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内科学の展望とジャスミン

この小春日和のいい天気、国立京都国際会議場にいる。第38回内科学の展望「難治性内科疾患の克服にむけて」という講演会に来ているのである。朝から夕方まで1日中。まじめだなぁ。トホホ・・・

内科専門医更新のための単位取得という意味合いがあるわけだが、それでもアップ・トゥー・デイトな話題を専門家から直接聞ける、しかも普段なら読まないだろう他の分野の話というのは貴重である。パーキンソン病、MDS、難治性ネフローゼ、De novo B型肝炎とか、全く知らなかった治療の話もある。割と眠らずまともにノートを取る。

教授の皆さんはほとんどが僕と同年輩か年下である。うーむ。医者になって数年目、今までお姉さんばかりと思っていたナースが、いつの間にか僕より若い子ばかりになって何か年取ったなぁと思ったものであったが、また一段とレベルが違う感慨である。

聴衆は明らかにご年配の方が多い(ような気がする)。あの年齢になっても新しいことを学ぼうとする意欲は立派なものだ。素直に感心する。

で暮れかかった大渋滞の京都の町を、帰路を急いでいたわけだが、車のステレオから流れる素敵なピアノが誰だかわからない。自分でCDからハードディスクに入れたのはずなのだが、最近やたら入れてるせいか全く分からない。一瞬かなり焦る。怪しいと前から思っていたがついに来たか、認知症。しかし突然思い出す。キース・ジャレットの「ジャスミン」じゃないか。

これはいいCDです。僕の高校の同級生でちょっと男前をいいことに悪事の限りを尽くしている某広告会社の社長が「心が癒される…」と言っていた。へっ!でも悪党でも癒されるのですからなかなかのものです。

ベースのチャーリー・ヘイデンとのデュオ。キースの自宅のスタジオで録音したせいか、いつものクールさが薄まり、ひたすら優しい。最近は診察室でもこればかり流していたはずだ(小さな音だし仕事中なのでほとんど聴いていない)。仕事中でも車でもこればかり聴くか。癒されたいのかな?そうでもないんだけど。

でもとりあえず今年は最後まで「ジャスミン」です。

寛ぐドクターたち                  ジャレット!

無垢なサムシング

 今日のお昼休みは嘱託医をしている社会福祉法人「そうそうの杜」へ行く。定期検診とインフルエンザの予防接種のためである。

 結構長く嘱託医をしているので、利用者さんとはかなり顔馴染みである。障害を持つ方はシャイな人が多い(気がする)が、みんな愛想よく答えてくれるので、実際上は普通の方の診察と違い手間がかかることも多いのだが苦にならない。むしろ楽しくなってきた。無表情な方でも親しみをちらっと見せてくださるので心が和む。

 100人近くの方を診たり注射したりしたのだが、一緒に来てくれた当院OL(オフィスレディじゃなくて、おったまげる位ラブリー、ね)の代表二人、受付のI 嬢とNナースのテキパキ且つ滑らかで優しい仕事ぶりで予定通り終了する。

 しかし思うのだが、知的障害をお持ちの方は本当に若く見える。30歳くらいだと思っていたら60歳だったり、18,9かと思っていたら35歳、実年齢より半分くらいに見える方が結構多いのだ。何故だかはわからない。単純に言うと子供っぽく見えるのであるが、それが知的活動量の問題だとか偉そうなことでは決してない。全くものを考えない情けない普通の大人はあのようにピュアーに見えないのだ。

 無垢なサムシングが宿っているように思う。

 お世話をしている方も、だから続けることができるのではないかなと思う。

 なんとなく我が身を振り返り口少なくなる。午後からの診察は真面目一点張りであった(ような気がする)。

すげえ混雑ぶりであった。

 

大忘年会!

 抗加齢医学でご指導いただき、それ以外もいろいろお世話になっている静岡の田中消化器科クリニック、恒例の大忘年会に行ってきた。

 スタッフが看護、総務、受付の3セクションにわかれて出し物をする。これがかなり力のはいったもので、この熱演をぜひ見に来てよと以前から誘われていたのである。土曜日の外来が終わって新幹線に乗り、静岡で乗り換えて会場の焼津グランドホテルに向かう。

 「大忘年会」と銘打つだけあって大広間にスタッフや業者の方々、僕のようなゲスト合わせて100名くらいだろうか、ザワザワと賑やかである。僕は審査員を仰せつかる。「新春かくし芸大会」に参加しているような気になる。

