サファリパーク

 第40回日本薬剤師会学術大会に行ってきました。後発医薬品(ジェネリック医薬品)に関するシンポジウムがあり、僕は後発医薬品を現在使用している開業医ということで、知り合いの先生に頼まれてシンポジストとして参加してきたわけです。

 コマーシャルでいわれているように後発医薬品は先発品と全く同じで安いというわけではなく、剤形の問題とかで微妙に効き目が違う可能性があったり、副作用とかの情報提供が十分ではない、場合によれば薬局での情報提供料加算とかがついてかえって高くなるとか、色々考えなくてはならない問題がある。でもそんなことは表に出さないで安価ということだけを強調して使用を推進しよう、医療費が減ればそんなことはどうでもいいのという相変わらずな国の政策には大変問題があるわけで、医者としてそこらへんの話もし、基本的には後発医薬品をうまく使っていこう、薬剤師さんと協力して、といった結論です。

 一緒のシンポジストはみなさん薬剤師、聴衆もみんなそう(薬剤師の方はみんなまじめで会場のホテルも大混雑、シンポジウムのあった部屋も130%乗車率というくらい立ち見があふれていました)、ただ一人医者として参加するのはちょっと怖いものがありました。違う専門家が集まっている中で話しをするというのはサファリパークを丸腰で歩くみたいなもので、ぜったいライオンに噛まれるに違いない、怖いよーと思っていたのですが、皆さんの御協力で盛会のうちに問題なく終了しました。そうなるともうちょっと喋りたかったなと思ったり。

 実は30分前に事前の打ち合わせ会というか顔合わせ会のようなものがあったのですが、そこでの話のほうがずーと面白かったです。なんか本音と建前はやはり微妙に違うのね。大学の薬剤部長や薬剤師会の偉いさんが中心だったのですが皆さんなかなか濃い方ぞろいで、こういった発表ができるというのは、こういうオフレコの話を聞く機会が与えられるという利点が実は一番大きい気がします。

 まっ、いずれにしろこれからは何をするにもチーム医療が必要です。他業種が話し合う機会を持つこと(薬剤師さんもイヤーだと思いますがもう少し医者と仲良くしていただいて、と話したらウケた。嫌われてんのね)は介護保険で定められていますが、医療でも必須となって来るでしょうね。

wwwksmんjsjh.jpg
皆さん、まじめな感じ。実際はどうか知りませんが・・・

ペイン

 今日も朝から快調だった。ライフラインである30分の午睡も取れない日々がしばらく続くが前向き前向き。いい調子で外来に行き、診察の合間にメールチェックして今週発表する学会での内容に関し某教授にお尋ねした事へのお返事メール(好意的な内容であった)を読んでいる最中に左肩に激痛が。

 もともと僕の左肩と右股関節は昔スキーで痛めてから再三増悪している(この場所だからゴルフがうまくなるわけないじゃん)。開業して1年ぐらいしてからも左肩から肩甲骨にかけて異常に痛くなり、3ヶ月ほど整形外科に通った。最近でも時々鍼灸のお世話になっている。

 一ヶ月以上持続する慢性的な腰痛は90%近くが心因性、ストレスが主因と言われているのを知っているかな?レントゲン所見と自覚症状はほとんど相関しない。日本人に多い肩こり、付随する眩暈、頭痛も精神的なファクターがかんでいる。

 ストレスかな?うーん、と思いながら診察を続けるも痛みはますますひどくなり根気がなくなってくる。職業柄全く話し方も変化しないのが自分で分かるが集中できない。何とか午前診を済ますが昼の往診が5件あり、吐き気さえしてくる。最悪だ。

 痛み止めを飲む。筋肉が痙攣しているかのようである。1時間たっても全く効いてこない。最悪の気分で夕方の外来へ。診察している様子は全く変わらないであろう。職業というものは恐ろしいものである。合間にメールチェックする。

 高校時代の同級生から久しぶりにゴルフの誘いが来ていた。僕は昔のあだなで呼びかけられている。じーとその文字を見ていると懐かしい気持ちになり、左肩が暖かくなって、痛みが3分の1くらいに消えてしまった。

 痛み止めを飲んだ時、ある時簡がたってから、まさに掛け声がかかったみたいにスーと痛みが消えていった経験がある。今回もそれだったのだろう・・・かな?

hryhsgsjsfgsdg.jpg
痛みを救うものは?

