カテゴリー別アーカイブ: 仕事

昆虫標本

 今日は城東区保健センターで高齢者介護予防指導者養成講座の講師をする。テーマは「介護予防と生活習慣病」。例のメタボがらみのやつですね。持ち時間1時間ですがここら辺はしょっちゅう喋っている感じがするので少し前に作った資料をちらっと読み返して後はぶっつけ本番で行く。そのほうが面白い話が出来るのが自分で判っているのだ。清純な少年はこのようにすれっからしになっていく。

 後期高齢者はむしろ栄養状態が悪いことが問題とか、コレステロールは下げすぎると癌や欝が増えるとか、保健センターのご意向とは違う話をして質疑応答に移る。まあまあ盛り上がって、1番最後の質問は「先生の診療所はどこにあるのですか?」だった。自分ではアドリブが冴えず65点くらいだったのですが。

 こういった講義、講演はミュージシャンのギグと同じで、観客の乗りにその出来が大いに左右される。昔学生に講義をするとき、レスポンスがいいと本当に楽しく講義が出来た。「あのさ、コンサートと同じだから先生を乗せる感じで質問してみ。どんどんいい話しを言ってくれるから」今でもポリクリの学生と話をするときはよく言っている。今日の人たちは健康によく気を使っていて勉強熱心だが、やや上品でおとなしい。

 講義が始まるまでの時間、保健センターの事務室で少し待っていた。ふと気がつくと目の前に昆虫採集の標本が飾ってあった。昔作ったな。懐かしい気持ちになる。それは冷房もなく、湿った風が吹き込んでくる殺風景な、学校の教室のような場所のせいか。まるで40年前のようだ。時間の流れ方もその頃と変わってないような気がするぞ、保健センター。これでいいのかな。まあいいか。

追伸:グッドウィルグループの折口会長の会見を見た。語るに落ちる。反省なんかしている訳がない。利用者もそうだが一生懸命働いているスタッフの人を知っているだけに、どんな気持ちでいるのかなぁと気になる。

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変装して講義する僕

糖尿病コーチング

 僕は城東区にある社会福祉法人「そうそうの杜」の嘱託医をしています。そのため障害者の方がよく来られるのですが、糖尿病の方がかなり多い。食事や運動療法が、身体的なことや理解の程度の問題などで難しく、なかなか治療は難しいかもしれないなと思っていました。

 しかし!実は「そうそうの杜」グループの治療成績はダントツにいい!いつもスタッフの方が一緒に来られるのですが、飴と鞭を使い分けるように励ましたり叱ったりしながら治療をうまくいくように努力されています。そして患者さんもかなり素直に従っておられます。当然血糖値はどんどん改善されていく。

 昨日は一時インスリンを1日60単位も使っていた方が、ついにインスリンを必要としなくなりました。膵臓のインスリン分泌能が回復してきたのです。「もう必要ないと思うよ」というとスタッフの方は患者さんと「やったー」と言いながら握手して、患者さんも僕と握手してくれました。素晴らしい。

 当院の糖尿病の患者さんの治療成績をみてみると、正確な統計ではなく印象ですが、3分の1はGood!3分の1はso so,3分の1はBad!です。糖尿病はご本人の病識、意欲、意志が無ければ医者が何を言ってもよくなりません。ご本人だけでは難しいケースでは、それを支えるコーチングが必要ではなかろうかと思います。「そうそうの杜」の場合はコーチングではありませんが、誰かが意志を支える、方向付けるのは欠かせないことだと彼らを見て思いました。

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ささえる

ドクターズ・ハイ

 いやー、今日はよく仕事した。ケアマネの皆さん大激怒の介護保険意見書をほぼ100%片付け(意見書がまだ出てないんで・・・と苦笑いした某区役所の担当お役人さんの机へ100万円入ってるような意見書の分厚い封筒をたたきつけてと…、いやこれは冗談、冗談。悪いのは僕であります)、訪問看護婦さん(泣)の指示書を全部書いて(本くらいの分厚さだ、なんぼ溜めてんねん!)、Pearlsを1ヶ月ぶりに更新してと。