 今回は開院20周年ということで、地元の女子高校生の和太鼓クラブの素晴らしい演奏で幕開けである。どなたかの関係でお願いしたとのことであるが、最初の紹介がなく突然始まったのでてっきりスタッフの演奏かと思った。あー、びっくりした。うますぎるぜ。

 スタッフの出し物はみんなほのぼのとよかった。動画をスクリーンに映したりかなり凝っているのだが、基本的にクリニックで働くことの喜び、楽しさが裏に感じられる。なんと素晴らしいことだろう。

 結果は受付の圧勝(主演女優賞も含めて)に終わる。今までは看護部が常勝だったらしい。そしてその後、忘年会のメインイベントである表彰が行われた。

 スタッフ全員の投票により「もっとも爽やかな挨拶をしていたスタッフ(毎年テーマは変わる)」「入職3年目までのベストルーキー」そして「もっとも感動のあるクリニック作りに努力していたMVP」が決まった。MVPは受付のチーフであり、最初にお会いした時も爽やかできちんとした印象の方であった。内面はおのずと外に出る。

 田中院長のしめくくりの挨拶の時、僕も紹介されて壇上でご挨拶した。田中クリニックとはこれからも長いお付き合いになりそうで、来年早々、スタッフの方がうちのクリニックの仕事を体験する交換留学生(?)制度を開始、そして!来年の大忘年会にはうちからも参加することになった。Beautiful Girls From Osakaである。いいね、みんな。

宿舎から見た駿河湾の朝日

宴会の写真は大きすぎてアップロードできず、すまぬ。

 

 

グッドニュース!

 風邪で忙しく、プレ忘年会シーズンみたいに仕事後飲み食いの会で遅くなり、割とフラフラな今日この頃、グッドニュースが飛び込んできた。

 当法人のふくろうロゴが「日本のロゴ&マーク集Vol.1」に入選、収録されたのである。
 
 「日本のロゴ&マーク集Vol.1」は416ページという重厚感のある一冊で、約200社の企業及び制作会社から 収集した約1500点の作品が掲載されている。 ロゴマークと併せて実際の使用例を多く見せることで、 イメージやバリエーションが確認できる内容である。

 制作していただいた「ブルックスタジオ」から掲載のコンテストに参加していいかという話があり、もちろん喜んでお願いしたのだが、いい結果になってよかった。 

 YOUTUBEでの紹介動画もある。

 センスを認められたロゴをつけて仕事ができるのは嬉しい。当然だが内容も伴わなくっちゃな。ブルックスタジオの皆様、どうも有難う御座いました。

1ページ丸々はあまり無い。

豪華です。

2次救命措置

 土曜日は「2次救命処置コース(ACLS)」の講習会に参加した。基本的心肺蘇生術の次の段階のやつです。

 開業すると心肺蘇生術はほとんどやる機会がない。蘇生術自体はどんどん進歩しているし、重症の患者さんが外来に来る機会もだんだん増えているので、まああまり使いたくないですが必要と思って参加した。というか僕は♪ほうちょういっぽん~さらしにまいて~(知らないだろうなぁ)♪というか、医師免許1枚くるくる巻いて、この世界で何があっても一人で生きていけるような人間を目指しているので、技術習得には熱心なのだ。

 忙しい土曜日に1時半集合厳守、プレテストやっておいてください、予習必要です、という高圧的(でもないか)かつシリアスな態度に「ざけんなよ」と少し思いながらも前日眠い中を勉強、当日も外来の受付時間を制限してなんとか滑り込む。しかも1時半から8時まで(泣)あるのである。

 会場のサトウ病院に着くと少しざわざわしている。実は城東区医師会から申し込み受付があった時、参加希望したのはなんと僕だけ!だったので「シーン」という雰囲気を予想していたのである。結構いるではないかと思ったのだが、なんとスタッフ23名、参加者18名(医者3人、歯科医1人、あとはナース)という、マン・ツー・マンより豪華な編成であった。

 このACLSの講義は内科学会が認定医の申請要件にも入れようとしているもので、僕の感覚では全医師必須なのですが、みなさん自信あるんでしょうかねぇ・・・(皮肉っぽい)

 ディレクターは府立中河内救命センターの岸本先生(熱い!)、インストラクターは関西中心にナースやPT、消防隊員など多彩なメンバーで、みんな共通の熱いNPOっぽい匂いがする。僕はこういう感じは正直なところ苦手であるが、実習、シュミレーションなどやっているうちに楽しくなってきた。

