本を1冊読了。「奇跡の林檎」・・・一部では結構有名な本で9版となっている。NHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」で無農薬の林檎を作り出した木村明則氏の放送が大変評判になり、このまま消えてしまうのはあまりにも惜しいということで本となった。
数時間で読めてしまうが、僕に取って非常に示唆に富む本となった。
彼の人間業とは思えない努力・・・なんせ30年もかかっているのだ、しかもその間の自己、家族の犠牲はすごい・・・人間バカになってひとつのことをやり続ければ必ず実るというのがテーマの一つではあるのだがもっと多くの内容を含む。
僕に取って大変印象に残ったのは、自然はそれ自体でバランスを取っており、害虫、病気が出たら農薬、じゃなく、本来の元気があればそれを防ぐことが出来る、その本来の活力をどのように取り戻すというのがキモであったというところである。
これは人間相手の僕の診療にもつながることである。僕は内科医であり薬を出すことがメインの仕事であることは間違いないのだが、時々この人はここまで飲まなくてもいいんじゃないかと思う患者さんにあうことがある。薬を極力減らすが症状の増悪が見られることはあまりない。
化学製品である薬じゃなくて自然のサプリ、そして規則正しく運動すること、食生活を改善すること、良い睡眠を取ること、禁煙など改善方法はいくらでもある。特にメンタルな領域を変えていくことが、林檎でいうと太く長い根っこを作ることになるんじゃないかと思う。
奇跡の林檎じゃなく奇跡の人間を作る手助けをすること、その方法について一杯アイデアが涌いてきた。僕に取って本当に有益な本だったのである。
本と関係ないけど今日の空。視界良好。