カテゴリー別アーカイブ: 仕事

 9月だ・・・秋になっちゃうねぇ・・・。どうも風邪っぽいのから完全に脱してない気がするが、予定表を見ると、あらま、前から懸念の締め切りが目白押しである。

 9月、10月で学会発表が1つ、研究会の発表が1つ、パワリハ実務者研修会でのちょっとした講義が1つ、発表用の新しいプロトコールを他の施設と共同で考えるのが1つ、あと当院を抗加齢医学会認定施設として申請するための症例を10例書くとか、医師会関連の勉強会プランを作るのが3つほどと結構あります。もちろん全くまだ何もやっていない。それに加え日常のルーチンワークである意見書とかモロモロのデスクワークはもう見たくないほどあります。やってません、すいましぇん。謝っても済まんか。許せ。

 自分が開業する時、こうなことになろうとは想像もしなかった。時間通り診察を終え、後は自分の好きなことに使おう、プールに行ったり昼飯も時々おいしいレストランに行こうかなとかさ。絵や楽器も習いたいなとか・・・冗談じゃないよ。やったことないぞ(うそ、ギターは一時習った。でも中途で挫折)。

 まあこういうのは気質の問題なのであろう。キチンと仕事して優雅に余暇を使ってらっしゃる方もちゃんといるのを知っている。ちょっと羨ましい気もするけどまあ僕にとっては仕事も遊びも線引きが難しいところがあるからな。とりあえず愚痴らずに頑張ろうと自分を納得させる。

 食欲の秋、芸術の秋、勉強の秋、スポーツの秋、後なんだっけ、まあ何でも秋はせっせとやるにふさわしい。皆様もせいぜいご精進を。

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まあせいぜい景色でも愛でようぜ

 

アディオス!

 終戦記念日である。終戦ね・・・自分の仕事に当てはめて考えれば今年前期の戦いの終わりといえよう。

 パワーリハビリテーション大阪支部長になり事務局も当院になったことでより深くパワーリハにかかわることになったことや、抗加齢医学会で多くの先生方と知り合えアンチ・エイジング・クリニックの基礎ができたこと、またパワーリハとアンチエイジングの融合路線がはっきりしてきたことなど、クリニックの将来が明確になってきたことは、後から考えれば今年はマイル・ストーンだったと思えるくらい大きな時期となる可能性があるな。単純に言うと予防医学領域の拡大である。そして介護は「治る介護」(すべてじゃないけど)。

 しかし経営的には敗戦。昨今の医療状況の厳しさから、新しい患者さんが増えているのにもかかわらず増収には結びつかないという信じられない状況があり、介護はコムスンの事件が語るごとく、まともに丁寧にやっていると運営できないくらいの状況になっている。医療、介護とも国が保険点数を含めすべてを決めるのであり、その結果としてシステムクラッシュが起こりかけている。公は期待できず自分でやっていくしかないが、うーん、きびしい。もちろんシステムのせいばかりじゃない。努力すべき点も多い。後期はこれをいかに改善し患者さん、利用者さん、スタッフに還元できるかである。スタッフの諸君、危機感を持ち自分は何ができるか頭を使って動けよ!ある朝出勤すると全部シャッターが下りていて「ばいばい」と僕が手を振っているビラが張ってあるかもしれないぞ。

 とりあえず後期に備えお休みをいただき作戦を練ることにする。ブログもしばらくお休みです。では皆さん、アディオス!また会う日まで。

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楽しめるうちに夏を楽しみたまえ、と誰かが言う

Decency

 当法人のモットーはDecencyであります。いったいこれはなんじゃい?と訊かれることがあります。上品で礼儀正しいというのが訳として書かれていますが、これは人間としてでもあり、また医療介護に携わる人間として必要な資質と僕は思っています。でも上品で礼儀正しいという訳だけでは何か少し足りないなー。表面的な礼儀正しさというか、慇懃無礼みたいな感じもするし、なんかもう一歩。

 どんな苦境にあっても他人に対してDecencyであることは簡単には出来ません。その種の強さが必要。またどんな状態の、どんな関係の人間に対しても他人を認めている、尊重しているというのが根底にあります。内田樹先生は他人との関係を築くのにDecencyを持っている人間が一番強い、Decentな個体は生き延びる個体である、これの機微はわかる人にはわかるし、わからない人にはわからない、と書いています。人間は社会的動物であり、社会的関係を維持するのに最も大切なものという風に解釈しています。

