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あっかんべーの健診

今日は校医をしている中学校の健診に行きました。

 

毎年春にあるのですが、結構人数が多い。各学年6クラスあるので2日に分けて僕の休診日を利用してやるのである。くー、つらい。

 

今日は3年生と1年生。この健診というやつ、自意識がとても出てくる中2くらいから女子をするのがとてもやりにくくなってくる。割と礼儀正しいいい子ちゃんが多い学校なので今まで何の問題も無かったのですが、昨年位から絶対いやだという女子が出始めました。聴診するのに下着を取るのがいやであると。

 

この問題は結構大変で、セクハラで訴えられた校医さんがいたり、服の上からでも聴診ができる聴診着(音伝導率がいいらしい)が売り出されたりしています。健診の時はそれに着替えるというわけですが、購入した学校があるのでしょうか?

 

下着は取らないように工夫して、さっさとクールに済ませました。

 

赴任して4年目の女性の校長先生とお話。彼女の努力で余り荒れもせず、いい状態が保たれているのですが、まあどこの世界も大変でござる。高齢化の話になり、僕は断言しました。

 

「お年を召したとき、大事なのは金でなく体力、気力です。財布にお金が一杯あっても歩けなかったら幸福じゃないでしょう。株に投資するんじゃなく、自分に投資しましょう。今元気でも心身の健康に気をつけていたら、何もしないより10年後大きく違ってきます。」本当です。

 

面白かったこと。保健の先生が診察の前に、「眼をあっかんベーのようにして、それから舌を出して、それから聴診されます」と僕のすることを1年生に説明されたのですが、僕の前に座った生徒のほぼ4分の1が、座るなり僕に向かってあっかんべー!をしたこと。

 

いろいろあるけど楽しいです。

 

一日雨だった。

 

 

 

 

裸と制服

僕は大阪府警交通機動隊の産業医をしています。もう9年目ですが月に1度出務して、健康相談というかメンタルも含め隊員の皆様の健康管理のお手伝いをしとるわけです。

 

最近はありませんが、以前は白バイに乗った若い隊員が、ドッドッドッとバイクの音を響かせて颯爽とクリニックに登場、用事を済ませて帰られることがありました。で、白バイ隊員というのがですね、若くてでかくてハンサムで、そしてあのブルーの制服を着用して来られるので、これがなかなかカッコいい。以前勤められていた女性が自称制服フェチで、白バイ隊員が来ると猫にマタタビ状態でした。うるさい、うるさい。

 

制服というか、ある職業や状態に付き物のスタイルというのはなかなか魅力的と思われます。医者も看護師さんも白衣やナースウェアだとすごく素敵なのですが、私服で会うとお互いありゃ?ということもよくある話だ(まあ僕は知らんけど)。スキー場でカッコいい彼も、町で会うと誰かしら、というのも常識であります。

 

数ある制服の中でも白眉は軍服と思われます。しかもできれば士官以上でしょうか。そういう軍服スタイルでカッコいいと思われなかったら、もう男として失格であります。何かしら規律の厳しい自己犠牲の強い感じの正義の職場、そういうオーラを纏うと、本当の中身はヘロヘロでもそういうのは完全に消されてしまうのですね。

 

だが、やはり我々は中身で勝負しようではないか。服のオーラに頼ってはいけない。風呂場でまる裸で出会った時も、相手にむむっと思わせるだけの気迫を漂わせるべきであります。

 

まっ、僕が白衣を着ないのはそういう理由な訳だけどね。ウソだけど。

 

制服フェチの方はここへ

プリシジョン・スタジオにて

先日土曜日の午後に、クリニック1階のプリシジョン・スタジオで第1回の健康体操教室が開かれました。プリシジョン・スタジオではパワーリハビリテーションだけでなく、いろいろなやり方で皆さんの心身の健康をパワーアップしようとバラエティのある催しを計画しています。今日はその第1弾。

 

パワーリハ隊長である「ポジティブ・ライフ」君の先輩で体育大学出身の魅力的な女性インストラクターをお招きして1時間、ストレッチを中心にいろいろな要素を入れてエクセサイズをおこないました。最初ということで定員は10人にしぼらさせていただいたのですが、すぐ満員になり、後から申し込まれた方にはご迷惑をおかけしました。今のところ月に2回の予定ですがもう少し増えると思います。また懲りずに是非ご参加の申し込みを。お待ちしています。