 

 

解決法

 涼しくなりましたねー、朝の犬の散歩でその日のコンディションが決まる僕ですが、今朝は秋の美しい空気と陽射しにくるまれて頭が冴え、懸念だった問題がいくつかバチバチ解決した(主として学会や研究課題のこと、経営問題は依然ペンディング)。

 問題解決は必ずしも時間を必要としないが、常にそのことを考えている必要がある。「問題があるときはそれに糸をつけて、虫のように頭の周りをぐるぐる飛ばしておきなさい」というスペインの諺があると開高健氏が書いていたが、何かいつも気にかけているとあるとき突然解決する。

 「寝ている間に総ての問題は解決する」という説もあり(本もある)潜在意識に働きかけるということなのだが、それにも調子のいい時と悪い時があり、今日はビンゴ!の日だったようだ。

 朝の通勤の車でもいくつか考えが浮かぶ。朝の散歩、朝の通勤の車内、まれに夜の眠りにつく前、というのが僕のゴールデンタイムです。

 今月はこの調子で最後まで行こう(なにしろ今月、来月はかなり激しく忙しいことが確実だからだ)と思う。常に考えてるのでぶつかるかもしれないから気をつけるように。

POPOPOPOP.jpg
自然があると出やすい

パワーリハ・イン・ワカヤマ

 今日はパワーリハの勉強会に和歌山へ行く。勉強熱心だなー、いや、ちょっとね、なんか分からんけど成り行きで・・・。我がパワーリハ責任者の「ポジティブ・ライフ」君は朝9時半から、僕は実技はいいかというわけでお昼から出かける。

 和歌山だし電車も考えたのだが、目下のところ僕にとって最も負担の少ないのは愛車での移動なので(何時間運転しても疲れない)、霧雨の中、高速を走る。レンタルしてきたトミー・ゲレロのサーフミュージックはなかなかいいじゃん、だったのだがレイドバックしたインストが続いていると眠くなってきた。そこでこれも借りてきたビートルズの「ラバーソウル」をかける。「ラバーソウル」ですよ、みなさん。すげー、僕はこれを聴くのは多分10数年ぶりです。ビートルズがアーティスティックになっていったきっかけになったアルバム。すごくよく聴いたけど同じ頃の「リボルバー」とか「サージェントペパーズ」の方が好きだった、実は。なんとなくサウンドが馴染みにくかったのだ。

 ところが・・・ギャー!!すんばらしい!!これは完全に今のサウンドです。ロックは時代の音楽だから昔のものは色あせるのであるとか言っていた評論家がいたが、普遍性を持つものは持つのである。ちょっとフォーキーでペナペナ感のあるギター、これは完全に今で、最近デビューしたグループと言われても違和感がない。それがとてもチャーミングなメロディを奏でるのだから最強です。ヘビーローテーション決定。やっぱりすごいんだ、ビートルズと思っているうちに会場に着く。

 いつもお世話になっている酒井医療のM大阪所長さんが迎えてくださり講義をされていたK株式会社(デイサービスを全国で何十、何百かな、展開している)のK社長とお近づきになる。ビジネスで名をなした人特有の柔らか且つ鋭い雰囲気があるが、感心したのはパワーリハの実地のこともかなりご存知な点で、きくと各々の施設で4ヶ月に一度症例を持ち寄り社長や重役の前で検討会をするとの事。そこから選んだものをパワーリハの全国大会で発表するとの事であった。す、すばらしい。今度の神戸での総会でもお力になってくれるとの事で感謝。

 和歌山でパワーリハの伝道者となっておられる整形外科のT先生とお話しする。「私は何故パワーリハを選んだか」という講演をされる。60代かな、こういう功成り名を遂げた方が積極的にスライドを作り若い介護者に話しかけているのを見るとじんわりと感動する。トライアスロンをされていたそうで(今は水泳)豪快君な感じです。メル友になりましょうと言われて帰られる。僕と車種は違うがトゥーシーターのオープンカーだそうである。やるな。僕も70代でもオープンだけどね。

 というわけで日曜も終わる。仕事が山済みであるがまた何もせずに寝るに違いない。皆様、お疲れ様でした。

llllllllsdgfhyfkj.jpg
半分寝そうでした・・・

減少する20%

 今日の土曜日は午後3時から9時過ぎまで勉強会のはしごであった。出かける前は億劫な気もするが参加するとやはり面白い。ひとつの会は世話人だったのでそれなりに力も入っていたのだが、もうひとつはあんまり期待していなかった、じつは。でもそれなりに得るものあり。

 専門の先生の話を聞くことだけでなく、質疑応答で他人の考えていること、やっていることがわかるので世界が微々たるものでも広がる。参加しなかったら永遠に広がらない。決まりきったルーチンの世界を抜け出すこと、どれだけそれが出来るかで開業医の能力が決まるような気がする。