 他人にも自分にも礼儀正しい、つまり尊重している、付き合い方が乱暴でなく丁寧である、我儘で自己本位でない、といったところかな。と考えていたのですが、ある雑誌を読んでいて宮崎哲弥氏のコラムにDecencyが出てきたのでおっ!っと。

 ・・・最近「品格」がよく出てくるが、この「品格」って英語ではどの語が適当だろうねという話に藤原帰一氏(国際政治学者です)となって、「大方Decency辺りじゃないの」みたいなやり取りをしていたら・・・という話です。「品格」。
 おお、「品格」か!

 「国家の品格」「女性の品格」「男の品格」「ハケンの品格」ね。「クリニックの品格」「デイケア、デイサービスの品格」。あまり考えないですね。でもみんなある程度無意識で意識しているんじゃないでしょうか。品格ある施設を目指す。表面的な礼儀ではなく中身のある品格を。頭を使って考えよう。

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Dでいこう!

今そこにある危機

 まずい!と思ったときはもう遅い。針刺し事故をやってしまった。新しい患者さんの往診をして採血し、処理を診療所でしていた時に自分の単純なミスで針先が腕に刺さってしまった。新しい患者さんなので情報が乏しいが、手術をしたときに輸血後発熱し肝炎と診断されたとか言っていたな、なんでまた、と天を仰ぐ。

 刺した部位の血液を搾り取るようにし、症状から考えたらB型だな、としたら僕はワクチンをうっているから大丈夫な可能性が高いがかなり前だしなー、抗体価は落ちているに違いない。一応ワクチンの追加摂取をすべく手配する。

 C型肝炎の場合は打つ手がない。運を天に任せるのみである。針刺し事故でC型肝炎が感染する率はB型と比べ低いがゼロではない。経過を追わなければならないが、インターフェロンかぁとかなり暗くなる。

 とりあえず患者さんが本当に肝炎に感染しているかが問題である。勘違いしていることも多い。採血の結果を検査メーカーに聞くことになっているが数時間かかる。時計の進むのが遅い。なんでやるかなぁと自分にうんざりする。軽率で慎重さの欠ける欠点を直せというお告げか。チクッときたときは本当に何か邪悪な小動物に噛まれたような気がした。

 電話する。「ちょっとお待ちください」。割と無機的な対応。・・・・「そうですか、マイナスですか」・・・やったぁー!俺は運が強い。とりあえずセーフ。しかしここから教訓を導き出さなくてはならない。危機は今、すぐ其処に、ある。多分感染以外にも。ガードがゆるい俺としては、脇を固めよという神様のイエローカードのような気がする。わかった。喉元過ぎれば・・という諺がチラッと頭をかすめたが今度はちゃんと覚えておこう。

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Watch out!!

悟りの窓

 忙しいという字は心が亡びると書くのねー・・・いや、時間がなくてブログが更新できませんでした。日記だったらもうこのまま来年まで封印のパターンです。ブログは自分自身の気持ちの整理(どう整理してるんだ?)にもなるので書かないとなんか気になって。やっと余裕が出来ました。

 参院選ですが、まあ当然の結果ですね。しかし民主党は多分候補者の質からいうと自民に負けていたと思うのですが、逆風を利用して沢山とおってしまった。なんか後で問題が出てきそうな気がします。医療行政は最悪の状態なので、なんか間違って違う方向が出てくるよう期待したいですが無駄かな。

 昨日他の病院から紹介されて末期がん(子宮がん)の女性が来院されました。まだ40代の始めですが抗がん剤治療をしても5年生存率が期待できないので、このまま出来れば在宅で緩和治療を受けたいというご希望なのです。ご主人もNASHから肝臓がんを発症され手術をされています。運命を受容されていて静かな雰囲気で、これからの計画をご相談しました。

 医者は診断し治療するだけでいいという時代はとっくに終わっています。これから大事なのは病気になる前の予防医学であり、そしてそれとは対照的に、積極的に治療しない場合どのようにその人をサポートしていくかという緩和医療です。医者でありトレーナーであり、カウンセラーであり司祭である。時々僕は、みんなのいろいろな要求を何とかかなえようと奔走していて、そして俺の心の空白は誰が癒してくれるんだ?とバランスを崩しそうになります。でもまあ回復しているけどね。自分自身をマネージメントできないとほかの方を支えることは出来ません。なんとかやっていくか・・・

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源光庵「悟りの窓」らしい

肥満は伝染病だったのか!?

