カテゴリー別アーカイブ: 日記

日曜日

 東日本大震災に関しては言うべき言葉がない。阪神大震災を経験していると本当に人ごととは思えない。テレビを見ていると本当に悲しい気持ちになる。亡くなった方々にご冥福を、行方が分からない方々には生存されていることを、生き延びた方々には何とか復興の勇気を、心よりお祈りいたします。

世界中から寄せられているPray for Japan の1枚。

 

 しかし日曜日は第13回在宅医学会があり、ワークショップの発表者として朝早くから千里のライフサイエンスセンターに行ってきた。「食べる」をテーマとして僕以外4人の演者とともに在宅における栄養管理、嚥下などの問題を、今やっていること、提言など盛り込んで話し合う。

 僕は抗加齢医学の一環として運動の重要性を前から強調してきたのだが、次のテーマとして栄養がすごく大切なテーマと考えている。在宅で栄養不良の方、嚥下困難な方をチームを組んでどのようにマネージメントしていくか、そのシステム構築に関して自分の意見を述べる。何人かの方と新しく知り合い、これからの展望も見えてくる。

 学会自体、震災の影響があり、関東方面から来られない演者がかなりおられたようである。演題キャンセルが目立つ。しかし参加された方は熱心でその分頑張ろうという気概も感じられ気持ちのいい学会であった。

 

 学会から帰ってきて愛犬と散歩する。平和だ。うららかな春の空気が恨めしい。震災で亡くなった犬もすごく多いんだろうと思う。 合掌。

福島慶道管長

 臨済宗東福寺派管長、福島慶道さんが3月1日、78歳で亡くなった。

 この禅宗のトップの方と僕がどういう関係にあるか?

 福島管長は晩年パーキンソン病で苦しんでおられたのだが、パワーリハビリテーションをされるようになってかなりの改善を得られたのである。僕がパワーリハビリテーションのことで取材を受けた時、読売テレビのデレクターの吉田さんにそのお話をしたところ大変興味を持たれ取材をされたのです。夕方の番組、ニューススクランブルで放送されたのだが、マシンを操作されている姿(東福寺にはパワーリハビリテーションのマシンが設置されていた)、「他の方にも効くかはわからないが、私には確かに有効です」と力強く話されている姿に僕はすごく勇気づけられたのである。

 そしてその年のパワーリハビリテーション学術大会に、なんと福原管長は体験談を話しに神戸の会場に現れたのである。その時の会場のざわめき、引き締まった空気、そしてかなり不自由な体で、時には助手の方の力を借りながらも訥々とお話をされたその御姿を今でもよく覚えている。

 僕はその時初めて、後光射す人間を見たのだった。

 僕は全く宗教とは縁のない人間である。しかし本当に、福島管長が会場を出て行かれる時の、なんというか思わず祈りたくなる気分は不自然ではなかった。

 心よりご冥福をお祈りします。

禅を教えに毎年アメリカにも行かれていた。

シンクロニシティ(ひさびさの)

 昨晩、昔の友人の夢を見た。

 ここ1年ほど会ってない。時々メールはするが、また飯を食いに行こうと言いながら実現までいたってない、よくあるといえばよくあるケースの友人ではあるが、実は僕に与えた影響はかなり大きい人である。

 ふっと眼が覚めて、夢かーと思い、久しく会ってないなと思い、これでメールでも来たらシンクロニシティというのねと思いながらまた寝た。

 朝枕元のアイフォンを見たら(昨日変えたのです)、なんと本人からメールが来ていた。しかも最近アイフォンに変えたので苦労するぜ!と書いてある。偶然?

 統計学者によると、僕たちがシンクロニシティと感じる出来事は、ほとんどが統計上説明できる範囲内だそうである。科学的でなく因果関係はない・・・ということだけどねー、不思議な感覚である。考えてみれば同じような体験をしている人が結構多いのだから確率論的に起こりえる話。印象的だからよけいに関係ない他の多くの出来事から浮き上がって見えるだけか。

 こういったことに意味付けするかどうかは本人の性格によるなぁ。僕はせっかく思い出すチャンスがあったんだから近いうちに会って話そうと思うけど、深い意味付けを信じるかといわれると、正直、?です。どうなんでしょう。

ドクター・ユング。この人が言い出しました。

 

 

土曜と日曜

 今日は愛犬ララの誕生日です。パチパチ。10歳、早いもんだ。人間にすると56歳、僕とほほ同じです。最近おしっこを時々漏らしたり、オイオイと思っていたのですがまだまだ若いじゃん。

 老け込むのは早すぎるぜ!