 とはいえ20%の法則というのがあって(人の名前がついていたけど忘れた)、どんな世界でも熱心でその世界に貢献できる人が20%、やる気がなくむしろ害毒をもたらす人が20%、残りの60%は流されているだけ、というもの。どんな組織でもほぼ当てはまる。医者の世界でも当てはまるのだが、最近その熱心な20%というのがだんだん減ってきているような気がするのだけど間違いだろうか。

 医療崩壊という言葉ももう聞きなれたが実はこれは本当にそうで、総ての元凶は法律で規定されているシステム、小泉元総理の改革?から始まったのだが、医者の疲弊はかなり深刻だと感じます。とは言いながらも俺は絶対くたばらないけどね。

2020202.jpg
関係ないか…

大阪糖尿病プラクティス

 第5回大阪糖尿病プラクティスという研究会で「運動不能者におけるパワーリハビリテーションの糖尿病改善効果について」という演題を発表してきました。主としてパラメディカルの方を対象に糖尿病療養士の資格認定に必要な単位取得も出来るので、今日も100名近くの人が夜の7時から10時前くらいまで勉強しました。演題は6題でパラメディカルの方が2題、後は医者の発表です。

 糖尿病専門の方がほとんどで、パワーリハビリに関してはご存じない方が多く、改善例の動画も公開したのですがかなり興味をもたれたようでよかった。僕の大学病院時代の同僚も一緒だったのですが「すげえなー」と感心していました。どこでやっているのですかとか後の懇親会で訪ねる方もおられ、認知度が増すお手伝いが出来てよかったかな。

 その同僚が言うには「お前じゃなくてやっている指導士の人が発表したらよかったんじゃない」。そのとおりです。今回は僕にご指名があったので仕方なかったのですが、こういった研究会は、もううちのスタッフがどんどん出て行って話すべきですね。今までパワーリハの全国大会では2回話してもらいましたが、もっと多くのいろいろな会に参加してどんどん主張すべきだと思います。パワーリハに限らず介護セクションの諸君、頼むよ!

aaaaaaa.jpg
やってみると結構面白いんだよ。

マーダーボール

 連休だー。この前の連休は抗加齢医学のセミナーだったので何も予定をいれず(と言ってもほとんどPCの前に座ってパワーポイントをいじってますが)、オフを満喫している感あり。この前何かの統計で睡眠時間の各国比較があり、日本は6時間強で世界の中で最も短時間の部類であり、最長はフランス(8時間強!)というのを読んだ。フランスは世界の中でも考え方が際立って個性的という印象が強いですが、何か長い睡眠時間も関係ある気がして休みはフランス人並に寝る。

 DVDを借りてきて観る。「マーダーボール」。車椅子ラグビーのドキュメントです。アメリカナショナルチームの暴れん坊の選手と、元アメリカチームの選手で年齢が高いため選に漏れ、それを不服としてライバルであるカナダの監督に就任した2人を軸にして構成されています。日本では「リアル」という車椅子バスケットをテーマにした井上雄彦氏の素晴らしい漫画がありますが、この「マーダーボール」も素晴らしい。殺人ボールというタイトルどおり車椅子ラグビーはハードなぶつかり合いですが、試合のシーンよりアテネのパラリンピックに向けてライバルの2国のチームに属する選手の生活、精神の流れが描かれています。

 彼らの周りの人々、恋人たちの様子が日本とだいぶ違う気がする。障害者に対して自分たちと同じというスタンスで接している(心の中はもっと複雑だと思いますが)人々の様子は僕の心の中に何かを残しました。

 ライバル同士の激戦で(本当にこれほんと?と思うくらいの接戦が続く)負けたチームの様子は心を打たれます。勝つことの意味合いが肢体に恵まれたアスリート達より大きい気がします。泣ける。

 足が動かなくてもどこかが痛くても時間は流れます。「五体不満足」の乙武洋匡氏がとりあえず悩んで蹲ってないで行動すること、視点が変わると世界の景色が変わり自分も変わると述べていました。僕もボーとしている怠惰はイカンとしみじみ思いました。この連休だけ許してね。

51CNH96iGKL._AA240_
ボヤボヤすんなよー!