 

参加された方の平均年齢は70歳以上でしたが皆さん熱心で、とてもいい雰囲気でした。動かしているようでも全身の中で使っている筋肉と使っていない筋肉との差は大きく、そのアンバランスが姿勢や歩行状態を悪くします。パワーリハもそうですが、全身の筋肉を満遍なく動かすことは、しんどい筋トレをすることよりもはるかに有効なことが多いのです。

 

ヨガで使うアンビエント・ミュージックが流れる中、陽の差し込むスタジオでエクセサイズされている皆さんの背中からは快適なオーラが漂っていました。こういったことの繰り返しがスタジオにもオーラをつけることになるのだろうなと思いました。

 

新しくボクセサイズもプログラムに考えています。新しいプランの広報はホームページや、外来、鍼灸、パワーリハ室に置いてあるパンフレットなどで行いますので、皆さん注意しておいてくださいね。乞うご期待です。

 

皆さん、グッドです。

老舗フェロモン

今日はゴルフに行ったのですが(日は射すも寒い、風強い、スコアはガチャガチャだー)帰りの車の中で年若い友人とレストランについて喋ったのが一番ホットでございました。

 

彼も僕も気に入っていたレストランに彼が久し振りに行ったところ、いつも満員だったレストランが土曜日の夜にもかかわらずガラガラで、ワインに力を入れていたはずなのにワインリストも全然ない。サーブしてくれるウエイターの方もプロ!という感じだったのですが、どう見ても何の知識もないバイトの女の子に変わっている。料理も当然かなり落ちている。解せず、がっかりした気持ちで帰っていろいろ調べたところ、オーナーと経営方針があわず、有力なスタッフがみんな辞めた故。

 

ちょうど僕も偶然同じような経験をしたところだったのである。

 

「でもね、電話番号も名前も全然変わってないんですよ、そういうのひどい」

「ひどいなー。しかしよくある話だ。なんでそうなるかね」

「ほんとにね。評判になるともっと儲けようと思って詰まらないところをケチる。熱心なスタッフが嫌気がさす。すると客足が落ちる。儲けが出ないのでまたケチる。スタッフ辞める。店つぶれる。といったところじゃないですか。」

「うーむ、儲けた金を何で投資しようと思わないかね。そう考えると老舗というのは本当にすごいな。何年も一緒じゃなく必ず時流にあったマイナーチェンジをしてるからな。そうしないと残れない。」

「そうですね、なんでもっともっとよくしようと思わないで、安易に行っちゃうんですかねー」

 

わからない。いろいろ事情もあるのだろうが、高水準を維持し続けるというのはレストランに限らずかなり難しいことである。

 

そしてそこにあるのは優秀なスタッフの存在である。素晴らしい組織には必ず複数の、やる気のある優秀なスタッフが揃っている、その複数の存在が合わさってかもし出すムードがその組織のフェロモンなっているのである。そしてそのフェロモンは、利益だけを第1に考えていては絶対に精製されないのである。

 

当院も53年目である。頑張りたい。

循環器学会総会

今日は朝もはよから大阪の国際会議場で開かれている第73回循環器学会総会に行って来ました。開業医は診察を休んで学会に行くというのは難しいので、最近はその便宜を図り休日や日曜日を必ず含んで開かれることが多いです。専門医になったばあい学会参加が義務付けられているので、そこらへんも加味されているのであろう。

 

国際会議場は自宅から車で30分という便利なところにあり、早めに行って駐車場に入れられるかな、ちょっと無理かな、なんて考えて初日開場きっかり位に着くようにしたのですが、会場に近づくにつれ不穏な雰囲気が。

 

医者は100m先からでも医者を見分けられる、というのは医者の間では常識なのですが、会場周辺にどうも医者の数が多い。

 

会議場に近づくと「!?」。1kmくらい続く人の列が国際会議場を曲がり、リーガロイヤルホテルを越して梅田方面に続いています。「ここが最後尾」と書いたプラカードをもったお兄ちゃんが立っています。車を何とか止め、これが学会の入場受付する人の列であることを確認して並びました。

 

