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第15回なにわNST倶楽部

 「第15回なにわNST倶楽部」で20分ばかり講演してきました。

 NST(栄養サポートチーム)というのは、病院で栄養や嚥下機能に問題がある患者さんを各科の医者、看護師さん、栄養士さんなどがチームを組んで改善させていくというものなのですが、この「なにわNST倶楽部」は市立総合医療センター外科の西口先生が中心となり着実な成果を上げてきた立派な団体で、ひょんなことから僕は開業医としてただ一人世話人になっています。今回病院でなく地域の開業医が患者さんの栄養問題にどう取り組むか、今考えていることを話させていただく機会を与えられたというわけで、フランクに思ったことをそのまま話してきました。

 NSTというのは病院のマンパワーがあってこそ始めて成り立つものであり、地域においては病院からのマンパワーを借り出すシステムが欲しい(在宅NSTパック)ことや栄養改善のための一時的な入院の必要性、胃ろうを作る前に何とか経口摂取できるよう、また胃ろうをはずす努力をNSTでして欲しいことなど・・・。

 パラメディカルの方には大変好評でしたが、外科の先生方は「ショッキングであった(by西口先生)」とか割と渋い反応だったような。別に胃ろう造設を否定しているわけではないのですが、今まで胃ろうの普及に努力されていただけにちょっとネガティブに響いたのなら申し訳なかったと思います。

 しかし栄養改善入院はすぐにでも可能等前向きな発言を沢山戴いたので言った甲斐もありました。ここに来られている方はとても前向きで熱い方が多く本当に触発されます。僕も今まで以上に栄養問題に関して積極的に取り組もうと強く思いました。

 司会の済生会野江病院の足立先生(僕と同じUNCのalumniということがわかりびっくり)、竹内さん、世話人の城東中央病院TQM室長田中さんはじめ多くのみなさんの熱意が実ることを強く祈念して(他人ごとのようだ)もう寝ましょう。

これがショッキングだったそうです。胃ろうが最終手段かな?

という疑問の提示で悪気はなかったんだけどなぁ。

運動しかない!

 連休も終わりました。

 引きこもりです。デスクワーク。

 外に出たのは2日間で3時間くらい?2時間は愛犬の散歩、1時間はゴルフの打ちっぱなし。しかし家ではチョコチョコとエクセサイズ(らしきもの)をしていました。

 この前のブログでも書きましたが「脳を鍛えるには運動しかない!」(原題はSPARK :The Revolutionary New Science of Exercise and the Brain アメリカで2008年8月に刊行)を読み終えたのですが、読むだけで運動をしたくなるという説得力のある本でした。身体を動かすことの大きなメリットは身体よりも脳機能を良くすることであるということを、最新のデータ、事実をもとにいやというほど教えてくれます。

 詳しいことは読んでいただいた方がいいですが(書ききれない)「運動がカプセルに入っていたら、その脳への効果はトップ記事になるだろうに!」と著者のレイティ博士が嘆くのはもっとも。認知症になるんじゃないかと心配して要らぬ薬を飲むよりは運動です。

 エッセンスを少しいうと、①一人で淋しくより複数で楽しくしたほうがいい。②軽い運動をベースに心拍数をかなり上げる激しい運動をインターバル的に入れたほうがいい。ちなみにレイティ博士はほぼ毎日の20分のジョギングの合間に週に2日(これ以上はやらない)、30秒の全力疾走を5回入れる(成長ホルモンが圧倒的に増える)そうです。有酸素運動自体は週に6日1時間、あいだの二日は少し強度を上げ短めに、というのもあり。ニューロンの結びつきがよくなるし気分的にも改善する。うんざりしたら文句を言うより軽く走る。いいことずくめです。

 古来人間は動きながらいろいろな知恵を得ていたので、じっと座って学習という形態はじつは効率がよくないのかもしれません。後は実行するのみ。しかし意志が強くなる方法というのは未だかって発見されていないような気がするなぁ。まず何が何でもともかく開始する、これがポイントのようですが。

たまに外に出ると気持ちよかった。今日は雨だけど。

Boy's Day

 明日から連休。

 朝の高速、神戸方面に向かう下り車線は朝の7時から大渋滞であった。休み前は大概そうだ。おお、混む休日でも遊びに出かけるタフで幸福なファミリー達よ。僕は全く無関係に仕事場へ向かう。

 ところで医療機関は女性の職場である。男性の数は僕の法人でも2割弱で、外来は僕だけだし、本部でも2人だけ、他は全部優秀な女性たち。しかし今日は本部の女性達がみんな出張や振り替え休日でおらず、ボーイズ・デイとなった。遠慮なくM君と悪口を言う、というのはウソで寂しさを慰めあう。で特別なことは何もおこらない。