007

 どうもやたらやることが多く、ブログ書くところまでなかなかたどり着かない。考えてみると僕が今までの生涯で最もハイブロウなレベルの本を読んだり映画を見ていたのは17才から20才くらいの頃か。なんというか行動も速いというか、実感的に使える時間が豊富だったからという気がする。余暇が文化を生むのか?今は仕事に追われる独楽鼠みたいなもんだ。なさけねー。

 疲れると頭を使わないで済む体験を好むようになる。この頃車で聴くCDも軟弱です。今夜は007-ジェームスボンドのサントラ集。

 僕は父親が映画好きなせいで小学生の頃からいわゆる大人の映画をよく見ていました。森繁の「社長漫遊記」とか「駅前」シリーズとかも。007も勿論第1作の「殺しの番号」から見ていて、タイトルバックで3人の黒人がシルエットでジャージーな音楽にあわせて歩くシーンを今でも覚えています。勿論!007はショーン・コネリーしか考えられない。

 僕の持っているCDはよく出来ていて、あのいかしたテーマは勿論のこと、相当新しい作品も入っています。イギリス製。久しぶりに通して聴いて、今まで一番の名曲は「ロシアより愛をこめて」だと思っていたのですが、実は一番好きなのは「サンダーボルト」だと気がつきました。トム・ジョーンズ熱唱!あとシャーリー・バッシーの歌う「ダイヤモンドは永遠に」とかルイ・アームストロングの「愛は総てを越えて」、ナンシー・シナトラ!「007は二度死ぬ」(日本ロケのやつね)とかね。

 冷戦時代も終わりスパイ物は流行らなくなりましたが、あんなにワクワクしたお話はもう出来ないのでしょうか?007で見たアストンマーチンDB5はいまだ僕の知る限り最もカッコのいい車ですが、何はともあれ憧れの目で見てしまうようないかしたスパイ映画をもう一度作って欲しいものです。今の時代だとパロディにしかならないのかな。

00009.jpg
はげてもかっこいいけどね、これ!

座り疲れ

 東京へ抗加齢医学会のセミナーに行ってきた。連休二日使ってである。でもまあ面白いからいいか。相変わらず工夫を凝らしていい構成である。「海馬」で有名な東大の池谷裕二准教授も講演。面白い。

 いくつかへーと思うことがあったのだが、そのうちの一つは、ハエや線虫などを匂いで刺激する、もしくは嗅神経を破壊すると寿命に影響が出るという話。匂いや触覚など感覚神経の刺激は寿命に関係がある可能性があり、「気持ちいいよなー」という感覚をくすぐるような刺激を沢山持っていると長生きできるかも知れんな、と思った。アロマセラピーは人間で免疫に関係するリンパ球を増やすというデータも公表されていた。

 安部司さんの「食品の裏側」は、いかに添加物が恐ろしいか、保存剤や香料がいかに沢山使われていて健康を傷害している可能性が高いかという話。これは本当にぞーーーーーとするくらいです。ちょっと食べるものがなくなりそうな感じ。同じタイトルで本が出ているから是非読もうと思う。皆さんも読んでください。

 しかし2日間、ぎっしりの日程(夜は9時まで)でちょっとばてた。ねむてー。明日はいつものとおり仕事が続く。もう寝ます。

yuyuyuyuyuyuy.jpg
マスト・リード・イット!

食えない男に負ける

 100歳以上のお年寄りが国内で3万人を越えたと報道されていた。3万人!僕の診療所でも101歳の方が通院されておられるが、1診療所に1人おられると考えたらそんなものか。ものすごく稀な、という感じはだんだん無くなっていくのだろうな。

 社会が成熟していくと当然少子高齢化が起こってくるが、おそるるに足らないことだ。叡智を持って乗り切っていけばいいだけのことである。

 この前ゴルフに行ったとき、76歳のご老人が我々のパーティと合流した。この爺さんがイケてた。そのゴルフ場の主みたいな人で、車は駐車場にとめずスタートする箇所にごく近い隙間みたいな道路にちょこっと自分の軽自動車を止めている。受付は通さず気ままな時間にふらっと事務所に入ってあいているパーティに入れてくれと言う。「わしは女の人が好きで入れてくれというと大概気を遣っておばさんのグループに入れてくれる。男と回るのは久しぶりや」と笑っていた。

 女性と回るときは話が途切れないよう「ジジイで飛ばないから」と言いながら一緒にレディースティで回る。そのうちの一人からもらったというレディース用のクラブを使用。

 時々ボールが当たる抽選などがあったときは「当たり玉が出るまでグルグルと台をまわすんじゃ。女の子がはずれでも、出ましたーと言うてボールをくれる」そうである。

 やりたい放題。食えない爺さんだが81で回りはりました・・・脱帽。まあこれで下手だと単なるどうしようもないジジイだな。何であのフォームで飛ぶかね。

 かなわんなー、という感じを若者に与える、そういうジジイに私もなりたい(別の意味で、もうすでに…という声もある)。

sgsfssajaha.jpg
まあこんなもんだ