カテゴリー別アーカイブ: 日記

年末進行

 年末進行である。眼が霞むほど忙しい。

 朝8時過ぎに着いてメールチェックと来客のための用意をしているともう予防接種の時間。9時前からスタートし1時過ぎまで外来。終了後即往診。終わってすぐ校医をしているS中学へ健康相談をしにいく。3時前に切り上げ本部に帰ると読売テレビのYプロデューサーと打ち合わせ。今度30年続いているという朝の番組「テレビドクター」というのに出演する事になったのである。2月に収録であるがそれまでに少しづつプチ整形をしなきゃな。

 昼飯は診察の合間におにぎりを食った。4時前まで打ち合わせがあり、そのまま外来。終わったのは8時前でそのまま本部に行って事務仕事を片付け、本部を出たのは9時前であった。13時間フルタイム操業である。コンプリート、パーフェクトに休み時間なし。隙間なし。

 50のおっさんがそのまま頓死するにはちょうどいい、臨界点寸前のスケジュールである。と言いながらも実はあんまり疲れてない。抜くとこは抜いてんのかなぁ、無意識に。年の功か。

 もう一つ臨界点に達しそうなのはインフルエンザ。今日2人発生で、感じとしてはもうすぐ大ブレイク?

偶然の来訪者

 医者の交友範囲は狭い。ほとんどが同業者で、僕のゴルフのパートナーを考えても、医療関係でないのは高校の同級生達や友人の友人といったわずかの人たちである。医療関係者の中でもMR(メディカル・リプレゼンタティブMedical Representativeの頭文字をとったもので、医薬品メーカーの医薬情報担当者)の人たちとは仕事上接する機会が多く、付き合いが単なる仕事を越えて深くなるケースがある。

 大学病院時代、仲がよかったMRさんたちが偉くなって時々訪ねてくれることがある。同級生に会うがごとく、空白の時間は一気に短縮され、つい昨日別れたような感じにしかならない。

 今日、ある高名な先生の講演を僕が企画していて、仲のいいMRさんの同僚(担当地域はまったく別)が担当だというので二人して診療所に来てくれた。なんとなく見たことのある顔だな・・・「先生、覚えておられますか?」「・・・おお、思い出した!やあやあ久しぶり!」彼は開業して2年目くらいの頃に僕を担当していた人で、九州に転勤になり音信が途絶えていた。その後製薬会社を変わり最近大阪に戻ったそうである。

 彼は絵が好きで、どこから聞いたのか僕も絵が好きというのを知っていて、絵のオークションに誘ってくれた。伝手をたどり、画商の方が主として参加する大規模なオークションに出る絵を競り落としましょうというわけだ。画廊で買ったりするより遥かに(びっくりするくらい)安いのである。

 オークションに出る時間はなく、事前に展示されている絵を二人で見に行った。気に入った絵が少しあったので、手ごろな値段でなら購入できると上限を彼と決め、オークション当日は彼が競り落とすことになった。

 後で知ったのだが、彼も実際にオークションに出るのは初めてだったそうである。しかしちゃんと驚くくらい手ごろな値段で手に入れてくれた。その絵は今も僕の手元にあり、荒んだ気持ちを慰めてくれる。

 彼は全く偶然で今日ここに来たのである。ひとしきり昔話をした後、「先生、一度飲みに行きましょうね」と彼はニコニコしながら言ってくれた。突然の来訪者である。しかしこのようなことがあるから何とか毎日やっていけるのだ。
 

Do It Yourself

 昨日は診療所の忘年会でした。幹事のI君のお友達がやっているという、ちょい若向きのバー・アンド・レストランというかただの事務室を雰囲気残したまま改装して、適当にあるいすをチョコチョコと置いてという感じの-ラフですけどこんな感じは僕は好きです-というところで貸切でした。

 最近アルコールに欲望は全く無くなり、お茶でも平気という情け無い状態ですが、車で移動できるので便利ではある。スタッフは2次会に行きましたが、僕は大人しく帰路に着きました。大学病院時代は上の先生が帰られるのをお見送りしてから2次会、3次会へと繰り出したものですが、まあ時代は変わる。

 忘年会の前、事故報告があがりました。デイサービスの送迎車を駐車場に入れる時に、当院の別の送迎車と接触し、フロントグリルがゆがんでしまったとの事。業者の方にみてもらったところ機能的には全く問題なく外観の問題だけなのですが、交換するなら結構費用がかかるかも、ということでした。とりあえず月曜日に見積もりをあげていただくよう指示したのですが、忘年会に出かけようと本部を出るとスタッフの男の子たちが4人集まって車の前でゴソゴソやっている。

 日本を代表する大企業のT自動車に勤めていたM君がその知識を発揮して「これは直るで。こうしょう。」とボンネットを開けて工夫していました。なんとかこのまま業者に出さないでもいけそうな感じでした。引越しが院内で続いていますが、自分のものでないと結構簡単にすぐ捨てちゃうんだなーと少し年代のずれを感じることが多かった今日この頃、業者に出してしまえば簡単なのに暗く寒い中、ちゃんと考えて作業してくれた君たちに本当に感謝します。ありがとよ!