 外来はスムースに終了し、久しぶりに蒲生4丁目のインド料理店、「Rani」に一緒に行く。相変わらずタンドリチキンがおいしい。本日のカレーはマトン。

 帰ってきて来週木曜日にある「なにわNSTクラブ」(最近雑誌の取材を受けて僕も少し出ています)での発表の仕込みをする。20分の予定でまだほとんど何も出来ていないが、大体の骨子は固まったので後は連休に賭けることにする。こういうのは頭で考えなくても間に合うように身体が自然に動くので、まあ大丈夫なのであろう。

 夕方から1階のプリシジョン・スタジオでランニングマシーンを使って30分の速歩と30分のパワーリハをする。パワーリハの登録患者さん数がかなり増えてきたが、自分でやってみると当然だと思う。これを週3回続けているのと、何もしないでテレビを見ているのでは、1年後メジャーと草野球くらいの差がつくだろう。今「脳を鍛えるには運動しかない!」という凄いタイトルの本を読んでいるが、内容も凄くよくて大いに運動するモチベーションをかき立てられる。エクセサイズ・オワ・ダイ!です。

 午後6時にクリニックを出る。M君は「ケア・タワー」での会議に行った。お疲れ様です、みんな。車に乗り込むと外気温は21℃。久しぶりにオープンで帰る。今年2度目かなぁ。

 BGMは「Stoned Green Apples」という日本のティーンエージャーの女の子2人組のヘタウマバンド。綺麗な若い女の子たちの笑い声というのはこの世で最強という気がします。明日から2日間はずっとたまった仕事をすることになるが、まぁなんとなく嬉しい。皆様、よい休日を。

明るく見えるけどすでに夕闇です。

 

屋外の蘭

 知り合いのおじさんが言った。

 

 「外に出していた蘭がちゃんと咲いとる」

 「蘭って大概家の中で育てませんか?」

 「普通わな。俺も全部出しとるわけではない。丈夫なやつだけや(名前は忘れた)。せやけどちゃんと咲いとる。過酷な条件やと花も必死になって子孫を残そうと頑張るんや。甘やかしたらあかん。子供といっしょや。」

 「確かに荒地で育てた果物のほうが甘くなるみたいですよね。」

 

 最近僕の年代で引退するやつが出てきた。同世代と話しても、今からうってでようとするやつはなく、いかに守りに入るか、今ではないにしても先はこの方向でというニュアンスが多い。

 今当法人は期末でもあり若干の人事の入れ替えが起こっており、部署により負担が増えているところがある。僕も(ちゃんとやりたいことをするとすると)自分のやるべきことが増え、ほんのちょっとブルー?

 朝、外来の掃除も人数が少なくなっているので声をかけに早朝のぞくと、O嬢、I嬢が元気に笑いながらやっていた。その後M君はじめいつもの元気でご機嫌なメンバーと会っているうちに突然スイッチが入る。

 僕はみんなにいろいろやっていただくには50年ほど早いようだ。生涯1切込み隊長でいるべし。

 毎日4時間半の睡眠で勉強する人、狂うほど仕事をすると言い切る人、人材に溢れており、隊長である僕が隠居よろしく世話を焼いていただくわけにはいかない。屋外の蘭、Orchids outside でいるべし。そう思うだけで元気になってくる(でもちょっとは焼いてね・・・うそっ。焼かれすぎてすでに黒焦げという話である)。

みんなのお話

 今日は春の陽気であった。

 しかし愛犬と僕は流行の胃腸風邪にかかったようで(犬は風邪を引かないとのことで散歩の途中で変なものを拾い食いしたのかもしれない)吐き気、下痢というバッドコンディションである。ともによたよたしながら散歩に出る。なんか1日眠たい。ひたすら読書に励む。

 数冊平行読みであるが、その中の1冊はポール・オースターの「ナショナル・ストーリー・プロジェクト①」である。なぜこの本を読もうと思ったか?内田樹教授のブログを読んだからである。

 こんどこの日本版の募集が行われるようだ。誰でも1つか2つ持っているウソのようなほんとの話を募る、それを本にする、誰でも考えそうなことだけど(話を聞いただけでも面白そうでしょう?)なかったんだなぁ、大掛かりなやつは。「死ぬかと思った」とか、体験談をまとめた本というのはあったっけ。しかし「信じられないけれどもリアルな真実」を一般募集して文学者が選ぶという趣向はなかったと思う。今から楽しみだし、自分でも何か書けないか考えてみよう。

 でこの本がオリジナルなのですが、印象はアメリカだなぁーということでした。強く国民性を感じる。アメリカが物語を語るのが私には聞こえたとオースター氏が書いていますが、確かに一般の方が書いている分、小説よりも多様でアメリカン・一般ピーポーの気質がよくわかります。ちょっと違和感もあり。

 日本版が出るときっとこちらの方が共感度が高いだろうし、驚き度も強いんじゃないかと思います。どういった形で募集されるのかまだわからないけど、すべての人の話を聞きたい。是非皆さん、書くようにね!