 

 昨日は診療が終わってから済生会中津病院の病診連携勉強会に行った。

 かってのボスであり、今も精神的ボスであるグレート川嶋先生が院長をされているので、実際中津病院に患者さんがお世話になる機会はそれほどないのだがお顔を拝見しがてら出かけたのである。看護師さんや事務の方の対応が丁寧で優しいのに感銘を受ける。会も参加者のみなさんなかなか積極的で、普段城東区でしている会と肌触りが違う。気のせいか。川嶋先生はお元気そうでいつも通り若々しい。昨晩は東京でご友人と飲まれて二日酔い気味とのことであったが全くそんな感じせず。

 その後、3月にどういうわけかパネラーになっている第13回在宅医学会大阪大会の打ち合わせに出かける。

 パネラー同士の初顔合わせで座長の提案により会食をすることになったのです。テーマは「食べる」。以前ナニワNSTの会で話したことがあったのだが、その内容を話してくださいと要望があったのだ。開業医がいかに「食べる」ということ、在宅の患者さんの栄養やNSTと遠い存在であるか、またこれからどうしていけばいいのかという提案をしたのだが、その時以来あまり進展していないなぁーと思いながら待ち合わせ場所へ。

             約束の場所まで梅田を歩く。新しくできた丸善ージュンク堂でバカ買いする。

 歯科衛生士Kさん、STのTさん、訪問看護師のTさん、訪問歯科医のO先生がメンバーで、座長の歯科医K先生が朴訥な感じで、しかしポイントを抑えた進行で友好的に推移する。問題と思っている点はみんな同じ、実行可能な解決策を提示できれば大成功。皆さん頭のクリアーな方ばっかりで、これからの展開が楽しみとなる。会だけでなく、これからの診療でも一緒に仕事ができればいいなと思う。こういうふうに思えることはあまりない。機会を与えてくださったK先生に感謝。

 

緊急特集

 先週はなにやってたんだっけ…

 とりあえず仕事は忙しく、帰って飯食って風呂入って寝るというシンプルなオッサンの生活だった。ほとんどない自由時間は、早急に迫っている総合内科専門医の更新期限に間に合わすべく、足らない単位を補うために内科学会の生涯学習DVDを消化する。

 1日かかって講義される内容を詰めたDVDを3枚分、つまり3日分だがそれをいかに効率よく理解するか、巻末のテストで60点を切ると単位がいただけないため悪知恵を絞る。なかなかいい方法を見つけたのだがみんなやってるか、こんなこと。

 

 で今日の休みは運転免許の更新に行った。しかしなんで更新しなくちゃならないのだろうか?

 免停とか住所の変更があったとか変えるべき単元があれば必要だが何もなかったら新しくする必要ないんじゃない?法規の講習のため?そのために結構な時間を取られるのはどう考えてもおかしい。きっと金儲けと天下りが・・・などと考える。以前来たとき交通安全協会に強制的に入らそうとするのでこれはおかしいと思ったら同じようなことを考えている人が結構多いのがネットを見て判った。そのためか今は全く任意になっていてあまり入っている人がいない。

 

 帰りに知り合いが入院しているのでお見舞いに行く。その前に本屋さんにちらっと寄るとブルータスの特集が「緊急特集:桑田佳祐」だった!ブラボー。

 約束の時間まで熟読する。彼の、世界で最も好きなアルバムがマッカートニーの「ラム」と知り泣く・・・。一緒だ・・・(僕は世界で1番じゃないけどベスト5には入る)。僕の大好きなジャズミュージシャンの菊池成孔氏がすごく好意的で驚く。どう考えたって聴いたことなさそうなのにさ。

 「そう、だから桑田さんがいないと、「国レベル」でやばいですよ。この国情が不安定なときにね(笑)。この国には、桑田さんがいるということで持ちこたえている人がいっぱいいますからね。」

 その通りです。他の方のご意見も。

 「そこでわかったこと。やっぱりこのおっさん、日本にいなくちゃ困るじゃん。」

 「総理大臣の代わりはいても、桑田佳祐の代わりはいない」

 

