月別アーカイブ: 2007年5月

禅ライフ

 「禅ゴルフ」(すごいタイトルだなー)という本を読んでいます。実は2回目で、遥か彼方に読んだときは経験不足もありあまり理解していなかった気がしますが、なんとなく引っかかるので本棚に残っていました(この春に書籍の大量処分をした)。

 今読むとすごく心に入ってきます。ゴルフだろ、と言うなかれ。著者はジョセフ・ペアレントというアメリカの心理学者でチベット・シャンバラの教義と仏教のスペシャリスト。PGAのトレーナーでもあり、1番弟子がビー・ジェイ・シン(すげー!)だそうです。やってみるとわかりますが、ゴルフはメンタル・コントロールできないと上達しない。自信、安心があればミスショットしない。不安、自己不信が破滅を招く。普段のあなたの生活と同じ。著者自身も言っています、この本は人生にもあてはめることが出来るのだと。

 その中で「イメージ」の重要性を述べている章があります。「イメージ」は「視覚化」ではありません。そこには触覚や聴覚、嗅覚も含まれる。いかにありありと現実に近く想像するかということです。意図したイメージをはっきり心に描けば身体はそれをなぞるように実現しようとする。ロングパットの時、入るわけないと思って打って入るわけがない。ボールが動く軌道を想像しホールに吸い込まれるイメージが出来たらそれを信じて確信して打つこと。こう構えるべきとか、マニュアルのように言葉で考えても身体は硬くなるだけでスムースに動きません。

 最近PETで脳の活動を調べると、身体でイメージした部位に対応した脳の領域が実際に血流量が増えると報告されています。あなたが身体を動かさないでも思い切り右手を握り締めたイメージを描くと脳の右手の運動野が活動するのです。実際に動かしているのと同じように。

 サイモントン療法というのがあります。放射線腫瘍専門医のカール・サイモントン博士により開発された癌のイメージ療法です。同じ重症度、同じ治療でも患者さんにより回復度が違う。どうもそれは患者さんの病気に対する態度、精神的な受け止め方に左右されているようであると気づいた博士は、リンパ球が癌細胞を攻撃するというイメージの訓練をすることにより癌細胞が退縮する場合があるという信じられないような結果を得ます。それを発展させて癌のみならず多くの病気にイメージ療法が適応され効果を上げています。

 イメージすることで実際にそれが実現する可能性がある。これは目標を定めよということかもしれません。目標がなければ何も実現しない、しようがない。目標がリアルに想像できればできるだけ実現の可能性が増す。精神が、そして身体がその方向に動いていくのです。

 患者さん、特に高齢の方を診ていて感じることは、とにかく不安の強い方が多いということです。杞憂としか思えないことを一日中考えておられ、その結果体調不良に陥る。ますます不安になるという悪循環に陥っている方が多いようです。バッド・イメージの典型です。大事なことは自分自身に対していいイメージを持つこと。望ましい生活のイメージを抱くことが実生活の改善につながるのです。高齢であるということは生活を変化させるのに遅いというわけではありません。禅ゴルフではなく禅ライフ。瞑想できればいいですがそうでなくてもいいイメージを持つ時間を作ること。まずこれから始めたら体調も変わっていくと僕も信じています。信じるものは救われる。鰯の頭も信心から。これらも同じことを言っているように思います。あきらめず、まず良くしていこうというポジティブな気持ち、目標を持つこと。成功を祈る。(おお、なんか今日は教祖みたいだ!)

ポイント制!?

 せっかくの土曜日の午後をつぶして某製薬会社主催の勉強会に出たのですが、あまりのつまらなさにもったいないことしたー、こんなことなら打ちっぱなしに行きゃよかったよ、ブツブツ、と言いながら(これは製薬会社の方に宛てて書いてるんだよー、やりゃいいってもんじゃないって)夕刊を見ると「介護保険料・ポイント制」と1面にでっかい活字が。

 ポイント制?65歳以上を対象として介護関連のボランティアをするとそれがポイントに換算され、保険料の支払いや将来自分が使用する際の介護保険自己負担分として使用できるとのこと。

 うーん、なかなかいいアイデアじゃありませんかね。外来の患者さんを見ても、リタイアされて時間をもてあましておられる方が結構多い。そのような方が介護に触れるいい機会となるのではなかろうか。どのような仕事を何ポイントにするか、1ポイントはどれくらいに換算されるのか、興味深いところであります。実際にこの制度を始めるかどうかは各市町村の判断にゆだねるとのことです。

 今まで本当にボランティアとしてやってこられた方の気持ちがちょっと気になる。また事故の場合とかね。実際に始めるためには結構煮詰める必要があるでしょう。介護保険料が払えない方は労働で払うとかいう事にもなるんでしょうか?自己負担分が払えない方は家族が肩代わりとか。まさかね。

 優秀な(本当に)我が城東区のお役所の方々の対応に注目です。

.jpg
グッドな制度になればいいですね

ビッグ・マン

 今日酒井医療の加藤毅社長が東京から来院されました。パワーリハビリテーション研究会会長の竹内先生とともに、パワーリハの創設者の一人と言っていいでしょう。西ドイツ・コンパス社製の機器を導入販売され、パワーリハは酒井医療の存在無しではここまで普及しなかったと思います。