②を読むかはわからないなぁ

 

勉強会、キラーストリート

 今日は「第9回今更訊けないこんなことミーティング」がコープ大阪病院でありました。

 演者は院長の向井明彦先生で、「リウマチ、膠原病」の話題です。リウマチ、膠原病というのは専門医の先生にどれくらいの段階で御紹介すればいいのか結構微妙な疾患であって、このような機会でもないと細かいことは訊けません。

 向井先生がおっしゃっていたのですが、リウマチ、膠原病は急な進行をする疾患ではなく経過をみながらいろいろ悩んで治療をしていくものなので専門のドクターも慎重で心優しい人が多い(僕の専門である循環器ではまず出ない発言じゃわい)とのこと。先生自身もその通りの方でした。1時間にわたって丁寧に作られたパワーポイントで有益な講義をして戴き、個人的には大変満足しました。有難う御座いました。

 薬会社さんが企画したものでなく医者の中からの希望で始った会が9回も続いたか・・・快くスポンサーになり続けてくださっているN社、そして肌寒い土曜の午後に集まってくださった先生方に心より感謝いたします。

 会が終わりボンヤリと薄日のさす中を車で帰る。午後6時ですがまだ外は明るい。BGMにサザンの「キラーストリート」を聴く。「夏」「海」という単語を桑田圭祐選手がチャーミングな曲の中で連呼している。空気の中に夏の欠片が混じりこんでいるような気がして、心の奥底より切実に夏を渇望した。

ゆらゆらと沈む春の陽

3毒

 この世の3毒とは何か?

 「これだけで何でもよくなる」「これはなんにでも効く」といった類のセリフを案外よく聞く。これは勿論すべてウソである。One fits all というのはほとんどない。

 世の中を渡っていく上での原則というのもいくつかあるが、こいつも然り。すべての人に当てはまるわけではない。しかしながらごく稀に、オールマイティ、万人に効くというのはあって、その一つがこの3毒を避けるということである。

 3毒?銀である。GIN。これは覚えやすいように僕が頭文字を適当に並べて「銀」にした。勝間和代氏が話していたのを覚えていたのだ。彼女はこの世の3毒を「妬む」「怒る」「愚痴る」と言った。N.I.G.を覚えやすいように並べ替え。

 確かに3毒である。浴びるのもかなわんが、この毒を体内に生成していたら間違いなく人相が悪くなり、幸運は逃げ、淋しい人生を送ることになりそうだ。

 「誉める」「笑う」「前向きに考える」はこの逆。字面からして明るい。この3薬は頭文字で覚えなくても自然に出てこそ大人である。よろしいか。(これは一部を今日の朝礼で言った。Gの愚痴るがなかなか出なくて恥をかいたが。トホホ。)

GINに満ちた男

「Ⅴ」

 一日冷たい雨が降っている。明日も降りそうね。

 何故にお休みの火曜日や往診の日に雨が多いのであろうか、謎である。余は悲しい。といっても雨の日は家の中でゴソゴソすることに何のためらいもない。いい天気だと外に出ないともったいない気がするけどね。

 PCの前に座ってちょっと仕事をし、CDの整理をして(ケースと中身がまるであってない)、あまり聴かないやつをBGMにして本を読む。至福である。仕事の予定が半分もすすまなくてもいいではないか、こんな雨の日は。

 で音楽なのですが、United Future Organization の「Ⅴ」に感動する、かなり。このU.F.Oと略されるバンドは現在殆ど活動休止中であるが、一時期かなりフリークでした。

 HPによると「1990年、矢部直、ラファエル・セバーグ、松浦俊夫により結成。 東京に於けるクラブカルチャーの創成期の礎を築く。DJとしての活動に止まらず、積極的、多層的な展開を試みる。 1991年に1stシングルを発表以降、その勢いは世界的に波及し5枚のオリジナルアルバムは32カ国で発売され、国内外の高い信頼と評価を勝ち得る。 2002年、松浦俊夫が脱退するも活動はさらに多様化し、その動向は注目され続けている。(jun./2005)」と書いてあります。

 この「Ⅴ」がリリースされてから松浦氏は抜けたようですね。それまでの4枚のCDは信じられないくらい素晴らしくて、センスがいいということを理解したければ黙って聴きなさいというクオリティでした。

 この「Ⅴ」は最初に聴いたとき、なんというかあまりの静謐さ、盛り上がりの欠けた感じに肩透かしをくったような、ありゃといった感じで、あまり聴き返すことがなかった。8年前ですね。