 医者が一番充実感を感じやすいのは救急の場である。僕は循環器医であり、心筋梗塞など内科救急に勤務医の時は携わってきたし心肺蘇生も相当数やってきたが、生きるか死ぬかという場になればなるほど自分が落ち着くのがわかる。アドレナリンが全開となり、日頃冴えない頭がとてもクールになってきて快感なのである。どちらかいうとこういう場が好きなのだ。

 しかしシュミレーションでも、久しぶりだとかなりあたふたするのであった。恥ずかしい。でもこれだけ繰り返すと実地でもなんとかなるかという気持ちが出てきた。いろいろ疑問点も解消されて、終わった時点では参加された城東区医師会会長の堤先生と「よかったですよねー」と笑っていたのである。

 ボランティア的に参加されているインストラクターの皆さんには心より有難うと言いたい。

 早く実地でやりたいです(コラコラ)。

                   待ち受ける人々      嘘じゃない証明

 

 

日暮れて道遠し

 土曜日に「第6回北野心臓血管疾患研究会」に参加した。北野病院の副院長であり京都大学の教授でもある野原隆司先生が中心になって、主として京阪沿線の開業医が参加している病診連携の勉強会である。

 僕はどういうわけか世話人の一人となっていて(なぜ僕がなっているのか本当にわからない)、第4回から参加している。城東区から世話人は僕だけで、他は都島区からI,F,Tの3先生(こういった勉強会では本当によく会う先生です)、守口市からK先生、あとは北野病院の野原先生、植山先生、春名先生といったところである。

 講演前の世話人会でお話をしていたのだが、この4人の開業医の先生の博識なこと、勉強熱心なことには本当に驚いたのである。まぁ前からそう思っていたが。久しぶりにお会いしても全く衰えない向学心には心より御見それした。3人の先生は僕よりわずか年下であるが、知識を得ることに関して腹が据わっているのである。

 昔勤務医だったころ、開業医の先生は何となく落ち着いてしまっているようにみえて魅力がなかった。貪欲さを感じなかった。そうはなるまいと決めて自分では努力しているつもりだったが、いやまだまだです。

 で、溜りに溜まった医学雑誌を整理することにした。毎週、毎月来る医学雑誌が、目を通さないままで積まれていく。大体帰宅するのは9時半、そこから飯食って風呂入って、そこから勉強は正直つらい。でもね、それじゃだめなのよ。

 必要な記事をスクラップするかPCにまとめていく。うーむ、やはり勉強になる。これを毎日やってりゃもう少しまともな医者になるじゃろうと思い、実際的なプランをいろいろ練る。実行は難しいかもしれん・・・しかし。

 もう真夜中である。日暮れて道遠し。千里の道も1歩から。まっ、気長にしぶとく。

こういう感じね。

 

 

 

ニューステラス関西 パート2

 今日、NHK大阪「ニューステラス関西」の取材があった。

 この前の「禁煙外来」の紹介篇についでの第2弾は、タイトルをつければ「禁煙補助薬がない!」となるのかな。このブログでも書いたが、内服する禁煙補助薬の生産が追い付かず、多くの禁煙外来が新規の患者さんの受け入れを中止している。たばこの値上げに反応して禁煙志望者が禁煙外来に殺到したためである。もちろん当院も例外ではない。

 この前お世話になった報道記者のIさんから状況を問い合わせるお電話があり、取材をお受けすることとなった。電話を受けたのは外来チーフのO嬢だが、「取材のお電話がありました」という言葉もなんかもう手慣れた感じである。

 今日外来は風邪の患者さんでメチャ込みで、終わったのが1時半、そこから往診があって帰ったらもう約束の時間であった。頭もボーとした状態で取材を受ける(言い訳がましいか・・・)。

 Iさんはとてもよく勉強されていて、ポイントを突いた話をされる。基本的にせっかく禁煙の機運が盛り上がっているところで出ばなをくじかれたような形になり医療機関としては残念至極!というストーリーを考えられているのだが、僕個人としてはそれはそれで禁煙の方法は1種類じゃなく、いろいろバラエティが考えられてむしろいいんじゃないかという気がしている。しかしその方向に行くと話が微妙にかみ合わない感あり、なにか自分としては中途半端だったなぁ。今言ってもしゃーないけど。

 僕だけじゃなくスタッフもかなり取材されました。O嬢もフル出場です。実際の放映はどうなるかわかりませんが。

 カメラマンはこの前と違って1人は女性の方でした。プロ意識丸出し。かっこいいです。チャキチャキと仕事は進み、1時間はあっという間に過ぎた。風のように現れ風のように去って行く報道スタッフの方達。あの手際良い仕事っぷり、プロ意識、勉強量は見習わなくては。