なんてことでしょう!医者になって30年、今まで学会にどれだけ行ったか覚えていませんがこんなことは初めてです。こんなに勉強が好きな人が多かったのでしょうか?周りでは「発表時間の近い人はどうなんねやろね?」という声があり、それに呼応するかのように「発表時間の迫っている先生はお知らせください!」とスタッフの声が。まるで飛行機の搭乗待ちのようです。

 

ごった返す会場に入り、久し振りにアカデミックな発表を聞くと学会はいいなーと思いますが、今日の手順の悪さは問題じゃの。こういう学会を仕切るのはコンベンション専門の会社が一切請負うのですが、僕は学会参加により循環器専門医の研修単位15単位を取得したけど、君たちは100単位マイナスね。

 

 

  Too many people !

好きだったのに

今日外来に、僕が禁酒を勧めた患者さんが来た。彼は高血圧、脂肪肝、痛風と、アルコールが原因の疾病を複数持っており、投薬とともに一番大事なのはアルコール量を減らすことだという僕の意見に「あっ、僕もちょうどそうしようと思っていたんです」とあっけなく同意したのであった。

 

しかし彼はなかなか立派であった。すっぱりとアルコールをやめ3ヶ月、すこぶる体調良く、血液学的数値も大きく好転している。

 

「いやー、やめてよかったなぁ。メチャクチャ体調いいですもん。特に、朝ね、朝。前はね、なんとなくドローンとしていたんですよ。今はね、ぱっちり、シャキーン、ですもん。いやー、よかった。先生のおかげです。」

 

そーお。

 

いやー、これは僕が2年ほど前に感じたことである。毎日数十年にわたって続けてきた晩酌というかナイトキャップというか、アルコールの定期的摂取をやめて僕が感じた一番印象的なことは、なんか高校生のときのような朝だな、という目覚めの感じであった。すっきり爽やか。30年以上も前に逆行したのである。まっ、朝だけだけどね。

 

最近では禁煙した人がタバコの煙を疎ましく感じるように、アルコールにかすかな嫌悪感さえ感じるようになった。ビールをはじめとするアルコール飲料諸君、スマン!裏切り者と言わないでね。長い間の付き合いだったじゃない、少しは嫌いになったりすることもあるよ。また付き合い始めたりする可能性も無きにしも非ず。もともと嫌いじゃないんだから。

 

しかし溺愛はしそうもない。そういう運命だったんだと考えよう。世界保健機構によると、世界の平均寿命を縮めている3大要因は高血圧、喫煙、飲酒である。酒は百薬の長、でもそれは11合までである。そこで止められなければすっぱり止めよう。高校生の朝はなかなか悪くないぞ。

 

もう忘れましょ。

 

 

 

 

楽しむには頭を使わなくっちゃダメだよ。

正月休みも今日で終わり、明日から仕事始めであるが朝8時から予定が入っている。お昼休みにも入っている。おぉ、ビジネス ゴーズオン アズ ユージョアルです。でも仕事があることを感謝しなくっちゃね。休みが楽しいのも仕事の日があるからです。

 

以前から僕にとって仕事も遊びも等価であると言ってましたが、此の頃本当にリアルにそう感じます。もうできるだけ分けないように、仕事にも遊びの楽しさを、遊びにも仕事の生真面目さを、ミックスしちゃいましょう。オンとオフなんて勝手に分かれてきます。エンジョイ エブリミニッツ。人生は短い、つまらない時間は出来るだけ作らないように、頭を使って(これが必要! 思うだけでは出来ない。自分にトリックをかけなくちゃダメでござる)いきたいです。

 

では諸君、成功を祈る。

 

暮れなずむ正月の街にグッバイ!

ポップな外来、重い外来

今日は仕事納めであった。外来は今日でおしまい(介護セクションは明日まで)で、例年最終日は程よい混み方で大体定刻ちょっとすぎに終わる。

 

ところがぎっちょん、今年はインフルエンザが流行の上昇カーブ中(後はノロとかロタとかウイルス性の冬季下痢嘔吐症が大爆発、水痘もローカルでかなり多い)というせいもあったのか、今季一番の大混みとなり、午前診が終わったのが2時半で、そこから前から予定していたインスリンの勉強会があり、おしっこをしたらもう午後診が始まった。

 

で感じたのだが、全然疲れないのであった。これは何故か?