 まだなんかあったかな、と考えたら抗加齢クリニックのパンフレットの仕事がありました。静岡の田中クリニックが保険診療を加えた抗加齢外来をされていて、うちの考えているやり方と近く、この前のセミナーでお会いしたとき色々お話を聞かせていただいたらパンフレットを参考に下さったのです。それを参考に使っていただいていいよ、なんならそのままでも、という位ほぼ内容的に完成されています。それをどのようにモディファイしていくか、やらなあかんかったなー。

 今事務長は東京にパワーリハの講習と抗加齢クリニックの見学に行っています。この4月から僕はパワーリハビリテーション研究会の大阪支部長になり、事務局が当法人内におかれることになりました。パワーリハは抗加齢医学に欠かせないと僕は考えています。いろいろなことがリンクして動き出している感じがします。抗加齢クリニックのモデルケースのような東京の恵比寿アンチエイジングクリニックの青木先生が事務長の訪問のことをブログに書かれていますがhttp://blog.livedoor.jp/drseye、僕も見学に行かなくてはならないところが山とあるなー。

 忙しいうちが花。ランナーズ・ハイのように文章を書きすぎるとライターズ・ハイになってどんどん書きたくなってくると内田樹先生が書かれていますが、ドクターズ・ハイまでいけたらいいな。

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こういうイメージね

 

ポイント制!?

 せっかくの土曜日の午後をつぶして某製薬会社主催の勉強会に出たのですが、あまりのつまらなさにもったいないことしたー、こんなことなら打ちっぱなしに行きゃよかったよ、ブツブツ、と言いながら(これは製薬会社の方に宛てて書いてるんだよー、やりゃいいってもんじゃないって)夕刊を見ると「介護保険料・ポイント制」と1面にでっかい活字が。

 ポイント制?65歳以上を対象として介護関連のボランティアをするとそれがポイントに換算され、保険料の支払いや将来自分が使用する際の介護保険自己負担分として使用できるとのこと。

 うーん、なかなかいいアイデアじゃありませんかね。外来の患者さんを見ても、リタイアされて時間をもてあましておられる方が結構多い。そのような方が介護に触れるいい機会となるのではなかろうか。どのような仕事を何ポイントにするか、1ポイントはどれくらいに換算されるのか、興味深いところであります。実際にこの制度を始めるかどうかは各市町村の判断にゆだねるとのことです。

 今まで本当にボランティアとしてやってこられた方の気持ちがちょっと気になる。また事故の場合とかね。実際に始めるためには結構煮詰める必要があるでしょう。介護保険料が払えない方は労働で払うとかいう事にもなるんでしょうか?自己負担分が払えない方は家族が肩代わりとか。まさかね。

 優秀な(本当に)我が城東区のお役所の方々の対応に注目です。

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グッドな制度になればいいですね

ビッグ・マン

 今日酒井医療の加藤毅社長が東京から来院されました。パワーリハビリテーション研究会会長の竹内先生とともに、パワーリハの創設者の一人と言っていいでしょう。西ドイツ・コンパス社製の機器を導入販売され、パワーリハは酒井医療の存在無しではここまで普及しなかったと思います。

 僕はそんなに多くの社長に会ったわけではないですが、ある程度の規模以上の会社を維持されてる社長(特に6,70歳台)には共通点があります。①第一印象がポジティブで若い ②話の趣旨が明瞭でわかりやすい ③発音も明瞭(そしてやや声がでかい) ④眼を見て話す ⑤単なる気のいいだけのおっちゃんという感じは絶対しない(当たり前か)。

 加藤社長もまさしくそんな感じ。パワーリハ創設当時の珍しい話やあんな有名な方も使用されて効果を上げているというちょっと内緒の話などいろいろ聞かせていただき、診察が始まるので切り上げるのが本当に残念でした。

 加藤社長はデカイです。巨漢。おそらく185cm位かと想像するのですが、ちょっと立たれたところは2mあるんじゃないという迫力で、これはやはり内面から来るものであろうと思います。またお会いできる時を楽しみにしております。

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アンチ・エイジングできてますね!

