午後の診察は淡々と7時過ぎに終わり、窓から見える夕方の空は切ないくらい美しい。ピンクの雲と青い空が宗教画のようだ。清少納言の枕草子は「夏は夜」としぶくきめてるが、清光院長の「外来ウォッチ!」では「夏は夕暮れ」となる。
この時間、そよ風に吹かれていると思い出す曲はユーミンの「夕涼み」である。二人で洗車をしながらホースからの水を真上に吹き上げて虹を作る・・・おお、夢のような時間、楽しい日々である。確かそういう時もあったような無かったような。
ユーミンのベストアルバムにはぜーーったい入らないが、切なくなるくらい好きな曲がある。僕の場合は「夕涼み」「丘の上の光」「私を忘れる頃」(各々が収録されているアルバム名をあげよ!)がベストスリーだな。どの曲も僕を美しい清らかな酸素があふれている時間、場所に連れて行ってくれるのである。あーあ。
「丘の上の光」は初夏の夕焼け雲が流れている草原(八ヶ岳かな)に、「私を忘れる頃」は真冬の凍えるような、夜景が小さく震えているような山頂(どこだ?イメージはLAの天文台だな)にテレポートさせてくれる。別に何か出来事があってそのBGMだったというのではなく、歌詞からイメージが強く喚起されるのである。大したものだよ。
つらい状態にいても楽しい思い出の記憶があれば耐えられる、と言ったのは村上龍氏だが、思い出を持ったような気にさせてくれる曲を沢山持っていることもきっとパワーになるはずだ。そのためにも沢山音楽を聴こーぜ。