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プリシジョン・スタジオにて

先日土曜日の午後に、クリニック1階のプリシジョン・スタジオで第1回の健康体操教室が開かれました。プリシジョン・スタジオではパワーリハビリテーションだけでなく、いろいろなやり方で皆さんの心身の健康をパワーアップしようとバラエティのある催しを計画しています。今日はその第1弾。

 

パワーリハ隊長である「ポジティブ・ライフ」君の先輩で体育大学出身の魅力的な女性インストラクターをお招きして1時間、ストレッチを中心にいろいろな要素を入れてエクセサイズをおこないました。最初ということで定員は10人にしぼらさせていただいたのですが、すぐ満員になり、後から申し込まれた方にはご迷惑をおかけしました。今のところ月に2回の予定ですがもう少し増えると思います。また懲りずに是非ご参加の申し込みを。お待ちしています。

 

参加された方の平均年齢は70歳以上でしたが皆さん熱心で、とてもいい雰囲気でした。動かしているようでも全身の中で使っている筋肉と使っていない筋肉との差は大きく、そのアンバランスが姿勢や歩行状態を悪くします。パワーリハもそうですが、全身の筋肉を満遍なく動かすことは、しんどい筋トレをすることよりもはるかに有効なことが多いのです。

 

ヨガで使うアンビエント・ミュージックが流れる中、陽の差し込むスタジオでエクセサイズされている皆さんの背中からは快適なオーラが漂っていました。こういったことの繰り返しがスタジオにもオーラをつけることになるのだろうなと思いました。

 

新しくボクセサイズもプログラムに考えています。新しいプランの広報はホームページや、外来、鍼灸、パワーリハ室に置いてあるパンフレットなどで行いますので、皆さん注意しておいてくださいね。乞うご期待です。

 

皆さん、グッドです。

スピーチ・パワー

 

通勤するとき、多くはCDをかける。でも時々、時間帯が合えばテレビを受診する。ほとんどの場合がニュースだ。運転中は画像が出ない。音、声だけが聞こえるわけだが、最近のニュースで登場する多くの日本の政治家諸氏の声、喋り方はどうも全く魅力的でない。まあ勿論、内容もだが。

 

電話で話すと、実際に顔を合わせるよりニュアンスの違いを感じとりやすいのは、みんな気がついていると思う。声のもつ表現力はかなり深い。

 

政治家というのは自分の思想、考え方を他人にアピールすることが、仕事の大きな部分だと思う。欧米の政治家を見ていると、言葉、言い回しもそうであるが、やりすぎじゃないかと思うくらいスピーチする技術に重点を置いているのがわかる。これは言葉による説得が基本となっている国々においては全く基本的な学習項目なのだろう。

 

日本は基本的に「あ、うん」の国である。行間を読むのが大事で、弁舌爽やかというのはむしろ批判の対象となることもある。そういうのはわからないことも無いが、その活躍する場所によるな。政治は明らかに的確で魅力的な言語能力を発揮すべき場所であろう。

 

時々弔辞で、大変内容のある、そして見事な表現力の方を見ることがある。人の最後を送るという、そのある種緊迫した状況がそうさせるのだろう。政治の場においても、それくらい覚悟を持って毎回スピーチすべきじゃないのかね。

 

政治家諸氏に負けず、私もスピーチ能力を磨きたいものであります。

 

最近はやはりこの人ね。

コールド・チェリー

 

もう4月になってしまった。桜である。

 

桜に関して考えてみると、結構思い出があるなぁ。

勤務していた病院の近くを流れている川べりに有名でないのが信じられないくらい見事な桜並木があり、そこで寝転がって青空を見ていた日。雨上がりのライトアップされた桜並木を自転車で駆け抜けた夜。学会で行った、桜とピンクの照明で景色全部がピンクピンクしてた京都の夕方。

 

花見の頃はだいたい寒い。風邪も多い。今日も東京では満開とニュースが言っていたが、朝の気温は10℃をきっていた。最近チラチラ見るのだが、僕自身は車をオープンにする気にもならない。おいおい、どうした?