 

前にも書いたのだが、肉体的疲労より精神的疲労の方がずーとこたえる。僕が外来で感じるのは主に精神的な疲れであって、今日のように数は多いが感染症が主体の場合、注意は患者さんの身体のコンディションのみに向いていればいいのであって、とても楽なのである。

 

患者さんのメンタルな部分が訴えの中心であった場合、しかもご本人がそれを理解していないで身体的な愁訴となって表れている場合はクリアーな解決を示すことが難しく、精神的な接近戦となりかなり消耗する。元気なときは対応も明るくできるが、疲れてくるとこちらが欝になりそうです。

 

医者は一度被害者意識を持つと限りなくそれが拡大してくる職業であるとある精神科の先生が書いていたが、これは本当に至言であります。なんとかそれを逆転しなければならない。

 

でも思うのだが、内科医、開業医の本領はそのメンタルなドロドロと向かい合うことではないか。それの解決が見えたとき、まさに医者の本懐ではないかなと思います。来年はそこを楽しめるようになるように、プロの対処が出来るようになること。それはその患者さんを愛してないと(一般的な意味でね)出来ないと思うのですが、愛に満ちた内科医になることが目標かなぁ。

 

今日のように3分程度のキャチーなメロディのポップソングが詰まったアルバムのような外来も楽しいですが、重厚、陰鬱な旋律が立ち込めるクラッシックな外来を魅力的なものにしていきたいと思ってます。

 

ちょっと同時通訳

メールは生活において当たり前のアイテムだが、僕の年代では必ずしも一般的と断言できず、せっかくメールしても「あっ、俺メール開けるの週1度だから」なんて奴が平気でいる。しかし新しいアイテムというのは一般化しているものほど有用であるというのは自明の理で、できるだけ使い慣れておくべきだろう。

 

今日僕の外来に、日本語が片言しか喋れないインド人男性と、ほとんど全く喋れないと言っていい中国人の男の人が連れ立ってやってきた。インド君は2年前に一度会社の人に連れられて来たことがあり、それで来たと思われるが、あまり日本語上達してないぞ、2年もいるのに。今回の患者さんである中国君の通訳役のようであるがまるで埒があかない。

 

「うーむ、漢字を書いたら通じるかな」と僕が思っていると、中国君は「ちょ、まて。友達日本語喋れる」と思いのほか正確なイントネーションで言って携帯電話を取り出した。ぴっぴっぴっ・・・「?????」「??????」「?????」と喋って僕に差し出す。

 

「あー、せんせい。私喋れる。」とちょっとびっくるする大きな声で女性の声が聞こえた。音量が上げてあって電話から離れて話しても聞こえるようになっている。

「今日はどこが調子が悪いんですか?」と僕が言う。

「???????」と電話が中国君に言う。「???????」と中国君。

「せんせ、咳が出て、痰が止まりません」と電話から聞こえる。

 

このようにして会話が成立し、レントゲンまで取って診察は終了した。

携帯電話の非常に有効な使用例である。

考えてみると、この方法は世界中どこに行っても、その時間その国の言葉を喋れる友人を確保していれば使える方法なのである。

 

新しいツールは世界を広げる。

何でも好奇心旺盛じゃなくっちゃいけません。

 

 

何でも喋れた方がいいな

サニー・デイ・サービス

今日は日曜であるが、当院の認知症対応型デイサービスである「サニー・デイ・サービス」の家族会があった。利用者さんのご家族に集まっていただいて、皆さんの困られていることやご質問などを受けたり、また日頃のデイサービスでのご様子などをビデオで見たいただいたり、新しい取り組みの報告などをさせていただいた。

 

2時間あまり、だれることなく、とてもいい雰囲気で会が運営できたと思う。僕は単に座っていただけでスタッフが用意から進行まですべてやってくれたのだが、よく考えて準備したなというのがわかって感銘を受けた。

 

ご家族も日頃人に言えないような悩み、ご苦労を抱えられていると思うのだが、暗くなく名前どおりサニーな感じで認知症というものを受け止められておられるようで頭が下がった。あのようなご家族に支えられておられるのは、ご本人さんに取って幸福なことである。

 

お天気は小雨交じりであったが、気持ちはサニーデイであった。みんな、有難う。