 

トラブル・サーフィン

 いやー仕事が始まりました。「雨の日と月曜日は憂鬱なのよー♪」なんて歌ってる暇ありません。問題山積。デイサービスの朝礼で「仕事はトラブルが当たり前。順調な仕事は娯楽でして仕事とは言いません。仕事とはコールセンターのようなもの。心構えとしてトラブル・イズ・ウエルカム、3度の飯よりもめ事が好き、というくらいになってね」なんぞとスタッフにお話したのですが、いやー、言うは易し行うは難しであります。

 でも、そんな事言っていても仕方ないもんねー。実行あるのみ。この地球の上で限られた時間、遊ばせていただいてるようなもんですから、うっとおしい顔はせず楽しく片付けていきましょう。10年、100年経てばすべてはどうってことない、どんなお話も半分腰を振りながら聞きましょう、まじめな顔しないで。今日はその最近お気に入りのポリシーがちょっと発揮できなかったが、まあ帰る頃にはパワーリハをやっていつもと同じようになってました。明日は完全復調でしょう。

 うっとおしい時は何はともあれ身体を動かす。何かが変わるのは確か。やってみてみ。朝礼で言ったことは守らなくっちゃね。

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原曲はポール・ウィリアムスだっけ

降っても晴れても

 いやー、降りやがりましたねー。1日中雨。でも連休最後には落ち着いてふさわしいかもしれんね。

 今日は散髪に行き、仕事開始にふさわしく戦闘モードにチェンジ。自衛隊入隊カットで明日からいきたいと思います。この散髪屋とはもう20年以上の付き合いで、最初小さい店だったのが、今はでかいのを2軒フルに動かしいつも盛業です。経営者は僕より10歳ほど若いですが、やってもらっている時大概互いの仕事の話をしています。

 彼は引退なんか考えない、やっぱり仕事しかないと思っている人です。仕事を拡大していく上で何が一番気になるかというと、スタッフやみんなのために僕自身がいつまで健康でいられるかということだという話をすると「でも地域に貢献して人のために頑張って仕事してるんだから神様が生かしてくれますよ。絶対」と言ってくれました。抗加齢医学を勉強している1つの理由はそのためだもんな。

 帰って、愛犬の散歩。小降りが途中で大嵐に。その写真をアップしておきます(撮ってる場合じゃない位でしたが)。雨も嵐もどんな時でも楽しむことは出来る。仕事も一緒。明日からやるぞー。

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走る雨具を着た小さな牛、いやダルメシアン

インタビュー

 昨日は某大手製薬会社が医療機関に配布している雑誌の取材を受けた。全国版でしかも30周年記念号です!だそうです。全国の特徴あるクリニックを紹介する、まあよくあるといやーある連載物の一環として登場することになった。

 こんなことをお訊きしますと事前に手紙が届き、ホームページをよく見て考えてるなと思う丁寧な質問内容だったので(「decency」というポリシーに至った経過などお教えください、とかあった)それなりに考えてお待ちする、と言いたいが往診がありギリチョンでヒイヒイ言いながら2時前に帰ってきたときに偶然玄関で会う。こういうのは大概女の人だなと漠然と考えていたのだが、来たのは毛髪量のかなり欠如したおっさんと、いかにも製薬会社ですという感じのセミおっさん、の二人組み・フロム・トーキョーであった。あっ、それといつもの担当の女性MR。