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作業する男達はかっこいい!

ラウド・マイノリティ

 雨である。12月の雨だ。荒井由美の切なくも甘酸っぱい雨でなく、暗く冷たい火曜日の、往診の日の雨である。在宅診療で自転車で出かける日に限って雨が多いのはどうしてかな?誰か僕のこと嫌いなんでしょうか?あほなことを考えておらず出かけよう。

 独居の老人は必ずテレビを見ている。暗い部屋で、身じろぎもせずテレビを見ている。間違いなく認知症への高速フリーウェイであるが、見ないで下さいとは言えない。診察し、しばらくお話し(とても良くなっていますよ、風邪は引かないで下さいね…)、帰ろうとすると「先生が覗いてくれるから心強いですわ」と、じっと顔を見てかすれた声で言われる。表に出ると雨が小降りになり、少し明るくなったようだ(ここらへん、べただなぁ)。

 内科医は季節労働者で冬になると患者さんがぐっと増える。1日が終わり、家に帰り飯を食い、風呂に入るともうほとんどミッドナイトである。自分の時間はほとんどなく、1時間ほど取れる時間は職場で出来なかった書類仕事をすることになる(ケアマネージャーの皆さん、意見書全部書きました。えっへん、ざまーみろ。ご迷惑かけました。すでに手遅れだって?)。

 こういう日陰者の生活はもういやっ、私!というわけで今日は風呂に昔のStudio Voiceの特集「伝説の名盤300選」を持って1時間以上読む。なんでZepが「聖なる館」だ、何でストーンズが「アフターマス」だ、何でジョン・レノンが「Sometime in New York City」なわけよ、と悪態をつくが、これは客観評価はほとんど定まっているから、それと違う俺様の主観を自慢する特集なのだと気がつき、それからは楽しんで読む。

 僕もどちらかいうとメジャーよりもマイナーを愛するものである。でもラウド・マイノリティでありたいな。騒々しい少数派。クールだ。

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実は雨の日が好き

ラブっすよ!

 夏木マリという人がいます。なかなか物のわかった人(あったことないから単に感じだけど)だと思いますが、彼女が「愛を優先順位の1位にしたい。これからは愛に生きたい」とおっしゃってるのを週刊誌で読みました(と言ってもチラッとだけど)。

 素晴らしーい。美しい。彼女は最近ご結婚されたので、そのことから出てくる言葉だと思いますが、「愛に生きる」というのは絶対正解ではないかなっと。この場合僕の言ってる愛は必ずしも男女間のものとは限らず、大きく人間間やそれ以外の生物との間にも存在するもの、すべきもので、それを最優先するのは一番正しい態度と思います。

 何で急にそんなことを?何故君が?と疑問をお持ちの貴兄には「Pearls」を読んでくれーというしかない。めんどくさいし。

 実際それ以外何があろうか…と愛に生きる戦士は思うのであった(まあ明日になればまた変わってるかもしれんが)。

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All you need is love

暗くなっても遊び続けろ!

 犬の散歩に行く。夕空が広がっている。美しい。「パチリ」と携帯で撮影する。近くの高校でテニス部の学生がボールを追っている。だんだん日が暮れて、もうボールが見えないくらいになっている。しかし彼らは続けている。

 ふと思う。僕も夕方暗くなって、ボールや他の何か、遊び道具や友達の顔が見えなくなっても面白すぎて止められないで続けていたことがあったけな。いつごろまでだろう。高校、いや大学でもやってたような気がするな。何をしていたのだろう。

 「暗くなっても遊び続けろ!」というタイトルの本があったっけ。今暗くなっても止められないような遊びを知ってるかな?

 そんな遊びを持ってたら、これってとても素晴らしいことだな。精神の新鮮さだけがそんな遊びを見つけられる。今考えても思い浮かばない。まずい・・・

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夕方は精神のバランスが揺らぐのだ

立つ髪

 いつもの散髪屋に行く。長いなぁ、もう通いだして20年だ。規模もどんどん大きくなり、スタッフも沢山いるがいつもご主人がやってくれる(と言っても僕よりかなり年下)。

 「年末で忙しいでしょうから今日は気を入れた髪形にしましょう。このね、てっぺんから気がぐっと入ってくるのです・・・」だそうです。毛が立っている。丸刈りだった中学生以来の短さである。すっきりしてよろしい。

 髪型はかなり印象を変える。美容整形をされた方がコンプレックスが消えて性格が変わると言う話はよくあるが、同じような効果は髪型にもあるはずである。僕はどのようにカットしても結局一緒、という感じの髪なのですが、これは違うかな。なんというか気分的にリ・スタートという感じがちょうどあり、なじみの散髪屋さんがこれを勧めてくれたのも縁なのかもしれない。停滞はいけない、変化は総てよし!