 僕はそんなに多くの社長に会ったわけではないですが、ある程度の規模以上の会社を維持されてる社長(特に6,70歳台)には共通点があります。①第一印象がポジティブで若い ②話の趣旨が明瞭でわかりやすい ③発音も明瞭(そしてやや声がでかい) ④眼を見て話す ⑤単なる気のいいだけのおっちゃんという感じは絶対しない(当たり前か)。

 加藤社長もまさしくそんな感じ。パワーリハ創設当時の珍しい話やあんな有名な方も使用されて効果を上げているというちょっと内緒の話などいろいろ聞かせていただき、診察が始まるので切り上げるのが本当に残念でした。

 加藤社長はデカイです。巨漢。おそらく185cm位かと想像するのですが、ちょっと立たれたところは2mあるんじゃないという迫力で、これはやはり内面から来るものであろうと思います。またお会いできる時を楽しみにしております。

agoooo.jpg
アンチ・エイジングできてますね!

 

トラブル・サーフィン

 いやー仕事が始まりました。「雨の日と月曜日は憂鬱なのよー♪」なんて歌ってる暇ありません。問題山積。デイサービスの朝礼で「仕事はトラブルが当たり前。順調な仕事は娯楽でして仕事とは言いません。仕事とはコールセンターのようなもの。心構えとしてトラブル・イズ・ウエルカム、3度の飯よりもめ事が好き、というくらいになってね」なんぞとスタッフにお話したのですが、いやー、言うは易し行うは難しであります。

 でも、そんな事言っていても仕方ないもんねー。実行あるのみ。この地球の上で限られた時間、遊ばせていただいてるようなもんですから、うっとおしい顔はせず楽しく片付けていきましょう。10年、100年経てばすべてはどうってことない、どんなお話も半分腰を振りながら聞きましょう、まじめな顔しないで。今日はその最近お気に入りのポリシーがちょっと発揮できなかったが、まあ帰る頃にはパワーリハをやっていつもと同じようになってました。明日は完全復調でしょう。

 うっとおしい時は何はともあれ身体を動かす。何かが変わるのは確か。やってみてみ。朝礼で言ったことは守らなくっちゃね。

.jpg
原曲はポール・ウィリアムスだっけ

降っても晴れても

 いやー、降りやがりましたねー。1日中雨。でも連休最後には落ち着いてふさわしいかもしれんね。

 今日は散髪に行き、仕事開始にふさわしく戦闘モードにチェンジ。自衛隊入隊カットで明日からいきたいと思います。この散髪屋とはもう20年以上の付き合いで、最初小さい店だったのが、今はでかいのを2軒フルに動かしいつも盛業です。経営者は僕より10歳ほど若いですが、やってもらっている時大概互いの仕事の話をしています。

 彼は引退なんか考えない、やっぱり仕事しかないと思っている人です。仕事を拡大していく上で何が一番気になるかというと、スタッフやみんなのために僕自身がいつまで健康でいられるかということだという話をすると「でも地域に貢献して人のために頑張って仕事してるんだから神様が生かしてくれますよ。絶対」と言ってくれました。抗加齢医学を勉強している1つの理由はそのためだもんな。

 帰って、愛犬の散歩。小降りが途中で大嵐に。その写真をアップしておきます(撮ってる場合じゃない位でしたが)。雨も嵐もどんな時でも楽しむことは出来る。仕事も一緒。明日からやるぞー。

070506_1545~0001.jpg
走る雨具を着た小さな牛、いやダルメシアン

時をかける少女

 いやー、休みっていいなぁー。僕は映画が大好きなのですが、最近はDVDを借りても、なんと!時間がなくて断腸の思いで観ないで返却したりというバカなことをやっていたのです。連休は心置きなく鑑賞できて大変嬉しい。

 今日は「時をかける少女」のDVDを観ました。といっても原田知世のやつじゃなく、去年公開されたアニメーションです。全国で6館だけでしか公開されなかった(なんで?)のですが、日本アカデミー賞やカタロニア国際映画祭のアニメーション部門で賞を取っています。昔原田知世のやつは観た記憶があるのですがストーリーは全然違う。詳しくいうとあの映画の知世ちゃんはおばさんとして登場してきます。現在が舞台です。

 これがなー、ほんとにいい。泣ける・・・・。割と信頼すべき筋からいいよって話は聞いていたのですが、いやー、心が洗われます。実は昨日も見て2回目なのですが(少しストーリーに気になるところがあって確認した)、よけい泣けた。SFだけど現代高校生のいい、ひねりの効いたラブストーリーです。

 タイムリープで何度も近い過去へ遡ることになるのですが、やはり今、1っ回こっきりだから素晴らしい、大切にしようねと思わせます。僕はアニメはあまり好みじゃないのですが(人間の表情が1番素晴らしいと思うから)いや、好き嫌いはいけません。

51t9cCzp5VL._AA240_
主役3人の声がとてもいい

 

年とったらねー、肉ですよ!