 欠如おっさんは雑誌制作会社の人で、ややポイントをはずしているが、セミおっさんがうまくフォローしていく。しかし当初の予定の質問はほとんど出ず、どういうわけかほとんどパワーリハビリテーションとオープン予定の抗加齢外来のことばかり話すことになる。MRの女の子はうちの法人のPC連絡網「サイボウズ」にいたく感銘を受けていたようである。なんのかんの言ってるうちに1時間半が過ぎ、あと撮影で、欠如おっさんが突然僕の顔を逆光にも構わずバチバチ撮って終わる。後は事務長(女性)に任す。

 また一時間半ほどかかったようで(主として撮影)、事務長は私も撮られましたとのこと。「ちょっと立ってくださいとか、座って下さいとかいわれて何枚か撮っていかれました」・・・?俺は面倒くさそうにおんなじポーズでバチバチバチとやられただけよ。おそらく僕の写真は欠席した卒業記念写真のように、端っこに場違いに小さく載るだけだろうと確信する。

 ちなみに7月発刊だそうです。

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インタビュー風景(ウソ)

 

天職

 医者は僕の天職である。ここ何年かの間にそう思えるようになった。40代の後半からかな。医者になって20年も経ってからだ。

 天職が見つからない、天職を探しているのです、という言葉を聞くことがある。「天職は探しても見つからないよ」と僕はある人に言われた。「天職は創るものです」

 今やっている仕事を好きになってやり続けること、そうすることでその仕事は天職となる。いやいややっていてはその姿を現さない。そしてやり続けること。

 何か納得いかない気がするかもしれない。でも、今自分の仕事を天職と思っている人のかなりの多くがそう感じているだろうと僕は確信できる。仕事というものの本質は、それをやり始める若い頃には判らない。捜しまわって「青い鳥」は身近にいることに気づく。

 あっている仕事なんて無い。自分を仕事にあわせなさい。好きな仕事なんて無い。やっている仕事を好きになりなさい。やり続けることで仕事はその姿を変えてくる。また変えていけるのである。そしてある時、これは自分の天職なのだと確信する時が来る。そのために僕は、私は、地球上に在るのだと。missionでありcallingなのだと。

 今日は仕事というのものに関して考える機会があり、こんな風に思っていたのだと自分で気がついたのです。

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転職じゃないよ!

戦闘モード

 今日は朝から勉強だー!認知症の方の増加に伴い「かかりつけ医認知症対応力向上研修」(すげえタイトル)が大阪府医師会で主催されて9時から5時まで行ってきました。250名程度参加され、理事の先生方が中心なので仕方ないといえば仕方ないですがご年配の方が多く、こういった研修会に行けばよく感じるのですがなんとなくダルイ。間の抜けた質問、独りよがりの意見(周りから耳に入る)、格好もダサい。

 開業するとき一番恐れていたのは、なんとなく第一線から退いて落ち着いてしまったような覇気の無い開業医になることでした。メジャーリーグから退いてシニアリーグでやってるよ、君たち若いねぇ、そういう時もあるよ。今は今で無理しないようにしなきゃな。

 これはいかん。僕がひそかに尊敬している他区で開業されている年上のK先生も来られていたのですが、いつもやる気のある先生だけあって椅子に座っていても毅然とした感じが漂っていました。内容は外に出る。ファイティング・スピリットは絶対に無くしてはいかーん、人生というリングにいる以上。

 僕はNoと言わない開業医を目指しています。「無理です」と努力もしないでいう奴が老いも若きも増えていますがプライドは無いのか、と言いたい。無理をやってこそ男の子じゃい!

 といって諸方面に御迷惑をかけているのも知っていますが、しばし待て。僕の好きな言葉「男子3日会わざるば括目して待つべし」を君にあげよう。男は3日会わなかったらどれだけ成長してるか判らないから油断すんなよ!ということです。ともかく、落ち着くな、出来上がるな、謙虚であれ、そして常に戦闘モードでいろ!
(なんか疲れたから寝ようと思っていたんだけど寝にくくなっちゃたな)

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自爆!(ありがち)