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オーラ、立ってませんか?

hip swing

 「僕は一人でいるときも、誰かと話しているときも、少しだけ腰を振っている。すると、なんだか深刻になれないんだ」・・・誰だ?こんなふざけたこと言ってんの?

 これは僕が読んだコーチングの本に出てきた言葉で、滅入りがちな人々のための言葉だ。とても気に入っている。書道家に書いていただいて掛け軸にして飾っておきたいくらいだ。

 深刻な顔をして向かわなければならない事柄というのは皆無じゃないがそんなに多くは無い。でも腰を振っていると怒られそうな感じはする。なぜかな?

 僕より高齢な医者はいかめしく、すぐ怒りそうなイメージだったらしい。僕とは縁が無い。僕の見ている患者さんたちは、多くが高血圧や糖尿病などの生活習慣病である。深刻な顔をして必死で立ち向かうタイプの病気ではない。付き合う気持ちで、むしろストレスフリーで楽しく治療していく方がうまくいく。そう思いだしてから、患者さんに冗談を言うことが多くなった。友達である。結果としてうまくいっているのがわかる。自分でも外来をしていて最近疲れなくなったのはなぜかなと思っていたのだが、これが理由だったのだと気づいた。

 いつでも腰を振っていていいんですか?そんな場合じゃない時もあるでしょう!という声は必ず出る。平気だよー。何時でも僕は振ってやる。人生はそんなものだよと僕は思う。

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説明なし

 

予演会

 今度の土曜日に介護予防の研究会があるのですが、当院からパワーリハビリテーションについて発表できませんかと2ヶ月ほど前に依頼がありました。もちOK!というわけで担当の「ポジティブライフ」君が発表することになりました。この前の実務者研修会が終わってから頑張って準備をしてくれ、今夜最終的な予演会(発表の最終リハーサルね)をしました。

 「ポジティブライフ」君はとてもナイスガイですが、特にお酒が入るとやたら愉快に暴走するいいタイプです。実務者研修会後の打ち上げでもその物怖じしない性格が他の施設の方々から圧倒的な好感を得ていました。ところがぎっちょん、予演会ではあがるあがる。語り口も詰まりがちで、「てにおは」もやたら妙になったりして。

 それを見ていると病院勤務時代を思い出しました。考えてみると何回位予演会をやっただろう。18年間、100回はいってないか・・・というくらいのレベルです。最初は何を言ってるか自分でもよく判らなかったなぁと思えば「ポジティブライフ」君はかなりいい線いってるよなぁと思います。慣れだよ、慣れ。頑張れ!

 と判ってますが、口から出るのは「もうちょっと言いたいこと整理しようや」とか「レイアウトまずいな」。まあこれも僕の仕事だよ。いずれうまくなるのは確実なプレゼンテーションでした。土曜日が楽しみ。

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最後はちょっとお疲れね。

 

デジカメを持って

 風邪がはやってきた。単純な四則計算のように、寒くなると風邪の患者さんが増えてくる。夜診も終わるのが遅くなる。今までは診察が終わると何もしたくなくなるくらい疲れていたのだが、最近はそうでもない。体力がついたというより省エネというか、疲労度(これは肉体的なものでなく精神的なもの)が増さないように自分をうまくコントロールできるようになったからだと思う。技術の進歩といーうよりもー、直球勝負の投手が変化球軟投型に変わらざるを得なかったのでしょうね、きっと。時の流れです。

 で、終わってからもしばらく法人本部でシコシコ仕事をする。遅くまで仕事をしていたスタッフが「お先に」とか「お疲れ様です」とか言って帰っていく。一人になり、区切りがついたので帰り支度をする。電気を消し、部屋に鍵をかけ、階段を下りて電気を消し、廊下に出ると突き当たりにアロマルームがあり、前にデコレーションが飾ってある。祭壇のように見える。

 この本部も来年は引っ越す予定である。なんとなく祭壇を残しておこうと携帯で撮る。僕は記録写真というのをほとんど撮らないし、またあまり見直したこともない。しかし今していること、やってきたことというのは、素直な気持ちで見直すべきだし、そのために記録として残しておこうという考えが突然舞い降りる。
 
 これからデジカメを持って歩こう。

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まっ、これは練習。