 ところがなー、今聴くとすごい高度なシンプルさというか、とりあえず昨日出ましたといってもおかしくないこの古びない音の感じはどうだろう。一番U.F.Oらしい気さえしてきた。普遍的なシリアスで深い音です。年を経るとわかるのかね、こういうのは。暗い雨の日に絶妙。

 まあ音楽を文章で説明してもしかたがないね。上質で媚びない音が好きな人は是非お聴きください。温古知新です。

 

 

BUSYでした。

 先週の金曜日は日本循環器学会総会が京都で開かれており、お昼の時間を利用して出かけました。

 京阪電車に乗り、三条で地下鉄に乗り換え、宝ヶ池の国際会議場へ。昔友人が京都にいて結構よく出かけていました。そのせいかすごく親しい感じがします。可能であれば住んでみたい街の第1候補である。

 丸太町とか烏丸とか風情のある町名と、微妙に大阪、神戸と違う風の匂いを楽しんでいると突然声をかけられました。びっくり!パワーリハビリテーションを利用されているNさん親子でした。

 彼は30代ですが脳血管疾患で片麻痺があります。努力家で自分で身体の仕組みとかよく勉強されており、パワーリハビリテーションの研修会でもモデルをかって出たりしてくださいました。彼がお母様と一緒に北野天満宮に梅を見に行く途中だったのです。行動範囲の広さにとても嬉しく思いました。リハビリテーションの甲斐があるというものであります。

左は参加登録所。去年の失敗から学んだと思われる。

  

 翌日の土曜日は休診にして東京の第9回パワーリハビリテーション学術大会へ。スタッフのM君が「パワーリハビリテーション中止後の身体精神的変化」のタイトルで発表があります。うちのクリニックは5回続けての発表。

 僕は鹿児島の加倉先生の「パワーリハでパワフルエイジング」という基調講演の座長をさせていただいたのですが、コメントで竹内教授が最近熱心にパワーリハをご自分でされていて(来年古稀になられます)、白髪が黒くなってきた、手の老人班が薄くなってきたと話されておられました。

 うむ、僕もやらなくっちゃ。君は最近なんの運動をやっているのと尋ねられ、ゴルフしかやってませんと答えると、もうちょっとシリアスなエクセサイズをやりなさいとシビアなコメントも戴いたことだし。ということで日曜の夕方に雨の大阪空港に到着。まぁ忙しい金土日であったよ。

熱弁をふるうM君。十分合格でした。

50 Dreams

 木曜日は早く終わるので近くの書店による。

 チラチラとみて買った雑誌「GOETHE」に「死ぬまでに果たしたい夢:50歳からの人生50のリスト」というのがあった。自ら生涯を通じてかなえたい夢を書き出すというのは実現へ1歩近づくということだ。しかし50ってのは結構考えでがあるぞ。50歳になる何人かの人の夢。

 小山薫堂氏:自分の名前のついた定食を近所の食堂に加える、どんな小さな国でもいいので、国家元首とメール友達になる(悩みを打ち明けたりして。彼がお忍びで東京に来たときは僕が案内してあげる)、大学よりも入るのが難しい学生寮を作る(彼は大学で教えている)・・・。

 佐藤優氏:琉球語を完全にマスターしたい。アルバニア語を読めるようになる。サンスクリット語を読めるようになる。ベルラーシ語の文法を習得。ソルブ語の文法を習得・・・以下略(延々と僕の知らない言葉を習得したいという文章が続く)。

 香山リカ氏:スノーボードに挑戦する。ジョン・ローンに会う。ピアスの穴を開ける。プロレス団体を作る。精神科医をやめる(「人を助けた!」という実感の得られる「ER救急救命室」の世界にあこがれる。救急医になってみたい)とのこと。非常によくわかる・・・。

 見城徹氏:ボクシングの試合に出る。地中海クルーズをしながら坂本龍一の全作品を聴く。自分のラグビーチームを作る。「植村ふみ」という女性に会いたい(大学の時に憧れの人だったそうです)。静岡県知事になって海岸線を南仏海岸のようにしたい。1年間誰の悪口も言わないで過ごす・・・。

 まあ人それぞれ。僕は何か?

 外来では一人30分くらいかけて総てをカバーする本当のかかりつけ医として仕事をする(これで食べていければね・・・)。毎日1時間は自分の身体つくりに時間をとる(実は本当に大事なんだ!)。週の半分は自分で好きなものを料理して食べる(料理は今一番やりたいことでもある)。うーん、なんだ、案外あるぞ。発表するのも恥ずかしいからここでやめるけど、50個完成させよう。勿論あなたもどうぞ。

これはモンクスドリーム