 肥満はどうやら(ということもないか、確定的に)まずいらしい・・・伝染病だったということも分かってきた?天下のニュー・イングランド・ジャーナルから。

 The Spread of Obesity in a Large Social Network over 32 Years. N Engl J Med 357:370-379 July 26 2007によると、32年間にわたり12067名の密な相互社会ネットワークを繰り返し調査し、個人の体重増加が友人や兄弟、配偶者、隣人の体重増加と関連があるか調査した。

 ①友達が肥満なら、肥満となる可能性は57%増加
 ②成人の兄弟のペアでは、片方が肥満なら、片側が肥満となる可能性は40%増加
 ③配偶者が肥満なら、片方が肥満となる可能性は37%
 ④地理的居住地の単なる隣人関係では認められない
 ⑤特に異性より同性が影響を受けやすい

 やはり肥満は生活習慣からなり、近い関係が影響を受けやすいのは当然といえるが、はっきり証明されたわけだ。単なる風邪くらいの伝染性はあると言えるな。近寄らないでと言う?

 それよりも影響を受けやすいのなら片方が痩せるとまた片方も痩せやすいと考えて一緒にダイエットに励みましょう。蛇足ですが食事だけのダイエットは絶対だめで運動は必須です。今度うちの法人のケアマネージャーであり栄養士のO嬢のブログがスタートするようですがタイトルは(仮題?)「つまみ食い、バンザイ」だそうです。大丈夫でしょうか?

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うーむ…

学会発表

 パワーリハビリテーション学術全国大会 in 札幌が終わりました。いやー、充実していましたが、ここに至るまでは忙しかったな。みのもんた状態です。今回の大会はパワーリハビリテーション大阪支部長になったので色々本部の人、他の支部長との顔合わせに加えて、何年ぶりかで自分で演題を発表することもあってここ1週間、頭の中はパワリハ1色(でもないか)。しかしアンチ・エイジングとパワリハの接点ははっきりわかったし、これからの進む方向が、霧が晴れて山頂がくっきり見えたように思います。

 久しぶりの発表はとても楽しかった。大学病院時代から僕は学会が好きで、会場が大きいほど、聴衆が多いほど、質問が多いほど燃えるタイプです。人前で話す機会は開業してからも結構ありましたが、学会発表は10年ぶりくらいですかね。しかし内容も突かれるところはあまり無いと分かっていたし、会場も小ぶりで、なんと言うか全く原稿無しのフリーハンドで話したのですが、全くあがらず心拍数も全然変化していないのは自分でも驚きでした。

 1週間の突貫工事でまとめたのですが、まともな質問も2人の方にうけたし、座長からも好評で「続編を期待します」と言われ、会場の外でも「名刺をいただきたい」と言われ名刺を交換させていただいたりとまあ好評であったようです。あっ、タイトルは「パワーリハビリテーションと鍼灸治療の相乗効果」です。パワーポイントはホームページにアップしときますので興味のある方は見てください。

 学会に行くとこういう場で発表しようとちゃんと考えて日々働いている人に会うことが出来てとても刺激になります。アンチ・エイジングと関連付けている九州の加倉先生、心臓・呼吸リハビリテーションに革新的な方法でパワリハを取り入れている山口の大多和先生とお知り合いになりとても刺激を受けました。井の中の蛙はイカン。両先生も言われていましたが、自分の成績を引っさげていろいろなところで他流試合をすると考えがどんどん広がっていきます。

 うちのスタッフもどんどん外に出て行って欲しい。小さくかたまらないように。今までも言っていますがもっとお尻をたたかなくっちゃ、と思う大会でした。

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こんな感じ

優雅な人生

 僕はよく雑誌を読むのですが、「ブルータス」とか「GQ」とかには50代で引退して自由気ままに生きている人が男の理想みたいな形で時々出てきます。
 
 いったいどうやって食ってるの?

