか?)。スタッフの写真もあるぞ。締め切りギリギリはお約束だーい!

 

で、なんとなくCDラックに手を伸ばしユーミンを聴く。なんでや?わかりません、なんとなく懐かしくて。ベストアルバムだな、これは。

 

ユーミンは僕より1歳年上である。彼女の登場を同時代で意識できて幸福である。その頃の貧乏くさいフォークでなく、右肩上がりの日本の経済状態とシンクロした、おしゃれな歌をうたう上級生の突然の登場。僕は彼女がデビューしてまだ3度目のステージを見ている。すごくヘタでした。先行きが危ぶまれるような。でも結果はご存知のとおり。

 

ユーミンの曲は1曲で短編小説1話ぶんである。目の前にその情景が浮かぶ。これほどイメージを喚起させる歌を書ける人をほかには知らない。サザンでもタツローでも浮かばない。映画の1シーンのように明瞭に、僕でない誰かが主人公のフィルムが流れる。

 

これは歌詞の力だろう。メロディーは言わずもがなだが、彼女の歌詞は本当に素晴らしい。そして彼女の歌詞にはある共通のトーンが流れている。すべてのものは変わりゆく、変わらないものはないという諦念のようなものを僕は感じる。今は幸せでも、それでさえやがて懐かしく思い出す出来事になってしまうだろうという、そういう感じね。切ないのである。

 

彼女のインタビューで「私はある時わかってしまったんです。人間は絶対的に一人だということを。それから淋しくなくなったんです」と言っていたのを覚えている。意外でよく覚えているが、そういうのが核なのだろうか。

 

諸行無常の響きあり、平家物語である。

 

天才ユーミンにして近年の凋落振りは、本当に平家物語だなぁ。でも僕は彼女の復活を信じている。10年くらい新譜を聴いていないが、いずれ驚愕のアルバムを、大人のせつなさ満載の素晴らしい楽曲を聴けることを、上級生のお姉さん、俺は待ってるぜ。

 

これで人生が変わったかもね。