 そう思うよなぁ。僕が引退するまで是非続けてほしい。勝手だけど。

 

 

On a clear day

 この2日間は散々であった。

 原因不明の胃痛、下痢に襲われたのである。まぁ多分ノロウイルスであろう。インフルエンザと並んで今の外来でも大変多い。でも今までなんともなかったからなぁー、今さらであるが、ともかく午後の診察中に胃の不快感が極度に達し、正直途中棄権しそうであった。

 しかしなんとか耐えしのぎ、その晩から完全絶食とし(ひどい下痢も始まっていた)朝の外来を始める。僕はあまり不調が表面に出ないのであるが、その日も声は張りがあるし、顔もちょっと頬が削げて精悍そうである。しかし実はまいってたのよ。(外来チーフのO嬢に「ストレスのせいに違いない」と言うと「何のストレスですか?」と心底不思議そうな顔をした。俺はなんだ!?)

 外来があんなにつらいものとは思わなかった。自制心がないと務まらないが、体が不調だと気力がなくなり忍耐がなくなりネガティブになる。健康であってこそできると当たり前のことを深く認識する。

 午後は生まれて2度目の点滴をして、内服薬も効いてきてやや元気になってきた。1日の完全絶食後食べる晩飯に驚嘆。ハングリー・イズ・ア・ベスト・ソース。然り。

 この2日は8時間近く寝た。考えてみるとここ数年、2日続けてこんなに寝たことなかったんじゃなかろうか。ゴージャスな気分。で、今朝であるが、完全復調どころかリバウンドで全く疲れを感じないのである。軽いのである。世界が明るく考えが恐ろしく前向きである。脳内セロトニンを測定したらおそらく振り切れるに違いない。「晴れた日には永遠が見える On a clear day, you can see forever」という映画が昔あったが、永遠を垣間見たようなグッド・フィーリングのまま1日が終わる。

 いい気分である。で思ったこと:

 ①1日くらいの絶食は胃腸を休めるのにいい。これからも時々日曜日位白湯だけで過ごそうと思う。 

 ②病み上がりのグッドフィーリングは、どんな状態でもその境地に達することが可能な精神状態だと思う。どうすれば普段でもこの境地に達せられるか考えてみよう(睡眠時間?)。

 ③でもつまりは体調が整っていなければダメなのだ。軽率だからもっと用心深くすること。アランというフランスの哲学者は精神的落ち込みはすべて体調のせいと考えよといっているが(違ったかな?)リーズナブルな思想である。

 で、明日から土日の2日間「臨床医のためのクリニカルリサーチの仕方」のセミナーに出るため京大に行ってきます。2日前は申し込んだのを後悔してたんだが今は楽しみ。勝手なもんだ。体調は恐ろしいぜ。

患者さんの突然の嘔吐に備え机の下に備えてある膿盆

(僕のためではない)

世界征服は可能か?

 おお、もう2月じゃないか!愕然とする。

 1月はやたら忙しかった。外来もそうだが、週替わりにやるべきことが魔法のように出現する(保健センターでの講義とか在宅医学会の抄録とか、考えてみれば前もって準備できることなんだ。でも忘れていたり、締め切りが急に早まったり)。週末も全部新年会でつぶれたし(こいつも考えてみれば行かなきゃいいんだが)。

 忙しい、忙しいと言ってるやつが仕事ができたためしがない。カッコ悪いからやめよう。

 で読むべき文献をわきに置き、読みたい本をせっせと読む。岡田斗司夫氏の「世界征服は可能か?」を読む。こいつは面白い。子供化の一部のようにも見えるが、これは組織論として勧めている人がいたので読んだのです。世界を征服する目的、手順などまじめに(でもないか)述べられているが、何のために世界を征服するかとか、征服後の統治が問題とか、結構考えさせられる。

 で、この本のキモは最後の10ページ、結論の部分。世界とは何か?この我々が生きる世界とは「現状の価値観や秩序の基準」のことである。そしてそれは「自由主義経済」と「情報の自由化」である。この二つには暗黒面がある。「貧富の差の肯定」「個人から信念や価値観や考える力を奪い社会風潮やネット内の流行で生きることを当たり前とする文化」。