 若くして資産を築いた能力かつ運のある人たちですが、実際俺の周りにはいねぇなーと思っていたのですが、いました!ついに。このまえゴルフをひょんなことでご一緒した方なのですが、自分で貿易関連の会社をされていて55才で引退、今は大阪大学の社会人大学院で文学部の授業に出ていて美術史を勉強しているとのこと。もう5年目で(何年でもいける)試験も一般学生と一緒に受けるそうです。同じ年代のクラスメートも結構いて、5年目でちょっと飽きたので、友人と一緒に単位の交換ができる神戸大学へ移ろうかと思案中とのこと。

 苦みばしったいい男ですが60歳よりかなり若く見える。今まで仕事に関係あったのだがよく知らなかったヨーロッパの美術史を遅まきながら勉強できて大変嬉しいと。

 そりゃそうだろう。彼は日本にタイガー・ウッズが来た時見に行って、「とても同じ人間とは思えなかった」と言っていましたが、僕かりゃすりゃあなたも同じように感じるよ。現実にはいろいろあるのかもしれないがなんと優雅な人生・・・と思いますが、なんとなく俺もぜひそうなりたい!と思わないのはなぜなんだろうな。

 僕にとって仕事が一番スリリングで面白みのあるサブジェクトなんだろうなと思います。リスクは総てにおいて厄介ではあるが、それが無ければ何でも単なる暇つぶし。がっつり仕事にぶつかることが出来ることはある意味大変幸せでは、と思っています。

 と言った舌の根も乾かぬうちに「引退だよーん」と言ったりして。しかしその確率は僕が全米オープンに出る確率くらいか。それも寂しい・・・・

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「ヤングでリッチでリタイヤ」という本。読むかい!

説明会

 今、法人内で新しいプロジェクトが計画されていて、土曜日にスタッフに対して説明会をした。かなりシステムが変わるのだが、それを押し付けるのではなく、トップダウンでなく、スタッフみんなの意見が欲しい。そのためにも今までの経緯、理由、だいたいの計画を発表した。大変な努力をした事務長はじめ法人本部のスタッフに感謝する。

 うちの法人では年度末に業績の報告を経営的なことも全部スタッフに明らかにしている。そんな時、どちらかいうと雇用する側、される側といった対立構造が自然に出来てしまうもので僕個人としては微妙な緊張感が出てしまうのだが昨日は違った。

 これは院長である僕をはじめとしてうちのスタッフみんな一丸として協力していかないとうまくいかないプロジェクトだが、スタッフみんなの気持ちが前に向いているというのが僕にすごく伝わってきた。だからとても安心感があった。各々感じていることは違うだろうし、僕の感じた一体感も「それは誤解!」と茶々を入れたい人もいるだろう。でもね、僕の敏感なバイブレーション感知アンテナは「OK!」と確信を持って告げている。

 うちのスタッフは真っ当で熱くて優しい。「いいな」と暖かく心強く思えた夜だった。サンキュー。

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しんどくてもOkayよ!

美しい雲

 今日はまたゴルフに行ってきました。大学病院時代の気の置けない仲間と一緒だったので本当に楽しかったのですが、僕のティーショット(第1打ね)は暗く長いトンネルに入ったままでした・・・。リカバリーショット、アプローチ、パットで何とか拾っていってたのですが、ついに耐え切れずOBも連発、悲惨な結果に。明日クラブも靴も全部捨てる予定です(今のところはな)。

 ひどい傾斜からパチーンとナイスリカバリーを打っていたら後輩が、
「先生の人生のようにナイスショット!ですね」(もちろんお世辞)
「そんなわけ無いだろー。でも言うならば人生はリカバリーショットだな」
「そうですねー。でも後ろへ打たなあかん時もありますしね。OBのほうがましとかね」
「打ち直ししたいって気持ちに時になる」
「そうそう」(自分の人生を振り返り深くうなずく後輩)

 人生はリカバリーショット。開業して10年になるが、今までのが第1打としたらまあ何とかフェアウェイにボールはある。しかしドッグレッグでグリーンは見えない。リカバリーではないが難しい第2打という局面か。最近仕事で新しい流れが明らかに僕を運んで行っているのが判る。どの方向に打てばいいか見当がついて、すでにスイングは開始されているのである。ゴルフのセオリーではこの段階ではもう何も考えず自分を信じて任すということになっている。後はボールをよく見て、力まないで、軸がぶれないように。

 帰りはいつものようにオープンで帰る。午後7時でも空は明るく芸術的に入道雲が浮かんでいる。「美しい雲」ってのはサガンだったけ。人生でも美しい雲が見れますように。あなたも僕も。

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