 放映は12日金曜日NHK,午後6時10分から59分の間です。お時間のある方はご覧くださいませ。

 お疲れ様でした。

秋祭り

おお、久しぶりにブログを書くところまで到達したのですが、この前から10日もたっていたのか!ビックリです。息をすって吐いたらもう10日という感じ。芥川龍之介の「杜子春」のように、一生は、実はウトウトしていたつかの間の夢だったというのと逆。

・・・まずいです、逆・杜子春。ふと気がつくともう一生が終わってた、にならないように。

まあ、それも素晴らしい気もしますが。

 

で、今日は当法人のお祭り、秋祭りでした。餅つきや模擬店、鍼灸体験、デイサービス見学など、スタッフが朝の8時から集合して(準備はそれこそかなり前からやって)ガッツを入れて臨みました。依然やっていたバザーは大変好評だったのですが、なかなか大変な面もあり、学園祭のようなラインナップとなったのですが、祭り委員長F君の風船作りピエロなど子供達に大好評でした。

他施設から見学に来られた方が、「先生のところはみんな美人だし芸達者だし、どうなってるの」というくらいのもんです。院長が頼りないので下が育つのです。本当に僕は何もせず主張もせず(ちょっとした講演はしたけど)、全部スタッフまかせの運営で、彼らを誇りに思います。Proud of you!


一つの行事が終わり、もう年の瀬は目の前。

ウトウトしてられません(すぐするけど)。

タオルで餅つきの練習中

プレゼント

 連休が過ぎ去りつつある。

 仕事も好きだけど、この義務感の無い感じは素晴らしい!などと言っているが実は結構この連休は追い込まれたのである。

 テストである。

 僕は総合内科専門医という資格を持っているのだが、これが更新制なのである、

  けしからんことに。

 当たり前か。

 学会出席やもろもろで結構な単位を取得しなくてはならないのだが、そのひとつにセルフトレーニング問題集の解答を提出というのがあり、すっかり失念しておった。

 ご親切に催促のお手紙を内科学会から戴き、何日までに提出と書かれた文章が、赤で「至急!」とご丁寧に訂正されていたので焦ってやっていたのである。

 あんね、めちゃ難しいよ、これ。50題あり、ほとんどが症例問題である。かなり実地的です。専門の循環器はともかく、内科全般にわたると手ごわい。循環器の問題から察するに異様に高度というわけではないですが、ひっかけもあるし、これをしれっと解ける人はすごい勉強家であり臨床家である。

 連休の空いてる時間は結構熱心にやっていて、提出はできた。しかし終わってみるとなかなか楽しかった。知識の増えることは楽しいし、それが仕事に直接関係しているのだから、これは気の利いたプレゼントというべきものかも、と思う。

 期限とかテストとかは、無為に時間が過ぎ去らないようにしてくれる天からの贈り物です、きっと。文句を言ってないでどんどん集めちゃいましょう(前向き!)。

結果は知らぬ。

禁煙ショック!

 10月になってから禁煙外来を受診される方が多くなった、予想通りだけど。

 多くの方が内服薬のバレニクリン(商品名チャンピックス)を希望される。ニコチンパッチやガムに較べ禁煙成功率が高いし、テレビなどでもよく紹介されるからだろう。僕の外来でもほぼ100%の使用率である。

 ところがだなー、あまりの需要に生産が追い付かなくなり、現在禁煙外来を継続受診されている方以外(禁煙外来は保険適応が3か月間です)、早くても11月まで処方できなくなりました。

 新しく禁煙外来を受診されてもチャンピックスは処方できない。ニコチンパッチを選んでいただくか、十分供給されるまで禁煙外来受診を控えていただいて、しばらくご自身で頑張っていただくということになります。

 オイルショック時のトイレットペーパーのように誰かが買い占めたというわけではない(当たり前だ)。いかに需要が多いか、禁煙がいかに難しいか、いかに販売の予測が難しいか、去年のインフルエンザや肺炎球菌のワクチンのように、殺到し不足する、日本の伝統芸能のようなものである。

 せっかく禁煙を決意された皆様には本当に申し訳ない。しばしお待ちを。

 というかまずご自身で決意の鈍らないうちにやってみましょう、禁煙を。禁煙外来はそれからでも遅くないです。

禁煙をしない口実にはしないようにね!