 それを破壊することが世界征服なのだ。人にやさしく環境にやさしく。良識と教養ある世界をめざすこと .現在の「幸福」と「平和」にノーを言うこと。世界征服は可能です。

 ということになる。発想、視点の転換ですね。岡田氏の本は2,3冊読んでいるがいつも面白い。彼が終始一貫主張していることは、我々が持っている価値観は洗脳されたものではないか、ちゃんと自分自身の頭で真剣にしっかり考えよう、ということだと思う。

 今の生活を続けながら世界征服を夢見よう。時間に流されないように。

 心するように(もちろん自分に言ってる)。

 

2時間くらいで読めます。

 

土曜日

 昨日の土曜日は城東区医師会の新年会に行ってきた。毎年行ってるけどなにか年々勢いがおとなしめになってるような。世相を反映してるような。気のせいかな。

 僕は8年間医師会の理事をさせていただいて、とても僕の能力では継続は無理と思ってやめさせていただいた。ほとんどボランティアで大変な仕事を片付けていく。めっちゃ優秀な理事の先生方の大変さはよくわかる。で、こんな勝手な僕が言うのはなんですが、新しい、new、novoな医師会が必要なのでは。理事の先生方はすでによくお考えだとは思いますが。

 帰りにジュンク堂によって雑誌を買った。Brutusのバックナンバー3冊。久しぶりだなぁ、Brutus買うの。創刊当時から数年間、1冊も残らず買っていた。当時もっとも原稿料の高い雑誌だけのことはあって内容もデラックスで、新鮮な世界を教えてくれた。明らかに僕の一部を形成してくれた雑誌。一時全く見なかったが、最近は快調な印象。

 「本」の特集。2011年、世の中を考える175冊。ものすごく面白かった。内容濃し。数時間熱中して読んでいた。雑誌の活字量って新書とかより多い?北極圏の永久凍土の地下にある「種子銀行」の話や、自己啓発本に対する記事(知識でなく高揚感を提供するから。つまりサプリメントだ)など、最近読んだ本、雑誌の中では出色でした。こういう号があるからやめられないなぁ、雑誌は。

 話が前後するが雑誌を買った後はクリニックに戻って会議に出たのだった。常勤スタッフが集まっての月1度のミーティング。介護領域の今ある問題点を話し合う。I君のパワーポイントを使っての前向きな提案。結論は出なかったが今後の変化を予感させる実のある会議だったと思う。皆さん、お疲れ様でした。有意義な1日であった。

これね。

 

New Year

 明けましておめでとうございます。

 

 おそい!キャー、もう7日よ!

 どういうわけか珍しく仕事始めからやたら忙しい。例年年初はスローなのだが、今年は年末みたいなラッシュである。訳がわからぬ。しかし僕のような凡庸な医者にもかかろうかと思う方がいるというだけでも幸せと思え!努力せよ!と、おしっこに行く時間もないが感謝する。

 お昼もどういうわけか来客や用事が多い。僕の生命線である午睡をする時間も勿論ない。で、夜9時半頃に帰ってきて飯を食い風呂に入ると、そのまま浴槽で居眠りをしてしまう。あぶねぇ、あぶねぇ。

 で、ブログを書く時間も気力もなかったのだが回復してきました。

 今年はいつになくガッツが入っている。何にって、仕事ですよ、仕事。で、それだけじゃなくいろんなことにフルフォースでいこうと力がみなぎっている。こういうことは近年無かったので嬉しいです。なんというか説明しにくいですが、いろいろなピースが収まりのいいところに落ち着いたのでやっと準備OKという感じ。

 今年もよろしくお願い申し上げます。Wow !

朝焼け

今年も仕事納めの日となった。

 

朝はいつもより1時間早く出勤する。朝焼けである。BGMはマイルス・デイビスの「Four and More」、個人的には最強のライブ・ジャズアルバム。ノッてくる。

そして12月は診察室でずっとキース・ジャレットの「ジャスミン」が廻り続けた。ロックンロールよりやはりこっちの年齢でしょうか。

 

いつものように診察がすすむ。皆さん、「よいお年を」と暮れのご挨拶で出ていかれた。

 

来るべき新年は?

具体的なプランはともあれ、攻撃、攻撃、また攻撃である。スピードである。受け身、防御はまだまだ先。とーぜんだよな。

 

それでは皆様、お身体に気をつけて。よいお年を。