 今日朝刊を見ていると本の広告があって「脳によく効く栄養学:ボケたくなければ肉を食え」というのが目に入った。どっかで聞いたような台詞だと思ったら、僕がPearlsに昔書いたタイトル「ボケたくなけりゃ肉を食え!」じゃあーりませんか。高田明和先生という、ボケないためにどうすればいいかという内容の本をよく書かれている方の最新刊です。

 別に独創的なタイトルでもなし、少し高齢者の問題を勉強するとすぐ浮かんでくる台詞とも言える。在宅や施設の高齢者の一番の問題はエネルギー・蛋白質低栄養状態:protein energy malnutrition;PEM であります。アルブミン3.5g以下を基準とすることが多いが、75歳以上だと療養中の3割から4割がPEMにあたるといわれています。

 コレステロールを下げろ、食べ過ぎるな等々の台詞はメタボリック症候群が問題の中年層においては確かですが、高齢になるとコレステロールはある程度高いほうが寿命が長い、癌、欝も少ないというのは統計的に出ています。栄養状態良好なほうが成人病を生き延びて高齢に達した方にはいいのですね。Pearlsも読んで下さい。

 人間何があっても食べている間は大丈夫、というのは多くの医者が持っている実感です。もうしんどくてしんどくて、と嘆く中年のおばさんに「食欲はどうですか?」ときくと「いや、これだけはしっかり」と答える方が多く、「さようなら」と思わず言いそうになるのですが(ウソです、ちゃんと病気がないか調べます)、ご高齢でも食欲があり、美味しいものに意欲がある方は全体的にバイタリティが旺盛です。

 とりあえず中年の皆さん、運動して食べ過ぎないで体重を維持し、なんとか老年期まで生き延びましょう。そうすれば何でもお好きなものを食べられますって。お楽しみは後にね。

00008050_c_2731401.jpg
読んだ人は内容を教えてちょんまげ

 

身体に訊け!

 おお、今日もいい天気だ。今日は十分睡眠を堪能してから①心拍数120の有酸素運動 ②ストレッチ ③耳かきに似た棒を振り回す ④犬に引きずられる などの運動をトタール3時間程度おこない、その後シャワー、サウナ、初夏のそよ風に吹かれるなどで仕上げをした。極楽。

 ここで大事なことは運動は無理しない程度で止めるということだ。僕は以前は、運動はともかくハードを持ってよし、というタイプであったのだが、怪我が起こりやすい、しんどくて続かない、効果は気楽にやるのと比べてあまり変わらない、ということが最近わかってきた。鼻歌交じりで出来る程度をある程度の時間、継続して行うということが非常に大事なのである。

 このような運動は本当に身体が喜んでいるというのが意識できるくらい気持ちがいい。ああーと伸びをすると気持ちがいいでしょう?あの感じが続く。体の中の邪悪なものが消えていく感じです。この感じが得られるかどうかがポイントです。

 この頃僕はアルコールを本当に飲まなくなったし(味は好きなんだけど酔うのがうっとおしい)、シャンプーは経皮毒の可能性があるので石鹸を使って頭を洗ってるし(ずっと使ってるとごわごわしなくなる)、小学生のようである。精神年齢(自称12歳)に生活レベルがあってきた。それとともに身体の感覚が鋭敏になってきた感じがする。誤解かもしれないがそう感じるからいいじゃん。頭で考えるより身体に訊け!そのほうが確かです。

CA6QKDQQ.jpg
メタボリック症候群も決め手は運動。やるべし!

 

真夏の夜のジャズ

 昨日もお昼は夏だったですねー。ついなつかしのDVDを見てしまいました。「真夏の夜のジャズ」です。1958年のニューポート・ジャズフェスティバルと、同時に開催されたヨットのアメリカズ・カップのドキュメント。僕は3歳ですね。30年以上経ってニューポートを訪れたのですが、雰囲気はあまり変わってなかったような気がします。

 このフィルムはともかくお洒落です。DVD評は必ずお洒落、かっこいいというのしか書いてないですが、まあ、それしか言えん。ミュージシャンは勿論ですが、というより図抜けて観客がかっこいい。もーすごい!です。アメリカ人ってこんなに垢抜けてたっけ。アメリカっぽくなくヨーロッパの匂いがします。なんというか若いアメリカというのは本当に初々しい青年の雰囲気がしますね。甘酸っぱく若草の匂いです。みんなのどこかに触れてくる、柔らかい部分をついてくる、胸きゅんの雰囲気。

 ミュージシャンは映っている人よりももっといい人が沢山出ていたのですが、なんというか音楽的なものより他の何かが優先されたのでしょう。でもこの映画はドキュメントで、参加している聴衆の、街の映画と思います。ジャズとヨット、フェスティバルの雰囲気が主役です。

 実にクラッシックですが、完全に時代を超えています。真にかっこいいものは時代を超える。オールディズ・バット・ゴールディズ。上品で本物。見習いたい、是非。目指せ、クラシック。

51QM33J85NL._AA240_
ぜひ見るべし!