 

選抜も終わると、いつもそろそろ始まりだなーという気になっていた。新学期なのだ。もうそういう年ではないのだが、気持ちとしては変わらず新学期といきたいところだ。

 

そのためにはまずはオープンにすることだな。明日はジャケットを持って車に乗ろう。やるぞー(と気張るほどのことでもないか。でもな)。

 

夙川はまだ3分咲きです

老舗フェロモン

今日はゴルフに行ったのですが(日は射すも寒い、風強い、スコアはガチャガチャだー)帰りの車の中で年若い友人とレストランについて喋ったのが一番ホットでございました。

 

彼も僕も気に入っていたレストランに彼が久し振りに行ったところ、いつも満員だったレストランが土曜日の夜にもかかわらずガラガラで、ワインに力を入れていたはずなのにワインリストも全然ない。サーブしてくれるウエイターの方もプロ!という感じだったのですが、どう見ても何の知識もないバイトの女の子に変わっている。料理も当然かなり落ちている。解せず、がっかりした気持ちで帰っていろいろ調べたところ、オーナーと経営方針があわず、有力なスタッフがみんな辞めた故。

 

ちょうど僕も偶然同じような経験をしたところだったのである。

 

「でもね、電話番号も名前も全然変わってないんですよ、そういうのひどい」

「ひどいなー。しかしよくある話だ。なんでそうなるかね」

「ほんとにね。評判になるともっと儲けようと思って詰まらないところをケチる。熱心なスタッフが嫌気がさす。すると客足が落ちる。儲けが出ないのでまたケチる。スタッフ辞める。店つぶれる。といったところじゃないですか。」

「うーむ、儲けた金を何で投資しようと思わないかね。そう考えると老舗というのは本当にすごいな。何年も一緒じゃなく必ず時流にあったマイナーチェンジをしてるからな。そうしないと残れない。」

「そうですね、なんでもっともっとよくしようと思わないで、安易に行っちゃうんですかねー」

 

わからない。いろいろ事情もあるのだろうが、高水準を維持し続けるというのはレストランに限らずかなり難しいことである。

 

そしてそこにあるのは優秀なスタッフの存在である。素晴らしい組織には必ず複数の、やる気のある優秀なスタッフが揃っている、その複数の存在が合わさってかもし出すムードがその組織のフェロモンなっているのである。そしてそのフェロモンは、利益だけを第1に考えていては絶対に精製されないのである。

 

当院も53年目である。頑張りたい。

10 years after

今日はゆったりしとったなぁー・・・という感じで外来が終わりました。忙しいと疲れますが、暇でも疲れるぞ、いっしょだったら忙しいほうがいいや。ねっ、みんな。

 

少し用事があり6時前にはクリニックを出ました。まだ明るい。仕事が終わっても明るいのはいいなー。人生が有効に使える感じがします。真っ暗の中をトボトボ歩いて、家に帰って遅い食事と風呂で、すでにもう真夜中1時間前というのは淋しい・・・淋しすぎる!! そりゃないぜ。と、いつもは考えもしないことを考えたりもします。

 

時間があったらなにをするか。なんでもものにするには(プロに近いくらいのレベル)3000時間かかるというのを読んだ記憶があります。11時間熱心にすると8年ちょっと、なんやかんやで10年か。今から始めて10年で結構なレベルになるんだったらなにがいいかな。

 

やはり楽器か・・・ギターかなー。書道、水墨画?お茶もいいな。茶道です。格闘技も魅力だけどちょっと無理か。料理。サーフィンは死ぬかもしれぬ。

 

この前久し振りにバーに行きました。なにか沁みました。どっちかいうと仕事ばっかり!という数年だった気がするのですが、ちょっとひねりがないとイカンな。まあそういうことを考えたくなったのだからゆっくり考えよ、と最近思っています。

 

ちっこい夕陽が見えとります。

 

 

WBC

見てしまった・・・・

 

今日はお休みですが、夕方から抗加齢医学の講義を某メーカーですることになっており、ちょっと準備せなあかんなー、WBCはニュースで見よっと、と思ってとりあえず1回裏表だけ見ました。これは「勝つんちゃう」と確信を抱きシコシコとパワーポイント作製。

 

お昼だから経過を見よっと、と思ってテレビをつけたらもう離れられませんでした。心臓に悪かったです・・・あの展開。

 

いやしかし、全力で死力を尽して戦っているというのがわかるので本当に素晴らしい。

 

最近どんな事件も裏があるというか(郵政とか小沢氏の件とかね)、WBCも世界で野球をやってる国は少ないのにワールドじゃないだろう。こんな国をあげての大騒ぎはどうも変だ、不景気だしなにか裏があるような気がする、と素直ではなかったのです。が、いつもどうもずるっちいアメリカを撃破してから気分がよくなりました。

 

韓国も立派。決勝戦開会式で、王監督が向こうの監督と抱き合ってるシーンはなかなか感動的で、仲良くやろうじゃないのと思います。

 

まっ、イチローをちょっと甘く見たのが敗因だったね。

それにしても青木とか中島、ダルとか川崎とかみんなかわいくて実力あるなー。これって反則じゃない。まあこんな反則なら大歓迎ですけど。

 

こういうのを経験するとやめられなくなるだろうなぁ

循環器学会総会

今日は朝もはよから大阪の国際会議場で開かれている第73回循環器学会総会に行って来ました。開業医は診察を休んで学会に行くというのは難しいので、最近はその便宜を図り休日や日曜日を必ず含んで開かれることが多いです。専門医になったばあい学会参加が義務付けられているので、そこらへんも加味されているのであろう。

 

国際会議場は自宅から車で30分という便利なところにあり、早めに行って駐車場に入れられるかな、ちょっと無理かな、なんて考えて初日開場きっかり位に着くようにしたのですが、会場に近づくにつれ不穏な雰囲気が。

 

医者は100m先からでも医者を見分けられる、というのは医者の間では常識なのですが、会場周辺にどうも医者の数が多い。

 

会議場に近づくと「!?」。1kmくらい続く人の列が国際会議場を曲がり、リーガロイヤルホテルを越して梅田方面に続いています。「ここが最後尾」と書いたプラカードをもったお兄ちゃんが立っています。車を何とか止め、これが学会の入場受付する人の列であることを確認して並びました。

 

なんてことでしょう!医者になって30年、今まで学会にどれだけ行ったか覚えていませんがこんなことは初めてです。こんなに勉強が好きな人が多かったのでしょうか?周りでは「発表時間の近い人はどうなんねやろね?」という声があり、それに呼応するかのように「発表時間の迫っている先生はお知らせください!」とスタッフの声が。まるで飛行機の搭乗待ちのようです。

 

ごった返す会場に入り、久し振りにアカデミックな発表を聞くと学会はいいなーと思いますが、今日の手順の悪さは問題じゃの。こういう学会を仕切るのはコンベンション専門の会社が一切請負うのですが、僕は学会参加により循環器専門医の研修単位15単位を取得したけど、君たちは100単位マイナスね。

 

 

  Too many people !

心技体

心技体という言葉がある。ビジネスでもスポーツでもこの3つが揃わないと、とよく使われるが元々は武道の言葉です。メンタル・テクニック・フィジカルの三位一体が必要という、まあ当たり前のことですが、このうちどれが大事かというと最初に出てくる心、メンタル、感情面という人が多いようです。

 

 これは僕も同感です。精神が身体を引っ張る。3つのうちどれかというとやはりハートだと僕も思います。でもこの言葉が大事なのは、この3つは互いに関連して存在するということですね。一つだけ突出するということは、ないわけではありませんが少ない。大本3つはかなり近いレベルで1個人に存在することが多いのではと思います。

 

 医学的な意味では心と体の関係が大事なところですが、身体が弱るとやはり精神的にも弱るのですね。日頃健康な方がちょっと調子が悪いとすぐ弱気になるというのは皆さんよくご存知だと思います。

 

 ご高齢の方がそれなりに身体の調子が悪くなると、やはり気持ちの上で弱くなるのはそれは仕方がないことなのですね。そしてリハビリなどで身体の動きがよくなる、投薬で血液検査の数値がよくなると、気持ちも晴れていい感じに穏やかになられる。メンタルを重視するあまり身体はそれについてくるとばかり思わないで、まず身体を何とかすると気持ちも変わるのです。

 

 気力、根性ではどうしようもないところがある。特に高齢の方は。まず身体をちゃんとすること、それに気を使うこと。ボディ・メインテナンスは心技体のベースを支えるのです。すべての年齢の皆さん、まずは身体に気を使おう。それに投資しよう。長い人生、大きく差がついてきます。喫煙、夜更かし、暴飲暴食。まずいっすよ!早寝早起き、快食快便、ウォーキングにスイミング。笑うのはあなたです、火を見るよりも明らか。

 

ふっふっふ。

 

判定難!

僕のブレイクファウストはここ何年か野菜ジュース2杯とフルーツの盛り合わせでござる。で、フルーツなんだが機械的に食べていて、特にうまい!と思って食べているわけではない。ある時苺をおいしいからと送ってくださった方がいて、その大きな、面構えもいい苺を食べたとき、そのうまさに驚愕することになる。

 

「なんやこれ!」それは上品な甘さに生き生きとした命が詰まっている和菓子のような味であった。えれー違い。やはり上等ものは違うね。

 

しかし、思うに苺の本来の味とはこういうものではなかったか。僕が子供の時、トマトはフルーツのような味だった。うまかった。トマトだけに齧り付いておやつというのがあったと思う。人参もパセリも濃厚だったよな。僕はパセリだけをボウルに3杯食べたことがある(それもバカだねー)。

 

野菜の栄養素の含有量は、20年前と比べ半分以下に落ちている。抗加齢ドックで抗酸化物質としてのビタミン血中濃度を調べると意外に低くて驚かれる方がいる。「果物も野菜もよくとっているのに・・・」そのとおり。でも含有量自体が落ちているのだよ。便利さを追求して土地を痩せさせ、結果として質の低いプロダクトしか生み出さない情けない我々が悪いのだよ。

 

最近の子供が野菜や果物を食べないのはまずいからだと思う。正直僕もうまいとは思わない。子供の舌は変な能書きに惑わされない分だけ大人より確かかもね。

 

そして思うのは、食べ物で何が嫌い、これが嫌いというのは、本来のものを食べてないからじゃないだろうか。「俺、きゅうりが嫌い、生臭くって」「刺身が食べられない」君、実はそれは、本来のものじゃなくて水っぽい、洗練のないにせものを食べてるからじゃないかな。料理にしても君の食べているスパゲッティは、本物のスパゲッティかどうか怪しいものである。

 

何でもかんでも嫌いと言い切るには慎重さが必要だ。それが本来のものなのかどうか判らないからだ。そしてそれは勿論人間にも当てはまる原則なのである。

 

ほんまに全然違う!

深い瞳

 

今日は午後の外来が終わってから緩和ケアの勉強会に行く。

 

緩和ケアとは生命を脅かす疾患による問題に直面している患者とその家族に対して、疾患の早期より痛み、身体的問題、心理社会的問題、魂の問題に関してきちんとした評価を行い、それが障害とならないように予防したり対処したりすることで生活、生命の質を改善するためのアプローチであります。実際的には末期がんの方の在宅診療において痛みのコントロールなどをどのようにしていくかというのが僕のような開業医にとって問題となる。

 

講師の池永先生は淀川キリスト教病院のホスピス長で、緩和ケアの日本を代表する第1人者である。先生とは今まで何回か講演で顔を合わしたことがあり、患者さんもお世話になっていることもあり僕が司会をすることになった。

 

講演される前に15分ほどお話をする。非常に温和な方です。でも以前もブログで書いたことがあるのだが、眼の光の中に深淵を覗いた方の深さ、暗さがあるのである。ごく僅かだが今日もやはりそれを感じた。アーメン。

 

講義は非常に有意義であった。病診連携も目的のクローズドな会で、市内の開業医が10人ばかり参加したのだが、なにか熱気みたいなものはやや希薄な気がする。主催した製薬会社の方も言っていたのだが、案外緩和医療に興味を示すドクターは少ない。僕はこれぞ開業医の真骨頂を示せる機会だと思うのだが。

 

会の後、一緒に製薬会社の記念館を見せていただいたりで、池永先生とはなんとなく親しくなった気がした。これからいろいろ勉強させていただこうと思う。僕の瞳も少しは深さが増すであろうか。

 

会場へ向かう車から。黄昏は厳粛で緩和モードに。